hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

三徳山三佛寺

2014-04-28 05:05:00 | 日記
古刹をめぐる その9。今回は日本で一番危ないところにある国宝のお話。三徳山本坊三佛寺というのが正式名称で場所は鳥取県の三朝温泉の近くにある。その奥の院投入堂は706年に役行者の法力によって作られたものと言われ、その本尊は蔵王大権現(重要文化財)である。また本堂は慈覚大師円仁によって849年に創建されたものである。
この寺の存在を知ったのは五木寛之しの百寺巡礼である。『日本で最も危険な場所にある国宝』も氏のネーミングである。
この寺というか山に登ったのは2011年8月2日、修験道の本山というだけに皆白装束かと思ったが、ほとんどハイカーのような格好をした人ばかり。あらかじめ滑り止めのある靴でない場合は草鞋ばきでないと入山は認めないとあったため、用意は万端。駐車場から参詣口を通り階段を上がると参詣者受付所に10分くらいで到達。そして、宝物殿や本店の前を通過し、いよいよ登山事務所に到着。

ここで靴の裏を見せ、合格すると入山料(拝観料と合わせて600円)を支払い、輪袈裟をもらって参拝登山開始。すぐに朱色の橋が有り、渡るといよいよ山道かと思ったら、すぐに崖が登場。正直前を行く人がいなければどうして登ればいいかも見当がつかない。とにかく、木の根や蔦、出っ張った岩などに足をかけて登り始めるが、我が身の重さをすぐにひしひしと感じる。この葛坂、所々に休息する場所はあるが、人が来れば退かねばならず、休んだら立てなくなりそうなところのため、なんとか登る。ようやく鎖坂(文殊堂の下)に到着するが、鎖が登れない。やむなく無理に脇道を歩く。さらに『馬の背・牛の背』という両側が崖の細い道を行くところは下を見ると足がすくむ。よくみると『龍楽事故発生注意』bの文字が。

鐘楼につくが大きな岩の上に大きな鐘があるお堂、どうやってこんなものが作れるのか?さらに少し行くと納経所(重要文化財)だが、これも岩のくぼみに立っていて、足の下には何もなく、落ちれば奈落である。

もうこの辺まで来ると汗は止まらず、過呼吸で意識も飛びそうになる。さらに観音堂、不動堂のの周りを慎重に回る。

そしてようやく投入堂が望めるところに到着するが、お堂にはいくことはできない。というのも見上げた上にしか投入堂はなく、途中も道もない。それでも岩の中に高く細い足場があり岩のくぼみにはまったようなこのお堂、だれでもどうして作ったのかということが気になる。やはり役行者の法力で大きなお堂を投げ入れたという伝説は本物ではないかと思ってしまう。

ただ、テレビの番組ならここで終わりだが、現実に行くと帰らなくてはならない。上りよりも行の方が危険で、数日前にも滑落して60代の男性が亡くなったことを知る。とにかく慎重に、慎重にと思いつつ、買ったばかりの時計の文字盤に岩がぶつかり傷つこうが、タオルが絞れるようになろうが、とにかく時間をかけて下山。朱色の橋が見えてきた時のはとにかく嬉しかった。若いうちでないとなかなか行けない、また天候が良くないと難しいこの国宝はぜひ見ておくべきで、お参りすることをお薦めする。しかし、登山に2時間もかかったのは体力なきゆえか?