緑 島 小 夜 曲

春を愛する人は、心優しい人。

雨の日は

2008年07月17日 16時34分52秒 | 時事雑感
 昨夜から雨が降り始めた。じめじめと、外出したくない。

 雨の日を言えば、文学作品によく出てくる場面は喫茶店と書斎にある。ブルジョア情緒のただよう豪華な喫茶店に意中の女性と薄暗い中にデートすること。また、電気スタンドの円錐体のような黄色い灯りに心身を置き、愛読するものを耽読する。手元に温かいコーヒー、足元に居眠りする猫。
 
 雨の日に恩師からメールが届いた。芥川賞に初めて中国人が登場したというニュースだった。ハルビン出身の女性で、23歳から日本語を学び始めたという。また日本人と結婚したこともあるとのことだ。人々を感動させるものは日本語でなく、その中身だそうだ。

 雨の日に(日本では雨かどうか?)国語学者の大野晋さんが14日、88歳で亡くなったという消息も朝日新聞のコラム「天声人語」から分かった。去る一学年に大野さんの「日本語の起源」という作を読んだこともある。本著に日本語の起源が南インドのタミル語だと推定された。大野氏のその本から得たものには言語知識のほか、研究方法もいろいろある。

 雨の日は、空しくて眠いものだ。