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河童アオミドロの断捨離世界図鑑

ザスドラス博士の弟子の河童アオミドロの格安貧困魂救済ブログ。

記憶の結晶

2012年01月06日 | 東南アジア
悲しみすぎたり、忘れすぎたりした記憶は
水分がすっかり蒸発して結晶化してしまうらしい
尖ったもの、丸いもの、青く色がついたもの
寝返りをうつと胸にチクチクささり
風の強い日にはカラカラ音をたて
雨の日には溶け出して絵の具にもなり
コーヒーに入れるとちょっぴり甘かったりもする

八田二郎92歳の誕生日のコメント

復讐の冬

2012年01月06日 | 東南アジア
「宇宙とか世界の秘密には近づかないほうが身のためだぞ」

「だ、だれですか、どういう脈略で出てきたんですか」

「いや、単なる通りすがりの者だ
君も昔、オズの都に行って、がっかりしたろう
まだ懲りてないのか」

「いや、行ったのは、あれはブリキのロボットですよ
僕はシリコンラバー製のパートタイムラバーのアンドロイドだ」

「エメラルドの都と思ったら、ベニヤ板に緑のペンキが塗ってあって
裏で冴えないおっさんが腹話術をやっていただろう
空の太陽も月も遠くに見えるが、
ダンボールに赤や黄色の丸が描いてあるだけだ
その先にはなんも無いぞ」

「でも、僕はその先が見たいんです」

「君はもう忘れたのか
あの夏の日、宇宙の裏側を見た瞬間、気を失ったじゃないか
神様は自分の姿を見た奴をバットで殴るんだぞ
そんな奴にまた会いたいのか」

そうだった、あの暑い夏の日、ブランコをこいで
空を見上げた時、宇宙の裏側を見てしまった
その瞬間、視界がまわりからチラチラ暗くなっていって
ちょうど壊れたテレビが消えるのと同じように
目の前が真っ暗になってしまった
今までずっと、あれはバッテリーの故障と信じていたのに
神様がバットで殴っていたなんて

じゃあ、今度は僕が神様を殴り返しに行ってやるぞ
僕は正々堂々と素手で戦ってやる
このアダマンチウム合金製のコブシで殴ってやるんだ