『ぶらっと橋めぐり』その6。両国橋を渡ってすぐに左に曲がると神田川との分岐点のすぐ先にあるのが『柳橋』。
柳橋と聞くと芸者衆を思い出すが、実はこの橋を渡ると台東区柳橋となる。柳橋は色街としては古く、江戸時代からあった。東京オリンピック頃にはまだ料亭が57軒もあったが、衰退し、1999年に最後の料亭『いな垣』が廃業して200年の歴史に終止符を打った。
それでも柳橋近くには風情のある船宿がいくつも残り、『御宿かわせみ』を彷彿させると思ったら、神田川周遊の観光船かわせみが遡って行った。
橋のことに話を戻すと初めて橋が架かったのは1698年。その後、鋼鉄橋となったが、関東大震災に被災。現在の橋は1929年にドイツライン川のデザインから作られた永代橋を参考に作られたもので、小ぶりだが美しい人車橋である。
また、この橋から京葉道路に出ると旧跡 両国広小路の碑が建てられ、かつての隆盛のことが書かれている。
柳橋にも両国広小路にもそれぞれに色々な時代、色々な人たちの数多くの物語があったが、今はあまり振り返られなくなってしまった場所なのかもしれない。