細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『大脱出』想定外のハイテク監房からのエスケープ作戦。

2013年12月14日 | Weblog

12月9日(月)13-00 外苑前<GAGA試写室>

M-154『大脱出』Escape Plan (2013) summit entertainment / emmet / furla films

監督・ミカエル・ハフストローム 主演・シルベスター・スタローン <116分> 提供・ギャガ、ポニー・キャニオン ★★★☆

前カリフォルニア州知事アーノルド・シュワルツェネッガーの本格復帰作品だが、ビリング・ランク、つまりギャラはシルベスターの方が、一応は上になっている。

タイトルも「エスケープ・プラン」と判りやすいが、「大脱走」でも「大脱獄」でもないところが、内容の微妙さを表していて妙だ。

初めて聞いたが、プロの脱獄屋というのがいて、シルベスターは、そのベテランで著書も売れていて、各国の主要監獄ではその本を脱獄防止策の教書にしているという。

逃げるにはいいが、その手口を本に書く、というのも妙だが、それを手本にしているという刑務所もおかしい。ま、実に不思議な事例の映画ではある。

で、その脱獄エキスパートの今回の仕事というのが、体内に打ち込まれた発信器も奪われて、完全に失神状態で新しい超難解で透明な独房にいきなり監禁されるのだ。

なるほど、これはあの魔術師フーディニのように、未知の密室からどうやって脱出するか、という謎解きゲーム・サスペンスなのである。

もちろん、シルベスターは罪人ではないが、同じ牢獄で知り合ったのがサイバー・テロリスト犯で牢獄の顔役のアーノルド。

長い政治家時代は、このように牢獄生活だったのか、予想以上にのびのびと楽しんでいるから、「シュワちゃんも役者だなあーーーー」という印象。

このビッグ・ツーがタッグを組んで、この絶対に難航不落の牢獄を脱出するというストーリーだから、この先の展開は書く訳にはいかない。

前半で英知をつくした監獄の仕組みが紹介され、久しぶりのジム・カヴィーゼルが憎らしい監獄所長で出て来てからは一手一手の知恵競べになるが、おかしな事も多い。

だいいち、この巨大牢獄は、実は大きなコンテナ輸送船の船底にあるのだが、船の揺れを全然感じないというのは、どうもおかしい。

脱出プロとサイバー・テロリストだから、どんなコンピュータ暗号も解読できるのだろうが、それにしては銀行強盗でもやっていた方が楽なんじゃないか、と余計な心配をしてしまう。

ま、そんな屁理屈は考えないで、このビッグなバディ・ムービーを、単純に楽しめばいいのだ。という意味では、ラストまでお先真っ暗な脱出アクションではあった。

 

■痛烈なゴロがセカンドベースに当たって、ショートの後方に転々のパワーヒット。

●2014年1月10日より、日劇他でお正月ロードショー 


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