なんで冬に相撲大会やってるんだ
アサリはふと疑問に思ったが
大豆小豆兄弟の後について公園に向かった
冬の午後の太陽は心細くて
夏とは別人の太陽のようだ
傾きかけた光は
ビルの壁面をオレンジ色に染めて
なんだかそこだけ子どもの頃に暮らした
地中海の町のように見えた
続く
アサリはふと疑問に思ったが
大豆小豆兄弟の後について公園に向かった
冬の午後の太陽は心細くて
夏とは別人の太陽のようだ
傾きかけた光は
ビルの壁面をオレンジ色に染めて
なんだかそこだけ子どもの頃に暮らした
地中海の町のように見えた
続く
「おーい、アサリー、花園公園に行ってみようぜー
相撲大会をやってるらしいぜ」
信号のところで、私を呼んでいるのは同じクラスの
大豆と小豆の兄弟だ
「お前ところのお姉さんは『みずきありさ』って
芸能人だろ、こんどサインもらってくれよ」
「私んとこの『みずき』は水木しげるの『水木』よ
お父さんは『しげる』だけど漫画家じゃないわよ
まぎらわしいったらありゃしない」
続く
相撲大会をやってるらしいぜ」
信号のところで、私を呼んでいるのは同じクラスの
大豆と小豆の兄弟だ
「お前ところのお姉さんは『みずきありさ』って
芸能人だろ、こんどサインもらってくれよ」
「私んとこの『みずき』は水木しげるの『水木』よ
お父さんは『しげる』だけど漫画家じゃないわよ
まぎらわしいったらありゃしない」
続く