朝日新聞官邸クラブ(朝日新聞官邸クラブの取材班によるツイッター「チーム官邸のつぶやき」のこのツィート。
「首相が「国の理想」を憲法に書き込むべきだと主張しているのに対し、立憲民主党などの野党には「憲法は権力を縛るもの」との認識が強く、憲法観に開きがある。」
このツィートは、官邸へのごますりで恣意的に書いたのか、それともほんとうにこう思って書いたのか、どちらにしてもビックリする!
「憲法は権力を縛るもの」は認識ではなくて、原理原則であって、憲法観なんて問題ではない。
「行政府の長である首相が憲法改正を主張することを是と思っている」、当の安倍総理大臣の認識がおかしいのであって、あの人が憲法観を間違えているのだ、すなわち違憲。
立憲主義とは、政府の統治を憲法に基づき行う原理で、政府の権威や合法性が憲法の制限下に置かれていることに依拠するという考え方。「憲法に立脚する」という意味合いである。
日本国憲法における、立憲主義の肝は、国家権力が守らなければならない「基本的人権の尊重」と、国家が暴走しないための国家システム「三権分立」。
日本国憲法では、「基本的人権の尊重」について以下のように書かれている。
【前文】抜粋
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
〔基本的人権〕
第十一条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
政府の統治を憲法に基づき行う原理で、政府の権威や合法性が憲法の制限下に置かれていることについては、以下の通り書かれている。
〔憲法尊重擁護の義務〕
第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
ここに国民は含まれていない。
この憲法は、国民から国に対しての命令書という性質を持っている、すなわち国民が「憲法を守れ」という相手は、国民以外の国家権力を行使するこれらの人だ、安倍総理大臣、あなたもだ。
三権分立については以下の通り書かれている。
〔国会の地位〕
第四十一条 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。
〔行政権の帰属〕
第六十五条 行政権は、内閣に属する。
〔司法権の機関と裁判官の職務上の独立〕
第七十六条 すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
2 特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。
3 すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。
安倍首相、あなたには行政権しかないのだ。
そして、憲法は、権力が暴走できないような国家システムについても定めているのだ。
ちなみにこういうことは、中学生で習うんやけど。(安倍首相にお勧めします )
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