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山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

これからの麺料理はエレガントに

2025年03月31日 | 日記

 喉の手術後でも、焼き菓子が美味しく食べられることは分かった。

 ただ、同じ粉物料理(?)でもう一つ気になっていたものがあるのだ。

 それは、麺類

 入院期間中、一度も食べることがなかった。

 スタッフさんに聞いても、

「年に1度出るかどうかですね。」

という。

 これは、予算の問題ではありませんよね。

 絶対に病人に提供しづらい理由があるはずです。

 ただ、日本国民と言ったら話が大きすぎるけど、少なくとも山形県民にとって、麺類は絶対に欠かせないソウルフード。

 これを食べられないとなったら、マタギにとって、これから先のフードライフに、とてつもない大打撃になってしまう。

 病院で、なぜ麺類が提供されないのか。もし、理由があるのなら、それを克服する必要がある。その辺のところを確かめるべく台所に立つことにした。

 まあ、病院で麺類が使われない理由として、一番に考えられるのは、あの長い麺の形状にあることは容易に想像することができます。

 更に、同じ麺類でも、コシの強いラーメンや田舎蕎麦は、特に敬遠されるでしょうな。

 だとしたら、手始めに食べてみるのは、素麺とかうどんあたりでしょうか。

 たまたま、妻が買っていたうどんの細麺があったので、使わせてもらうことにした。

       まずはこちらからいってみます

 これが無理なら、ラーメンや蕎麦も無理でしょう。

 今回は、麺だけの実験ではつまらないので、肉類の実験も加えてみることにしました。

       鶏もも肉で出汁を取ります

 こちらで試したいのは、肉の硬い部分が食べられるかどうか。

 鶏肉の皮を細切りにして使ってみます。

 ・身の方はひと口大。一人100gほど

       しっかり茹でてアクを掬い取ります

       長ネギも使いますが、あまり大きくせず

       生では使わず、汁に合流させて使いましょう

 そうして、

       鶏うどん一丁上がり!

 一緒に食べた妻の評価は、上々でした。

 問題は、マタギにも食べられるかどうかです。

 口に運ぼうとして違和感

 麺類を食べる時の定番『ズズズッ』ができない!

 口に運んだ麺を、歯とくちびるで捕まえてしか食べられないことに気が付いた。

 考えてみると当たり前か。

 気道が切り離されているんだから、呼吸が使えないのだ。

 あのズズズッは、息を吸う勢いで行われていたわけね。

 今さらながらなんだけど、本当に勉強になります。

 しかし、食べては、文句なく美味しい。

 長い麺だからと言って、喉につかえるようなこともない。

 なるほどね。

 今の状態だと、日本人の美徳(?)である豪快な麺食ができないってわけだ。

 これは、仕方がないかな。

 代わりに、洋食のように音のしない食べ方ならできる。

 この事態を『つまらない』と捉えてしまうと、心が後ろ向きになってしまう。

 プラス方向に価値づけできないかと考えた結果、これは『エレガント』な食べ方と捉え直せることに気付いた。

 この雰囲気だと、ラーメンでも蕎麦でも同じでしょう。

 美味しく戴くことはできるが、食べ方はどこまでもエレガントに。

 これが、今後のマタギの麺食のスタイルに決定ですな。

 少々時間がかかるので、後半、麺が伸びてしまうだろうけれども、こちらは『消化に良い』と捉えましょう。

 ようし!

 食べ方は変わるけど、麺類も美味しく食べられるぞ!!

 入院中に抱いていた懸念が一つ払拭されて、ホッとするマタギなのでした。

 ちなみに、鶏肉とネギは全く問題なし。

 出汁としても具材としても美味しく戴けることが分かりました。

 さあ、次は、何を試そうかな?


退院初料理は焼き菓子で

2025年03月29日 | 日記とレシピ

 今回の退院に当たっては、多くの方々からお声がけを戴き、ありがたかった。

 親戚やご近所はもちろんのこと、前の職場や山の仲間、このブログのお仲間の皆さん方からお祝いの言葉を戴けたことで、改めて喜びがこみ上げてきた。

 何はなくても健康ですかね。

 感謝の気持ちを大切にしながら、これまで以上に健康に気を配りながら生きていこうと思う。

 

 さて、入院中の食事について結構詳しく書いてきたが、入院しているうちに「これは病院では出ないでしょう。」と思うメニューが、浮かんでくるようになってきた。

 食べづらいことは勿論だけど、金額的な問題があるとか、医療という場に相応しくないみたいなメニューである。

 そういう想像が始まると食べたくなってくるんですね。

 というわけで、せっかく晴れて退院したのだから、これから色々作って楽しもうと思っていたんです。

 今回は、その第一弾。

 焼き菓子です。

 退院したのはいいけれど、たまりにたまっていた仕事を片付けなければならない。

 年度末とも重なり、時間制限付きの課題が大量に待ち受けていたのだ。

 今回は、その合間に作ってみることにしました。

 正しく名前をつけるとしたら、パウンドケーキ・グラスアローかけというところかな?

 結構簡単そうなレシピを複数見つけたので、組み合わせてやってみます。

 先ずは、パウンドケーキから。

 ※材料は、ホットケーキミックス200、卵2個、グラニュー糖80、牛乳60、サラダ油48g

 ※あとからアーモンドプードルを10gほど足しました

 ・先ず卵2個を割りほぐして

 ・グラニュー糖を加えてササッと混ぜます

 ・牛乳とサラダ油も足してよく混ぜたところに

 ・ホットケーキミックスを加えます

 ※ここにアーモンドプードルも追加

 ・ダマがなくなる程度まで混ぜたら

 ・型に流し込んで焼きます

 ※最終的に、180℃15分+170℃25分かかりました

       これで十分に美味しそうなのですが

       グラスアローをかけてみましょう

 ※砂糖70にレモン汁14g

 ・混ぜたらぬるま湯で湯煎しながら

 ・砂糖のツブが見えなくなるまで溶かしていきます

 ※今回は、ちょっと溶かし方が足りなかったと思う

 ・冷めたパウンドケーキに流しかけて、冷蔵庫で冷やしてみました

       あれ?もう少し白く滑らかになるはずなのに

       まあ、仕方がないべ

 家族みんなで、美味しく戴きました。

 この料理は、病院では出ませんね。

 紅茶なんかとのセットにしないと病人には食べられないもんね。

 ただ、焼き菓子なら、必ず口の中で溶けるはずだから大丈夫だと思ったんだよね。

 予想通り、口の中で淡く甘く酸っぱく溶けていきました。

 ああ~、おいしかった!

 さあ、1か月間できなかった料理に、これからの生活で試してみたい料理がいろいろあります。

 しばらく、楽しませてもらいますね。


退院しちゃった

2025年03月27日 | 日記

 夕方、主になって担当して下さっている先生が病室にやってきた。

「マタギさん、気になるところとかありませんか?」

首を横に振って答える。

「そうですか。こちらの方でも、回復は順調に見えますし、血液中の電解質も安定してきたのが分かります。それと、食事もだんだん普通のものに近付けてきているんですけど、しっかり食べられているようですね。」

首を縦に振る(にっこり笑っているつもり)。

「これなら、いつ退院しても大丈夫だと思うんですけど、どうしますか?」

なぬ? いつでもいいの?

いいんだったら、早いほどいいじゃん。

筆談用のボードを引っ張り出して、

  明日でもいいんですか。

と書いたら、

「いいですよ。看護士さんたちの準備物とかがあるから、午前中は難しいかもしれないけれど。」

との返事。

じゃあ、 お願いします。

「はい。遅れるようなら食事の準備はしますから心配いりません。」

数えてみれば、丁度1か月。

気持ち的には『長い』とは感じていないんだけど、季節がどんどん進んでいることだけは、はっきりと分かるようになってきたこの頃だ。

振り返ってみれば、日常生活では経験できない色々なことを学ばせていただいた。

この異次元体験とも、とうとうお別れか。

そう思うと、この拘束だらけの暮らしが愛おしく感じられるから不思議なものだ。

そういうことならと、家族に連絡を入れると、こちらよりも早くお医者さんの方で連絡をくれたらしかったので、細かい説明は抜きにして段取りの話を進めることができた。

 そうして翌朝。

       最後の食事(もちろん完食)

 食事を終えると荷物をまとめる。

       お世話になった病室

       窓からの景色も見納めか

 間もなく、帰省中の息子が手伝いに来てくれて、滞りなく退院となった。

 なんともあっけなかったが、その場にいたスタッフの皆さんには懇ろに礼を伝えたつもり。

 本当に世話になった。

 

 帰宅すると、そこには自分のいつもの居場所が待っていた。

 今までと同じというわけにはいかないだろうけれど、͡この場所に居られるというだけで、落ち着くことができる。

 ハンディは大きいけれど、まあ、何とかなるでしょう。

 今の自分にできることを探りながら、これからの生活を創っていきたいものだ。

 これまで戴いた励ましに感謝しつつ、新たな一歩を踏み出していきたいと思います。

 ここまで、本当にありがとうございました。


春が来てる

2025年03月25日 | 日記

 昨日今日と、好天が続いたと思ったら周囲の景色が激変しつつあるので、記録を残しておきます。

 一昨日の日曜日の朝、通常だと療法士の方が付き添ってくれてリハビリをするのだが、お休み。

「自分なりに身体動かしていてくださいネ。」

そう言われてもいるので、朝の散歩に出かけることにした。

 日曜日には、通常の出入り口が閉じているので、守衛さんに断って表に出ようとしたら、

「ちょっと待ってくださいネ。8階のマタギさんですね。」

と言って、院内の電話をかけ始めた。

「マタギさんという患者さんおられますか?・・・はい。で、その方が、今から30分ぐらい散歩に出ると言っているんですけど、許可はおりていますか?」

そういう聞き方はやめてほしい。

散歩に出かけるのに許可なんか取らないよと思っていると、

「はい。分かりました。許可してないんですね。」

あ~あ。

案の定、追い返されてしまった。

リハビリの先生は勿論、医師の先生も、身体を動かして復帰に備えるように勧めてくれているんだけれど、病院全体での意思統一って簡単ではないのね。

 そういうことなら、守衛さんが頑張らない時間、つまり、病院が開業していたり面会可能な時間帯を選んで外出することにしましょう。

 それだと、何のお咎めもなく出入り出来る。

 外に出てみると、若干風が強いけれど温かい。

 完全に春の風だ。

       蔵王山の主峰もよく見える

 足元に目をやると、ありゃー出てきたのね!

       今年初めて見るフキノトウ

       オオイヌさんも、前回より活き活きしています

 この暖かい風を、花たちも喜んでいますね。

 あれ?ピンク色の花。

 この時期のピンク色と言ったら、スミレかな?

 近づいてみると、

       スミレじゃないね

 もしかして、シクラメン?

 鉢植えの花だけど、こうして根付くこともあるんだ。

 枯れ木だらけの中、木の枝が、少し黄色く変色して見えるものがあります。近づいてみると、

       サンシュユですね

       花盛りじゃあありませんか

 日当たりのいい南斜面にも黄色いかたまりが見えますよ。

       可愛らしいスイセン

 マタギの退院とどちらが先かと思っていたんだけど、あっと言う間に先を越されてしまいました。

 それにしても、この2日間で一気に咲きました。

 みんな、この時を待っていたんでしょうね。

 きっと、これから、色々な草花が、次々と花を咲かせていくことでしょう。

 マタギの生活に春が来る日も、そう遠くないと思います。

 春爛漫!

 いい時に退院できそうじゃないの。


離療食は少しずつ

2025年03月23日 | 日記

 今回も食事の話題になる。

 3回続きになってしまい、恐縮ものなのだが、得難い経験なので、記録を残させていただきます。

 『嚥下調整食』なる料理が、4段階目まで進んで、いよいよ普通の料理に近付いてきたと思っていたら、一昨日から、また一段階進んだ。

 なんだか、ドラゴンボールのキャラクターみたいで、どこまでレベルアップしていくんだか分からなくて怖い。

 とりあえず5段階目は、

       また名前が変わりました

 『軟菜食』という名前だ。

 具体的には、

       こんな感じ

 前回の『嚥下調整4』と、そんなに違わないじゃないかと思ったんだけど、食べやすさと言うか、飲み込みやすさが全然違うんですね。

 次の食事、

       焼き魚が入ってきましたねえ

 そして、

       いよいよ肉料理も入ってきました

 こうして、普通っぽいメニューに触れ始めると、食材によってこんなに食べやすさが違うんだということに気付かされる。

 ここに並べた3食のメニューの中で一番食べづらいのはどれだと思います?

 マタギの感覚では、圧倒的に『おひたし』なんです。

 特に、緑色の濃いおひたしは、繊維も固くて、すんなり呑み込めません。

 それに比べたら、ダイコンとかニンジンみたいな根菜類は、火さえ通れば食べやすいものなんですね。

 「よく噛んで食べなさい。」

 昔から親から言われ続けつつ、逆らって飲み込み続けてきた身のため、この歳になって、初めて違いが分かった。

 油揚げも強敵ですね。

 簡単には噛み切れないし、飲み込めません。

 更に、りんごさんも、摺り下ろしたものとそのまま食べるのとでは大違い。

 繊維って、こんなに厄介なものだったのかということを実感させられています。

 そして、主菜。

 魚の身は、層になっていてほぐれやすいので、大変ありがたい。

 これに対して肉類は、塊を気合で噛み切るか砕くしかないみたい。

 病院食だから、『すじ』みたいなところは抜いてあるので、まだいいけれど、帰宅してから食べる時には、かなり気を付けなければなるまい。

 こうしてみると、食材の食べやすさって、種類や調理の仕方で大きく違ってくるんですね。

 自分では、やってこなかったから全然分からないでいたんだけど、赤ちゃんに食べさせる『離乳食』というものも、味は勿論だけど、食べやすさに気を遣いながら徐々に普通の食事に近付けていくもの。

 こんな細やかなステップを踏んでいたんだなと、改めて感心させられます。

 さて、食事は5段階目で、まだお粥を食べているから、もしかしたら、もう一段階ぐらいはありそうな気がしてきたけど、こういう経験も貴重ですね。

 今まで考えたこともなかったことに気付かされる毎日です。

 ありがとうございます。

 そして、ご馳走様です。