桜の季節も葉桜になって、新緑が眩しい季節に変わりつつある。相変わらずの久我山散歩だが、足元に力強く咲く、路傍の花たちに注目してみた。というのは毎年、見覚えのある花が咲いているにも関わらず、名前を知らないことが多いからである。
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まずはポピュラーな花から。この花は保育園児でも知っているタンポポである。冬は放射状に葉を目一杯広げ、太陽の光を集め、早春に黄色い花を咲かせる。英語名ダンディライオン。しかし、外来種のセイヨウタンボポの勢力が強く、在来種が減っているという。
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(ニホンタンポポ)
その違いをどこで確認するのか。これは花の裏に当たるガク(総苞片)が反りかえっているのがセイヨウタンポポで、閉じているのがニホンタンポポなのである。タンポポを見かけたら試してみるといい。
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次もよく似た2つの植物、はじめの方がムラサキケマン(紫華鬘)である。ケシ科の植物で別名がネコイラズ、プロトミンという毒性を持つ。
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後の方がホトケノザ、シソ科の植物で下部に円形の葉、上部には唇状の紫色の花を咲かせ、春の七草の1つである。この二つ、花の色や形がよく似ている。
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外来種、近年増加しているケシの仲間でオレンジ色の花を咲かせるため抜かれず蔓延っているが、名前はナガミヒナゲシ(長実ひなげし)。元は輸入穀物に紛れて渡来したものと推察され、1961年世田谷区で始めて確認された。あっという間にセイタカアワダチソウのように広がったのだが、その理由は一つの芥子の実に種が1600粒入っていて、これが散らばる、しかも繁殖力が強い。まだ、有害植物には指定されていないが、その拡散力は強い。
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路傍の僅かな土の上でも覆い尽くす可愛らしい金平糖状の花を咲かせるのがヒメツルソバ。ロックガーデン用に明治時代に輸入された多年草。花の咲きはじめはピンクだが、徐々に白くなっていく。とにかく根が強い植物で一度生えると簡単には枯れない。この時期から秋まで花が咲く。路傍だけでなく、川に流れ込む排水管の出口や玄関の小さな窪み、どこにでも育つ。
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最後に可愛らしいマメ科のカラスノエンドウです。富士見ヶ丘検車区にも多く咲いているが、これには近似種で花が少し小さい『スズメノエンドウ』がある。さらにこの二つの中間の近似種が発見されたが、何と付けたと思いますか?カラスとスズメの間だから私は『ハト』くらいかなあと思ったのだが、正解は『カスマグサ』、カラスとスズメの間というそのもののネーミングとなった。
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(タチツボスミレ)
庭に植えられた植物もいいが、路傍に健気に咲く花を見てみるのも楽しいものである。