hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

日本橋高島屋

2014-10-27 05:00:10 | 日記

日本橋にある重要文化財に指定された有名な建物がある、といってすぐ高島屋日本橋店を思い出す人はかなりの日本橋通である。

この建物は1933年(昭和8年)に日本生命館として建設され、メインテナントとして高島屋が東京に店を開いた。その後、1963年には日本生命が退館し、一棟一街区を形成している。高橋貞太郎が東洋風現代建築を旨とする様式を求めたこの建築を手掛け、重厚な西洋建築の端々に和風が顔を覗かせる見事な建物に作り上げた。さらに戦後になり、村野藤吾による増築を重ねているが、実は彼は旧日本興業銀行本店を建築したことでも知られる建築家である。

また、この建物は外見だけでなく、建築時から全館冷暖房完備という時代の最先端をいく建物であった。

一階のエントランスには『水飲み場』が2つ配され、天井や鉄製の鎧戸、窓の装飾が素晴らしい。中に入ると吹抜けになっており、中央部分は地下1階から2階まで見上げることができる。入り口には大理石製の天使像が置かれ、ライオンが座っている三越とは好対照である。


一階のエスカレーターの手摺のそばには1959年から高島屋のキャラクターであるローズちゃんが黒いスーツでお出迎えしてくれる。また、一階から二階に上がる踊り場にある喫茶室は薔薇窓という名前でやはりバラの百貨店を売りにしており、包装紙にバラを用いたのも1950年と歴史を持つ。


屋上に上がると庭園や噴水がある。昔、ここに1950年にタイから譲り受けたゾウの高子がやってきて4年にわたり住み続け、『ゾウのいる百貨店』とアメリカの雑誌に紹介されたこともある。


僅かな時間で見ただけでも建物のところどころにあるちょっとした装飾に発見があったり、建築の素晴らしさを垣間見ることができるが、一度買い物以外でゆっくり見て歩く価値のある百貨店である。