鋭い鼻棘 平金目 ( ナンヨウキンメ )
- Beryx decadactylus (Cuvier,1829) -
ナンヨウキンメは、今回が多分二度目の出逢いだと思います。
かなり前に友人が釣って来て味わったのが恐らくナンヨウキンメだったのではないかと思っているの。
今回のよりかなり小さな20センチくらいのものだったけど、本キンメより明らかに体高があり、キントキダイみたいなスタイルでした。
当時は、正式名称が何と言うのかまでは掘り下げ無かったので、ナンヨウキンメという名前である事は知らなかったですね。
ただ、嘴の先に横方向にかなり強くて鋭い棘がとても印象的だったわ。
その時の味覚の記憶は、すっかり忘却の彼方となってしまっているので、今回が初めて味わうと言っても良いくらいでした。
お刺身の時も書いたけど、わたしの好みのベクトルに合致した味覚で、とても良い出逢いだったと思っているの。
こういう出逢いがあるから、お魚趣味は辞められないわね。
今年は、新年早々こんな素敵な出逢いがあったので、とても良い一年になりそうな予感がしています。
さあ、これからどんなお魚と巡り合えか、楽しみだわ !
ナンヨウキンメの胃袋の葱塩炒め
今回のナンヨウキンメの胃袋はとても大きかったです。
お魚そのものが大きいという事もあるけど、体格の割に大きいのは大喰いのお魚という事なんでしょうね。
そんな肉厚で大きな胃袋は、間違いなく美味しい筈に違いない、と思い今回は葱塩炒めにしてみました。
ハリハリの葱油を造り、強火でガツ~ンと力強く炒めてます。
そこそこ苦みもあって、噛みごたえもありとても美味しい胃袋で大満足でした。
これはイケるわね !
このところ、内蔵料理は、軽く湯通ししてポン酢で味わう事が多かったわね。
しかも、他の調理のオマケみたいに簡単な紹介で済ませてしまってました。
今回は、とても美味しかったので、主役を務めてもらいました。
胃袋が美味しい事に関しては、マダラが有名ですけど、ナンヨウキンメもそれに匹敵する美味だと思います。
ナンヨウキンメの卵巣
このお魚は、見落としてしまうくらい小さく未成熟な卵巣を備えていました。
こちらは、湯通しして、味わったのですが・・・・
ちょっとこれは、生臭いエグ味があって、残念ながらという結果でした。
白子、卵巣そして肝は、当り外れが激しいですね。
美味しかったら味わう程度のスタンスで付き合ってます。
ナンヨウキンメの潮汁
大きな尾びれと、魚肉の切れ端、粗をたっぷり使った潮汁です。
薄い鰹出汁を取ってそれをベースに、極薄塩と白胡椒であっさり仕上げてます。
本キンメ同様に、汁物にすると魚肉の脂が汁に溶け出し白濁するんですね。
やっぱりナンヨウキンメもキンメダイの一種なんだな、と改めて感じさせてくれます。
ナンヨウキンメの出汁はとても上品で格調高い素晴らしいものでした。
本キンメより爽やかで美味しい出汁のように感じたわ。
魚肉もホロリとしていて、とても美味しかったです。
こんなに美味しい汁物になるなら、もっとたっぷり魚肉を使って本格的な料理にしても良かったかな、なんて思ってしまった。