河童アオミドロの断捨離世界図鑑

河童アオミドロの格安貧困魂救済ブログ。

純米樽酒

2016年01月31日 | ZIZY STARDUST
「わては人間や、アンドロイドやないで。
こんな理不尽な話があるかいな。
アンドロイドが樽酒飲まんでっしゃろに」

「八田さん、そんなに暴れないでください。心療内科のお医者様もいらっしゃいます。
ここは、じっくり診察してもらいましょう」

「主人は最近『電気羊の夢』をよく見るんだそうです。
今日も朝から白鹿の純米樽酒を一気に飲み干して、
『なんで白鹿なのに電気羊やねん、仕事したない』と暴れておりました。
そんなわけで、市役所福祉局にご連絡させていただいたのです」

「ご主人は自分がアンドロイドだとバレると、
生活保護手当が支給されないと薄々勘付いていらっしゃるのではないですか。
だから、酔っぱらったふりをして、さも人間のようにふるまっていらっしゃる」

「おまえら、なにをコソコソしゃべってるんや。
もしも、もしもやで、わてがアンドロイドやとしても、
アンドロイドと人間の間になんぼほどの違いがあるねん」


こうして、八田四郎は、わけのわからないイラストや、文章を、
自分の脇腹から出ているUSBケーブルを通じて、
200kbpsの速度でインターネットにアップロードし続けるのであった。

切望と希望の薄切りパック

2016年01月30日 | ZIZY STARDUST
「あんた、酒の肴、買うてきましたで、
『絶望』は売り切れやったさかい、『切望』と『希望』の薄切りパック買うてきましたえ、
『切望』が薄さ0.2mm、『希望』が0.1mmらしいですえ」

「なり、れつぼうわ、なかっらんか、もうれつぼうわ今は人気ないろあろあ、
酒のみすぎて、べろべろや、その『切望』とかゆゆツマミ開けてくれら
もう、なにしゃべてるらわけわからん、れろがおからみすごからい」

「これわえらい薄いなあ、向こうが透けて見えるれれ」

「説明書きに書いてありますえ、
『陽にかざすと未来が見えます』と書いておます」

「ほんまらいな、ちょうと見てみるわら
ほんまや、向こうから天使みたいな人がこっちに来るら」

「あ、あれどすか、市役所の福祉局の人ですわ
医者の診断が必要やさかい、お医者さん同行ですよってに
あれは天使ではおません、心療内科のお医者さんですわ」


絶望を薄く薄く切ってスライスしていくと、やがて切望になるのだという。
さらにそれを薄くすると希望という希薄なフィルムになって、
絶望のどん底からそのフィルムを見ると、
頭の中に幸福な映像が映し出されるのだという。

人はそうやって、なんとか、絶望という黒いカタマリにラップをかけて、
死ぬまで生きていくのだと、古代ケルトの賢人たちは言っていた。

絶望という翼

2016年01月30日 | ZIZY STARDUST
「絶望や、絶望や、とし子、酒の肴に絶望を買うてこい」

「どこのおつまみなんですか、なとりの新製品ですか」

「このへんのスーパーには売ってないんや、東京に行けばなんぼでも売っとったんや」


「あれは、わてが東京の学生下宿で昼寝をしてる時やった」


「八田さん、ゆうぱっくです。神様から八田さんあてに無料プレゼントが来てますよ。
受け取りのハンコかサインお願いします」

「なんやて、無料プレゼントやて、受け取るわ」

「着払なんで送料1600円になります」


「わては、大急ぎで箱を開けた、そしたら、中に閉じ込められた、
無数の虫たちが、わさわさーと出てきて、羽のあるものは空に飛び立ち、
イモムシのようなものは地にもぐったり、部屋の天井でサナギになった」

「そして、最後に箱の中に残ったものが『絶望』という翼だけやったんや」

「翼、というと絶望っていうのはフカヒレか手羽先みたいなもんなんやな」

「そうや、決して飛ぶことのできない、翼の折れたエンジェルなんや」


いつの時代も、デザイナーやミュージシャンやIT起業家やタレントや気象予報士に、
なることを目指して、多くの若者が東京にやってくる。

そして、ある日、着払いで送られてくる神様からのプレゼントを開けてしまい、
その、決して飛ぶことのできない絶望の折れた翼を肩甲骨に突き刺して、
一生を終えてしまうのだった。

一月の終わりの夕暮れは、その寒さとは裏腹に暖かい色をしていた。



山田錦

2016年01月27日 | ZIZY STARDUST
寒いのもめんどくさい。夏が暑いのもめんどくさい。
歯医者も行きたくない。仕事もめんどくさい。
CSS3もHTML5もめんどくさい。レスポンシブもめんどくさい。
無職もめんどくさい。貧乏もめんどくさい。
車も原付も自転車も運転がめんどくさい。
息をするのもめんどくさい。人生そのものがめんどくさい。
生まれてすぐ人工冬眠に入って目を覚まさず60歳くらいでそのままポックリ死ぬのが望ましい。

というわけで今度は山田錦の純米酒で意識を無くして2月まで冬眠してみる。

まだ雪が残ってるよ

2016年01月26日 | ZIZY STARDUST
「おかあちゃん、まだ雪が残ってるよ、僕も向かいの広場で雪合戦したいなあ」

「八郎ちゃん、何をバカなことを言ってるんですか、お向かいのマンションは、
大企業のご家族のみなさんがお住まいになってる高級マンションなのですよ。
駐車場のお車を見てごらんなさい、ベンツとアウディとBMWとロールスロイスですよ、
それにひきかえ、ここのアパートには中古の原付と錆びた自転車しか無いでしょ。
広場で遊んでる子供たちはみんなすらっとしたジャニーズ系でしょ」

「わかったよ、この日本でもまだ人種差別があるんだね」

「そのとおりよ、貧乏でチビでハゲでデブで短足でアホでブサイクは差別されるのよ」

「それって、まるで、おとうちゃんの事だね」

「おとうちゃんはちっとも悪くないのよ、悪いのは細胞内部のDNAなのよ。
貧乏なDNAを持ってしまうとその人は一生を棒に振るのよ。
だから、八郎ちゃん、あんたのDNAはおとうちゃんと似てるから、あきらめなさい。
あんたは貧乏で不幸なまま一生を終えるのよ」


自分のDNAの秘密を知ってしまった八郎は、ぐっと涙をこらえた。
冬の次には春が来るに決まっている。
僕が流すべき涙は、悲しい涙なんかじゃなくて、喜びの涙だ、嬉し泣きだ。
だから、今は泣く時じゃないんだ。

その時の八郎には、よもや、料金未納で来月から電気とガスが止まるなどと
いう事は知る由もなかった。

白鹿 華鹿

2016年01月25日 | ZIZY STARDUST
「あんた、『鬼殺し』と同じくらい安い酒見つけましたえ
しかも、あんたのトラウマがある西宮の酒ですさかい、悪酔いしますやろ」

「おお、酒買うてきたな、寒いから、ちんちんに熱い熱燗にしてくれ」

「ちんちん、お湯に突っ込んでヤケドしたらどないしますのん」

「おまえ、なに言うてんねん、酒をあっためるんやないか」

「でも、電気コンロつける時は、ストーブとエアコンは切らなあかしませんで
そやないと、またブレーカーが落ちて、あんたの人生真っ暗や
いや、停電する前からあんたの人生は真っ暗やったなあ」

「ええから、はよ熱燗にしてくれ」

「はいはい、わかりました、その間、凍死せんように気いつけなはれや」


寒い、エアコンと電気ストーブを切ったら寒い、なんで長崎で気温が零下になるんや。
九州電力の契約をせめて20アンペアにしとくべきやった。


「とし子、凍えそうや、酒はまだなんか」

「すんまへんなあ、今、炊飯器がついてるから、炊き上がるまで、電気コンロは使えまへんねん」


寒さで薄れゆく意識の中で、天井にいる自分が、レンブラントの絵画を見ながら昇天していくもう一人の自分の姿を見ていた。


「あんた、フランダースの犬の最後に出てくる絵は、レンブラントの絵やなくてルーベンスの絵でおますえ」

玄関前が雪で埋まる

2016年01月24日 | ZIZY STARDUST
「とし子、酒や、酒買うてこい、パソコンデータも飛んだし、部屋も真っ暗や、
わての人生もお先真っ黒や、わては酒飲んで意識無くして寝るんや」

「そ、そんな勝手なことを。基本料金の安さにつられて15アンペアとかいう
中途半端な電気の契約したのもあんたや。家賃の安さにつられて、こんな
2階にあるのに吹きっさらしで玄関が雪で埋まるような屋上ペントハウスみたいな
部屋を借りたんもあんたや、みんな、あんたの自業自得ですさかい」

「ごちゃごちゃ言うんやない、とにかく酒買うてこい、今すぐ、高い酒買うてこい」

「無茶なことを言いなさんな、家にはもうお金がおまへん、『鬼殺し』より
高い酒は買えまへんよってに、水に味の素でも入れて飲んでなはれ」

「とにかく酒買うてこい、玄関が雪で埋まる前にスーパーまで行ってこい」

とし子はひじの抜けた薄いセーターに軍手をしてマイバッグを手にしてスーパーに行った。
しかし、なんたることか、近くのスーパーは大雪のせいで早い時間に閉店していたのだ。

「ここの『鬼殺し』が一番安かったのに。しかたない、坂を越えたところの
大きいスーパーに行くしかないわね」

スキーができそうなほど観測史上最大の雪が積もった坂道を2歩進んでは3歩下がりながら
やっとの思いで酒と高菜漬けを買うことができた。

「あんた、酒買うてきましたで。『鬼殺し』買うたら、その勢いで夫殺しになったらいややさかい
別のお酒にしましたさかい、はよ飲んで寝てくださいな。
明日、雪が止んだら、ちゃんとハローワーク行ってきておくれやす。
あんたの時給が680円でも、うちは我慢しますよってに」


日本は熱帯になるのか、地球は氷河期に入るのか、そんな事を考えながら、空を見上げると、
雪が降ってくるのではなく、自分が夜空に昇っているのではないだろうかと思えた。
きっと両脇を天使が支えてくれているのかもしれないと、薄れゆく意識の中で念仏を唱えた。


まさか長崎でこんなに雪が積もるとは

2016年01月24日 | ZIZY STARDUST
なんかしらんがネットが復帰した
ブレーカーが落ちたのはわての部屋だけの問題なのだが
マンション側のルーターを管理会社がリモートで再起動したのかもしれん

しかし外気温が低いとエアコン暖房が止まってる気がする
電気ストーブは電気代高いし
また酒飲んで意識を失って寝るしかない
今夜なら凍死するかもしれんが

雪が積もったら無線ルーターが壊れた

2016年01月24日 | ZIZY STARDUST
パソコンで作業をしていた。
曇っているわりに外が明るいので、すりガラスの窓を開けてみると雪が積もっていた。

急に寒く感じたので、エアコンに加えて電気ストーブをつけた。
コーヒーを入れようと電気ポットのスイッチを入れた。

10秒ほどするとブレーカーが落ちた。
そうやった、九州電力は容量アンペアごとの契約になっていたんや。
契約以上の容量を使うとリミッターのブレーカーが落ちるのである。

パソコンとかルーターとかが再起動もしなくなった。
停電のショックで設定が消えたのかもしれん。
パソコンはよくこの症状になるが一度ケーブル類を抜いて起動すると復帰するので助かったが、
無線ルーターが復帰しない。

しかたないのでスマホのテザリングで接続しようと3GBコースに変更しようとしたら、設定画面に入るのに、
「OCNのIDまたはOCNメールアドレスIDまたはOCN発行のメールアドレスまたはそれ以外の自分のメールアドレス」
いずれかとパスワードを入れろと出たが、どれがどれやら4種類もIDとパスワードの組み合わせがあるし
初期パスワードから変更したような気もするし、大文字と数字を必ず混ぜろというパスワードもあった気がするし
初期設定の通知ハガキはどこかにいったし、というかハガキにはIDとか何も書いてないし。
「3GBコースに変更になるのは翌月からです」となってるし、
ルーター無しでマンションのLANに直結するとネットにつながるが、他の部屋のパソコンのアイコンが見えるし、

どないしてくれるねん。

とりあえずOCNの一日110MBコースでネットが使える。