hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

『蔵』と『倉』

2014-10-29 05:00:26 | 日記

『改めて知る漢字』シリーズ その1。漢字というのを見ると改めて面白いことを感じることがある。それは人の苗字だったり、音読み・訓読みだったり、漢字の成り立ちだったり。そんなことを徒然に駄文をしたためてみたい。
ご存知の通り、漢字は表意文字であり、音しかないひらがなやカタカナとは一線を画する。その中に同じ読みの漢字でほぼ同じものを指すが、実はその細かい意味を知らず使っているものは多い。

例えば『蔵』と『倉』、どちらもクラと読むが、意味が違う。『蔵』は大事なものを人目につかないようにしまっておく建物をいう。特に土壁で塗り込められた土蔵などはその典型で酒蔵もその一つ。

一方、『倉』は米や穀物などを納める建物でいわゆる保管庫を指す。

つぎに『さかな』。漢字では『魚』と『肴』。今はどちらもサカナと読むが意味が違う。実は昭和48年の当用漢字の改正までは『魚』の読みは『ギョ』と『うお』の2つしかなかった。だから小生は実際に漢字のふりがなのテストで魚という字のふりがなに『さかな』と書いて間違えたことがある。実はそもそも『うお』と『さかな』は別物で『うお』は水の中を泳いでいる生き物をいう。

一方、『さかな』はどうなるのか。『さかな』は『さか』=酒、『な』=おかずを合わせた言葉で『酒のあて』を表したもの、つまり元は魚でなく、湯豆腐もおひたしも『さかな』であった。それが昭和初期頃には酒のあてには魚が一番美味しいため、さかな=魚になった説、これは江戸時代頃から言われていたいう説があるが、いずれにしても『酒のつまみには魚が合う』ことから転じて、今の呼び方になったとは面白い。


もう一つは『みどり』。『緑』と『翠』と『碧』この違いは何となくイメージできるかもしれないが、『緑』は糸偏が付くだけあって元はみどりの糸の意味があるという説がある。その後、新芽の色の意味になり、今は草木の色、草木の葉の色ということになっている。

一方、『翠』は純粋に通じ、混じり気のないという意味で色に混じり気のない羽の鳥からカワセミの雌を意味している。因みに翡翠の『翡』はカワセミの雄を表している。

最後に『碧』は光沢のある玉のような石、青緑の石を表しており、碧玉のことである。つまり、大枠の色は同じでも個別の表すものは『緑』は草木、『翠』はカワセミ、『碧』は宝石とそれぞれ違うということである。
僅か3例だが、これだけ見ただけでも漢字はなかなか面白い。