『久我山歳時記』㊸、7月7日は二十四節気の一つである『小暑』である。七夕とも重なるのだが、かつては梅雨明けと重なることもあった。ここ数年の平均的な梅雨明けは7月19日だが、2013年からの10年を取ると最も早かったのが6月29日(2013年)、遅かったのが8月1日とかなり日幅がある。
小暑は二十四節気の夏の中では3番目、芒種→夏至→小暑→大暑と続く。季節としては梅雨明けがあり、本格的に暑くなりだす時期と言われ、暑中見舞いを出すのもこの時期である。
また、七十二侯では『温風至(あつかぜいたる)〜7月11日』『蓮始開(はすはじめてひらく)〜7月16日』『鷹乃学習(たかすなわちわざとなす)〜7月22日』となる。蓮の花が開き、鷹が巣立ちをする時期なのである。
久我山を歩いていても夏らしい風景を見ることが増えた。少し前からは木槿(むくげ)の花が咲き始めたと思っていたが、毎日たくさんの花を咲かせる。ピンクや紫、白い花の真ん中が紅色(日の丸、宗旦と呼ばれる)と種類も豊富である。
他には夾竹桃(きょうちくとう)や朝顔、ゴーヤーなどが続々と咲き始めた。
まだ久我山では花を見ていないが、日本橋では早くも百日紅(サルスベリ)の花がピンクの花を付けている。
白粉花(オシロイバナ)も濃いピンクの花をたくさん付けて咲き誇っている。オシロイバナとは言いながら、あまり白い花はなく、この赤紫の花が多い。まあ、オシロイバナの由来は種を割ると中から白粉のような粉が現れるからなのかもしれないが。
雑草と言われているものでは目立っているのがオレンジ色の花が大きいノウゼンカズラ。蔓性の植物なのだが、あたかもそこに生えている木の花のように見える。
ヨウシュヤマゴボウは白い花をたくさん付け、これがあっという間に暗紫色の実を付ける。タケニグサもどんどんと高さが高くなり、花を咲かせている。
また、ヒルガオも良く見るとピンクの花が意外に美しい。それにしてもこれら植物の生命力の強さ、刈っても刈っても翌年には芽をだす。
我が家の庭ではキキョウがどんどん花を付けて買った昨年より多くの花を咲かせているし、今年の日々草もテラコッタに2株を植えただけなのに溢れんばかりに花を付けている。
やはり、夏の草花(木の花)は勢いがあり、力強さを感じる。ただ、人間の方は早くも暑さに負けてしまいそうになっているのだが。
最後に番外編、帝国ホテルの入口にある花が今はひまわりであった。