細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●『ローマ法王の休日』何ともトホホで小心な俗物の失態。

2012年06月21日 | Weblog

●6月20日(水)13−00 六本木<シネマート3F試写室>
M−070『ローマ法王の休日』Habemus Papam (2011) sacher film / fandango 伊
監督/ナンニ・モレッティ 主演/ミシェル・ピコリ <105分> ★★
モレッティの喜劇はいつもブラックで毒味があって面白い。
イタリアのウディ・アレンと呼ばれるのも同感だった。
しかし、この新作はフェアーじゃない。少なくとも「枢機卿」のキャリアの人間の決断ではない。
仮にウディがアメリカの大統領候補や高官のテーマで映画を作るとして、こうはならないだろう。
つい近年にあったように、ヴァチカンの法王が亡くなり、次期の法王選挙が行われた。例の「コンクラーヴェ」である。
映画はその枢機卿による選挙の顛末具合を描いて、結局、すったもんだの末にミシェルが選ばれる。
たしかに法王の座は重責であり、世帯平和的にも、政治的な影響力がある。
だから誰だって、「ああそうですか」と、簡単にありがたく受理できる重責ではない。
ミシェルはヴァチカンを脱出して、ローマの下町を散策放浪して悩む。
そして苦悩の「ローマの休日」のあと、出頭してベランダに立つのだ。
吃音ではなく、ただの小心な彼は、法王の座を辞退する。よく理由はわからない。
「旅路の果て」のように、所詮は大根役者だったのか、小心なアルツハイマー患者なのか。それとも宗教にウンザリしたのか。
その真意も語らぬまま映画は終わる。
そもそも枢機卿でいられたことが、奉職では重要な実績であり、カトリックの重責地位であった筈だ。
見ている方は、そのレベルの視線で見ていたので、神を信じる美徳でも嘯くかと楽しみに見ていたのに・・・・。
?????な新作だった。

■大きなレフト線へのファールのあと、見逃し三振。
●7月21日より、TOHOシネマズシャンテなどでロードショー


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