
人形町から少し外れ、7分ほど歩いたところにいわゆる『町中華』というお店がある。事務所の周りではアド街に出た『華』、おじさんに人気のある『菊水軒』、人形町路地裏の『紅葉館』、開店時間になっても中々開かない『生駒軒』などたくさんあるが、今日お邪魔した『六さん』も典型的な町中華である。

店は久松警察署の裏あたりにある。周りにあまり食堂がないためか、昼時は大変混雑する。私が到着したのが1145だったが、1階は6人座れる席に3人、しかし、4人、2人、3人、4人と10分もしないうちにどんどん2階に上がっていく。


客層は周りに働く工事現場の職人や労働者が最も多く,ほかにサラリーマンである。人気があるのはラーメン+小チャーハン・チキンライス・小カレーのセット』(1000円)であり、私はその中から小チャーハンのセットをお願いした。


ぼんやり料理を待っているとおばあさんが1人入店。私の斜め前に座るが、キョロキョロとしている。私の席の後ろにメニューが貼ってあるからなのだろうと『左上にもメニューは貼ってありますよ』と教えると、『このお店、何が美味しいの?』と聞き返された。

私はこの店で夏は冷やし中華、それ以外は小チャーハンとラーメンのセットしか食べたことがなく、その話をするとおばあさんは私と同じラーメン+小チャーハンのセットを注文した。

そこから待つこと1、2分でまずチャーハンが到着、このお店は必ず漬物が付いてくる。少し置いてラーメン、いずれも全く珍しいものではない。

まずはラーメンから食べ始めるが、ザ・東京ラーメンというべき醤油ラーメン。麺は細麺ちぢれ麺でほうれん草、メンマ、ワカメ入り。

スープには少しニンニクが効かせてある。特徴はないけど、懐かしい昔ながらの味でうまい。

チャーハンもハムのようなチャーシューと長ネギ、卵が入ったものだが、このお店の嬉しいところは半チャーハンであってもオーダーが入ってから大将が作ってくれることである。だから出された時は必ずアツアツ、これが基本だが、最近はジャーからよそったチャーハンが意外に多い。


この懐かしいメニューをあっという間に完食、腹一杯になって身体も温まった。残念ながらおばあさんのランチの到着前に店を出てしまったが、きっと満足してもらえたと思う。ご馳走さまでした。
六さん
中央区日本橋久松町2ー12
0336614700