喉の手術後でも、焼き菓子が美味しく食べられることは分かった。
ただ、同じ粉物料理(?)でもう一つ気になっていたものがあるのだ。
それは、麺類。
入院期間中、一度も食べることがなかった。
スタッフさんに聞いても、
「年に1度出るかどうかですね。」
という。
これは、予算の問題ではありませんよね。
絶対に病人に提供しづらい理由があるはずです。
ただ、日本国民と言ったら話が大きすぎるけど、少なくとも山形県民にとって、麺類は絶対に欠かせないソウルフード。
これを食べられないとなったら、マタギにとって、これから先のフードライフに、とてつもない大打撃になってしまう。
病院で、なぜ麺類が提供されないのか。もし、理由があるのなら、それを克服する必要がある。その辺のところを確かめるべく台所に立つことにした。
まあ、病院で麺類が使われない理由として、一番に考えられるのは、あの長い麺の形状にあることは容易に想像することができます。
更に、同じ麺類でも、コシの強いラーメンや田舎蕎麦は、特に敬遠されるでしょうな。
だとしたら、手始めに食べてみるのは、素麺とかうどんあたりでしょうか。
たまたま、妻が買っていたうどんの細麺があったので、使わせてもらうことにした。
まずはこちらからいってみます
これが無理なら、ラーメンや蕎麦も無理でしょう。
今回は、麺だけの実験ではつまらないので、肉類の実験も加えてみることにしました。
鶏もも肉で出汁を取ります
こちらで試したいのは、肉の硬い部分が食べられるかどうか。
鶏肉の皮を細切りにして使ってみます。
・身の方はひと口大。一人100gほど
しっかり茹でてアクを掬い取ります
長ネギも使いますが、あまり大きくせず
生では使わず、汁に合流させて使いましょう
そうして、
鶏うどん一丁上がり!
一緒に食べた妻の評価は、上々でした。
問題は、マタギにも食べられるかどうかです。
口に運ぼうとして違和感。
麺類を食べる時の定番『ズズズッ』ができない!
口に運んだ麺を、歯とくちびるで捕まえてしか食べられないことに気が付いた。
考えてみると当たり前か。
気道が切り離されているんだから、呼吸が使えないのだ。
あのズズズッは、息を吸う勢いで行われていたわけね。
今さらながらなんだけど、本当に勉強になります。
しかし、食べては、文句なく美味しい。
長い麺だからと言って、喉につかえるようなこともない。
なるほどね。
今の状態だと、日本人の美徳(?)である豪快な麺食ができないってわけだ。
これは、仕方がないかな。
代わりに、洋食のように音のしない食べ方ならできる。
この事態を『つまらない』と捉えてしまうと、心が後ろ向きになってしまう。
プラス方向に価値づけできないかと考えた結果、これは『エレガント』な食べ方と捉え直せることに気付いた。
この雰囲気だと、ラーメンでも蕎麦でも同じでしょう。
美味しく戴くことはできるが、食べ方はどこまでもエレガントに。
これが、今後のマタギの麺食のスタイルに決定ですな。
少々時間がかかるので、後半、麺が伸びてしまうだろうけれども、こちらは『消化に良い』と捉えましょう。
ようし!
食べ方は変わるけど、麺類も美味しく食べられるぞ!!
入院中に抱いていた懸念が一つ払拭されて、ホッとするマタギなのでした。
ちなみに、鶏肉とネギは全く問題なし。
出汁としても具材としても美味しく戴けることが分かりました。
さあ、次は、何を試そうかな?