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「コロナに耐え、未来を拓く」 ハイタクフォーラム 厚生労働省・国土交通省要請行動、2022総決起集会、タクシー政策議員連盟との意見交換

2022-03-14 | 書記長社労士 公共交通
 ハイタクフォーラム(私鉄総連ハイタク協議会・全自交労連・交通労連ハイタク部会)は、3月9日に「厚生労働省・国土交通省要請行動」、10 日に「適正な運賃・料金改定を求める総決起集会」と「タクシー政策議員連盟との意見交換」を行った。


〇ハイタク運転者の労働問題に係る重点を厚労省へ要請
 厚生労働省への要請行動は、衆議院第一議員会館大会議室で行い、近藤昭一タクシー政策議員連盟会長の随行で要請書を手交した。
要請には102人、私鉄から24人が参加した。
志摩卓哉私鉄総連ハイタク協議会議長は「人流抑制の2年間、耐え忍んできた。ハイタクは、公共交通の一翼を担う重要な社会インフラである。地域で働く仲間を守り、医療従事者や感染者送迎に携わり、感染のリスクにさらされているのに十分な措置がされていない」「タクシー特措法をふまえたうえで労働条件改善、雇用不安を感じることがないよう労働行政の指導・監督、真摯な回答を期待する」などとあいさつした。
要請内容は、「ハイヤー・タクシー運転者の労働問題に係る重点要請」として、① コロナ禍における雇用の維持と法令違反事業者の摘発、②感染症対策、③累進歩合 制の完全排除(禁止)、④給与体系・労働条件・運転者負担等、⑤地域別最低賃金の遵守と労働時間管理の適正化、⑥運転者の健康チェックの6項目。
小林高明厚労省大臣官房審議官は、「心より敬意と御礼を申し上げる。コロナ禍3年目に入り、職場は、大変な状況と推察している。ハイタクは、社会的にも重要な使命を果たしている。厚労省もともにがんばりたい」「長時間労働対策は、関連法令の周知、違反の疑いがある場合は、所要の措置を講ずる」「働き方改革は 2018 年度以降、順次対応してきたが、2024 年4月から自動車運転者も時間外労働の上限規制が適用される。労政審で改善基準告示の見直し議論がされ、ハイタクは今月中の取りまとめを目指している。労働環境の改善に向けてご協力をお願いしたい」などと応じ、要請に対する回答を示した。
参加者からは、「最賃違反件数と監査」「感染接触者の認定があいまい」「雇用調整助成金申請への対応」などで質疑が出された。
私鉄からは、堀内隆彦関西ハイタク労連書記次長が運転者の健康チェックについて、「スクリーニング検査費用に対する助成創設について、厚労省の回答を示してほしい」と質した。
これに対して労働基準局安全衛生部労働衛生課は、「国交省主体で進めている。精査するが助成創設は難しい」などと応えた。


〇タクシー関連法・附帯決議の厳格運用、ライドシェア合法化反対を国交省へ要請
 国土交通省への要請は、近藤昭一タク議連会長と小宮山泰子幹事長の随行で、私鉄は田中滋修関西ハイタク労連委員長が要請書を手交した。
要請内容は、「タクシー関連法ならびにその附帯決議の厳格な運用および白タク(ライドシェア)合法化反対の要請」として、①コロナ禍からタクシー事業の維持・存続を図るために、②タクシー事業における適正化、③ライドシェアと称する白タク合法化問題、④タクシー事業の活性化、⑤タクシー運賃など5項目。
国土交通省からは、秡川直也国交省自動車局長が国会対策のため、大辻統自動車局旅客課長ほか 11 人が出席した。大辻課長は、「エッセンシャルワーカーとして、移動サービスを絶やさない奮闘に敬意を表したい」「補正予算、原油高騰対策でタクシー事業者を支援することは画期的」「運賃改定は、運転者不足を解消する人件費の原資として、適正なタイミングで実施されることが望ましい。サービスを決める運転者を確保するためにも運賃改定の環境づくりが大切で、審査が始まれば速やかに対応していきたい」などと応じ、要請に対する回答を示した。
回答後、参加者からは「行燈消灯地域のルール」「指定基準の見直し」「休車特例措置の判断」「改正タクシー特措法の勧告・命令」「適正化推進事業」「タクシー乗り場の案内人休止への指導」「UDタクシーと介護タクシーの境目」「賃金改善が担保された運賃改定」「公共交通の会議体がない地域への指導」「業務の感染リスクに対する運転者への手当創設」「ドローンタクシーへの対応」などの質疑が出された。
私鉄からは、①田寺一郎関東ハイタク協新立川交通労組書記長から「配車アプリサービスは、タクシー会社を特定しないため乗務員に対する教育費、設備投資をタクシー会社が無駄と考える。利用者の安全確保から、一定の安全を備えた会社でないと(配車市場に)参
入できないなどの検討ができないか」、②堀内隆彦関西ハイタク労連書記次長から「スクリーニング検査費用に対する助成創設について、厚労省は国交省主体と回答した。国交省が前向きに検討と受け止めてよいか」、③田中滋修関西ハイタク労連委員長からは「ⅰ.積極的な監査を求める。ⅱ.大阪市が進めるAIオンデマンド交通による乗り放題と協業が進めば、既存タクシー事業者が存続できなくなるため慎重に対応してほしい。ⅲ.全産業平均賃金との格差が100 万円以内となるような運賃改定」、④酒井博関東ハイタク協事務局長から「東京武三地区が特定地域指定となるように指導をいただきたい」などの質疑が出された。
これに対し国交省は、①「配車アプリは功罪あり、運用を適切に見る。どうすれば利用者が気持ちよく利用できるか海外に学びたい」、②「スクリーニング検査のモデル事業は 2018 年度から進め、来年が最終年度となる。脳MRI検査の妥当性などを見極めながら、どうするか検討中である。費用負担が大きいことは、事業者からも伺っている。『事業者の自主的検査への支援は厚労省でできないか』とモデル事業が進められてきたので、状況を見据えつつ助成を含めて検討する」、③「ⅰ.更新制の要請と同様に、どう制度的に検討していくかが肝。安心・安全を守っていく。ⅱ.新しい運行、交通サービスは、しっかりと見ていきたい。ⅲ.労働条件改善に資する運賃改定は、2007 年から原価を積み増す取り組みを進めてきた。事業者の赤字を補えるよう、基準に従い適切に対応したい。労働条件改善につながらない運賃改定なら錦の御旗が霞んでくる。事業者へは、運賃改定に満足せず、労働改善への対応を取り組むよう促すことを固く約束したい」、④「腰を据えた議論が必要。運用にあたり、事業者、運転者、利用者が納得できる議論に尽きる。意見を関係者に伝える」などと応じた。


〇3.10 適正な運賃・料金改定を求める総決起集会~22 春闘勝利!ライドシェア反対!~
 ハイタクフォーラムは3月10 日、東京都内の「星陵会館ホール」で、適正な運賃・ 料金改定を求める総決起集会を開き、全体で167 人、私鉄からは34 人が参加した。 主催者を代表して溝上泰央ハイタクフォーラム代表幹事は、「3年ぶりの開催に感謝」「交通運輸は平和産業。核兵器使用をちらつかせながらの侵略行為は許せない。一刻も早いロシア軍の撤退を求める」「タクシーは、最後の砦として過疎地域を支え、ワクチン接種もタクシーが活躍中。ハイタク労働者は、社会を支えるエッセンシャルワーカー。しかし多くの仲間が職場を去っている。安心して働ける賃金・労働条件がなければ、 人は残らないし入ってこない」「春闘は、待遇改善に必要な取り組み。あきらめずに 会社と交渉を続け、どんな形でも賃金・労働条件の向上を勝ち取ろう」「安全・安心・ 快適のためのコスト上昇に見合った運賃改定が必須。全ての地域で適正な人件費が賄えるだけの運賃・料金を実現するため、ハイタク労働者の力を一つに合わせ行政や事業者にぶつけていく」「AIオンデマンド交通の中での、同じ土俵にあがらずに安売りを掲げる動きには、地域のタクシー事業者が関わらなければ運用できない形にしていく」などとあいさつ。


 続いて、久松勇治私鉄総連ハイタク協議会事務局長が厚生労働省要請報告、野尻雅人全自交労連書記次長が国土交通省要請報告を行い、浦田誠国際運輸労連東京事務所政策部長から「白タク合法化阻止について」と題した情勢報告を受けた。
また清水秀行連合事務局長、住野敏彦交運労協議長、近藤タク議連会長、泉健太立憲民主党代表、田村まみ国民民主党国民運動局長、坂本克己全国ハイヤー・タクシー連合会最高顧問から、連帯のあいさつを受けた。


 集会は、河西純誉さん(全自交東京地連)の提案による「エッセンシャルワーカーの貢献に見合った賃金・労働条件を獲得するために、全国、すべての地域で運賃・料金の改定を早急に実現すべく、力を合わせて闘い抜く」とした集会アピールを満場の拍手で採択。 志摩私鉄ハイタク協議長は、「感染リスクにさらされながらも輸送の使命を果たしている仲間のために、賃金・労働条件の回復、持続可能な公共交通に資するものでなければ、適正な運賃・料金とは言えない」「安心・安全を脅かす規制緩和の波が押し寄せており、運動を強めなければならない」「ハイタク労働者が仕事に誇りを持ち、働き続けることができるように、コロナ禍を乗り越え、将来に渡り利用者へ安心・安全が提供できる産業としていくべく心合わせをし、厳しい状況からの反転攻勢に向けともに闘っていこう」などと締めくくった。


〇タクシー政策議員連盟との意見交換~エッセンシャルワーカーとしてのタクシー政策~
 ハイタクフォーラムは総決起集会終了後、衆議院第二議員会館多目的会議室でタクシー政策議員連盟(以降、タク議連)と意見交換を行い、全体で73人、私鉄から19人が参加した。
意見交換は、森屋隆タク議連事務局長/私鉄総連組織内国会議員の司会で始まり、「参議院で今、本予算を審議している。衆議院で本会議、参議院で各委員会が重なっているため議連の議員の皆さんは遅参または途中退席となることをご理解願いたい。コロナ禍で交通運輸産業は、本当に大変な状況に陥っている。 何としてもコロナを耐え、政治と働く者がタッグを組んで暮らしを守るため、交通労働者の安定した労働の確保が何より必要」などとあいさつした。
続いて、溝上ハイタクフォーラム代表幹事は、「持続可能な移動サービスとして、 利用者に安全・安心が届けられるような環境を整備していただけるようにお願いし、 悲痛の叫びを受け止め、国政に反映いただきたい」などと述べた。
また、本会議を終えて駆けつけた近藤昭一タク議連会長は「重要な公共交通機関 として位置づけられているタクシーを守っていくのが国会議員の役割」などとあいさつした。
地方情勢は、鈴木久雄全自交北海道地連執行委員長が北海道、野見山賢一交通労連福岡ハイタク労連会長が福岡のタクシー状況を報告した。私鉄は、田中滋修私鉄関西ハイタク労連委員長が大阪の状況について、①「AIオンデマンド交通の実証実験は本当に持続可能なのかが議論されていない。弱者の足が守られない」、②「遠距離運賃割引は、乗務員の負担があり、事業者が廃止に踏み込めるよう、お力をいただきたい」などと報告した。
意見交換では、徳永エリ参議院議員と吉田忠智参議院議員からコロナ対策について発言があり、また参加者からは「森屋隆参議院議員の予算委員会での質疑に勇気づけられた。地域交通は、商工会議所でなく、政治の力で守ってほしい」 「エッセンシャルワーカーとして、あるべきタクシーの平均賃金について」などで 質疑が出された。これに対して末松義規衆議院議員は、「岸田政権が取り組む税金による賃上げは、あまり効果がない。それよりも最低賃金1500円の引き上げ。月収で26万円、年収で313万円になる。6年間で25兆円かかる。国費投入で100円ずつ上げていく。最賃は韓国より低い地域が 33 県ある」「燃料高騰対策は、備蓄を今、 放出せよと言ってきたのでがんばりたい」などと応えた。
小宮山泰子幹事長/衆議院議員は、「タクシーは、災害時などで国民の生活を守る大切な職業。公共交通の位置づけを膨らませていく」、森山浩行幹事長代行/衆議院議員は「エッセンシャルワーカーの定義を議論」、城井崇国土交通委員会理事/衆議院議員は「公共交通の担い手は、福祉や環境、生活基盤、移動保障に不可欠。政府 と意思合わせし、政策議論をしていきたい。国交省は、ダイナミックプライシングを行いたい意向を腹に持っているが、試しでも行うと地域の担い手が失われ、元には戻らない。国交大臣へ直接、釘を刺していきたい」などと決意を述べた。

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