山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

晩秋のお宝探し

2021年11月11日 | キノコ採り

 本日は、向かいの住人とキノコ採り。数えてみれば、前回の散策から10日ほど経っている。前回、見置きしてきたキノコ達が、残っているかどうか、そして、どのように成長しているのか楽しみでもあり不安でもある。

 キノコの『旬』を予測するのは簡単ではない。最高または最低気温がどこまで上がったか、または、下がったかで、第一次の予想を立てる。秋のキノコならば、最低気温が判断基準になる。

 20℃を下回った。だったら、マイタケは?

 10℃を下回った。だったら、ナラタケは?

 0℃に到達した。だったら、ナメコは?

みたいな感じにターゲットを定めていく。

 更に、細い倒木だから(菌の)寒さに対する反応が早いとか、太いから遅いみたいな条件が加わる。

 ここに、シーズンの降水の状況が加味されると、

 降水が少ないから水際の方が発生しやすい、とか、よく降ったから、平地にも出るはず、みたいなことになっていく。畑と同じで、気候の状況変化が豊作や不作にも大きく影響すると思う。

 で、今年はと言うと、降水がすごく少ない。従って、日当たりのよい場所でのキノコの発生は芳しくない。

 気温は、非常に不安定。猛暑の初夏から、突然に「涼しすぎだろ」と思うような盛夏が過ぎ、その後、急に暑くなって、また、急に涼しくなって・・・。ジェットコースターのような気候変動に、動植物たちも戸惑っているんじゃないかな。マタギも戸惑っています。

 とりあえず、0℃近くまで気温が下がるようになってきたから、新しいナメコの芽だしはあるはず。説明が長くなってしまったけど、これが予測その1ね。

 そして、2つめが難しい。芽だしから食べ頃になるまで、どのくらいかかるのか。これは、主に芽だし後の気温の推移で決まるようだ。夏から初秋にかけてのキノコだったら、たったの2~3日で食べ頃に育つのだが、晩秋から初冬のキノコは10日もかかることがある。今回は、10日の間を開けたんだけど、果たしてどうなっているだろうか。やっぱり心配だ。

 いつものコースを歩き始めると、いつものお山が見えてきた。

       本日も美しい朝日連峰の夜明け

 積雪は、前回よりもずっと少ない。これは、この時期によくある変化です。季節は行ったり来たりしますから。トータルすると気温は高めだったと言うことだ。これだと、キノコの成長は早目かもしれない。ちょっと心配。

 もう一つ、大きな変化が起きています。それは、視界を遮る木の葉が少なくなっていること。

 お陰様で、遠くの山の様子がよく分かるようになったんです。そして、こうなれば、近くの生き物の様子も分かりやすくなるはずなんですね。この日を待っていたんですよ。

 もちろん、木々の様子にキノコの様子もよく見えてくるんだよね。さあ、お宝市場、新規開拓ですよ!

       葉が落ちると渓底の様子もよく分かる

 こんな状況下で歩き回ること2時間半。一番奥に見置きしていたつぶナメコは、『旬』を過ぎていました。もう一つのキノコ達も大きくなりすぎていたけど、とりあえず収穫。

 やっぱりなあ。10日の間は長すぎたようです。また来年、よいタイミングで会いましょう。

 代わりに、新規発見のキノコが多数。

       例年生えるムキタケ。前回は見えなかった=10日で育った

       これは、初めて発見した木のナメコ

       これも新規発見のブナハリタケなんだけど、手が届きません

そして、

       あらら

       凄いですね

 これは、採り頃になるまでにはもう少しかかりそうなので、『見置き』です。前回の『はなちゃん』では、先を越されてしまったんだけど、懲りずに、また、です。だって、収穫するには、まだ少しだけ早いんですから。

「これは、1週間空けるわけにはいかないな。」

「うん。4~5日ってところか。」

「気温は高めらしいからよう。それでいいんねがい。」

「うん。絶対、いやんばいになってるど思う。」

 木の葉が落ちたお陰で、今回の収穫物と次回の楽しみとに恵まれました。

       森の奥から朝日が差し始めた

 果たして、成長の予想は当たるか。それ以前に、採られずに残ってくれているか。『見置きナメコ』への期待と不安とを置いて、宝の山をあとにする。

 山の神様、どうかよろしくね。