面白い樹木には色々ある。例えば先日のブログに書いた神代植物公園で目にしたハンカチノキや深大寺にあったナンジャモンジャノキなどもそうだが、こんな木が庭に生えていれば、楽しいだろう。今回ご紹介するのはご近所でいつもこの季節に咲く(?)スモークツリーという樹木である。スモークツリーとか煙の木と聞いてもピンとこないかも知れないが、本物をみるとすぐわかる。
この木は落葉性、ウルシ科に属し、高さは高いもので5mくらいになる。5月~6月に3mmほどの小さな淡緑色の花を穂状にたくさん咲かせ、咲き進むと紫がかった色になる。雌株は花の軸の部分が長く伸びて羽毛のようになり、もふもふした感じになる。つまり、もふもふしているのは花ではなく、花柄なのである。
和名ではハグマ(白熊)の木と呼ばれるが、ハグマとはヤクの尻尾の白毛のことで、これで作られた仏具の払子(ホッス)に見立てたものである。
煙の木とはよく言ったもので、特に花の咲きかけの淡緑色のこの時期は中々美しい。しかも、この煙の部分は結構長く楽しめる樹木である。
また、最近は生花にもよく使われるようで、赤紫色のものをホテルの玄関などでよく目にするようになった。あのもふもふ感はふかふかの犬同様に見るだけで気持ちがいいものである。