緑 島 小 夜 曲

春を愛する人は、心優しい人。

携帯用新万葉仮名

2008年10月19日 13時24分09秒 | 無名色色
 「万葉集」は日本に現存する最古の歌集だといわれる。全文が漢字で書かれており、漢文の体裁をなしている。しかし、歌は、日本語の語順で書かれている。歌は、表意的に漢字で表したもの、表音的に漢字で表したもの、表意と表音とを併せたもの、文字を使っていないものなどがあり多種多様である。

 編纂された頃にはまだ仮名文字は作られていなかったので、万葉仮名とよばれる独特の表記法を用いた。つまり、漢字の意味とは関係なく、漢字の音訓だけを借用して日本語を表記しようとしたのである。その意味では、万葉仮名は、漢字を用いながらも、日本人による日本人のための最初の文字であったと言えよう。

 「久佐麻久良 多妣乃麻流祢乃 比毛多要婆 安我弖等都氣呂 許礼乃波流母志」

 のような防人歌もあれば、ほかにいろいろな歌もある。上のそれを仮名で書くと、

 「草枕 旅の丸寝の 紐絶えば 我が手と付けろ これの針持し」

になる。意味上では全然漢字と関係ないもので、現代日本語に訳すれば、「旅の丸寝をして紐が切れたら、自分の手でお付けなさいよ、この針をもって」という意味のはずで、遠き九州などで防人をしてた人々の有様がうかがえるのであろう。

 これを中国詩歌にして言えば、「辺塞詩」に属するだろう。

 さて、新万葉仮名という題を付けたが、実を言うと、僕なりの自己流なので、できるかどうかはまず問題である。

 中国国内で、携帯にショットメールを発送する時、日本語入力するのはだめなので(できるものもあろうか、知らないが)、時々漢字で日本語を入力する。たとえば、名前の後ろに付くその「さん」はよく「桑sang」に書かれる。台湾などでは「おばさん」はよく「欧巴桑」に書かれる。

 この前,友とショットメールを送る時、漢字を使用した。

 「有難う」は「阿礼伽陶-A LI GA TAO(ピンイン)」。
 「頑張ります」は「鋼靶力馬嘶-GANG BA LI MA SI(ピンイン)」。
 
この表記はちょっと日本語速成のために使われる方法によく似ている。すなわち、日本語の下に「中国語のピンイン」を書くという。もちろん、発音に問題ある。
 
 ここで言う「携帯用新万葉仮名」というのは上の「阿礼伽陶と鋼靶力馬嘶」のようなものである。もちろん、「有難う」を中国語のピンインで表記すれば沢山の漢字が出てくるが、わざと上述の「阿礼伽陶」を選ぶのは原因がある。なぜかというと、「礼はお礼の礼で、ピンインで読めば、LI」である。日本人は「有難う」を言うとき、よく「お辞儀」をする、これは「お礼」に似てる。また「陶」は「ピンインで読めばTAO」である。瀬戸物という意味もあれば、「楽陶陶」のような表現もある。つまり「陶」に「うきうき、嬉しい、気持ちいい」という意味もある。
全体的にいえば、「お礼の言葉をしてから、相手も心に嬉しく、また気持ちよく感じるだろう」と。

 次の「鋼靶力馬嘶-GANG BA LI MA SI(ピンイン)」も同じである。そのピンインに当てる漢字を見れば、「三国志」に登場した張飛のような英雄好漢が連想できるだろう。騎馬戦で矢を射る英雄の姿、また馬が嘶くこと。これは「力いっぱいで頑張る」というイメージだろうか。

 ほかにいろいろあると思うが、今日はまずこの辺で。退屈な文字ゲームだと思う人がいると思うが、気の毒だ。

一番「難しい」ラーメン

2008年07月21日 14時39分32秒 | 無名色色
 
 
 (美味しそう!)



 陝西料理を言えば、やはり麺類がよく知られる。省会・西安の町や路地を歩ければ、ラーメン屋さんがあちこちに数多く並んでいることによく気付くことだ。蘭州牛肉ラーメン、油まくラーメンなどである。その中では、biangbiang(ピンインの二声を発する)面というのがあり、一番「難しい」ラーメンだと言えよう。しかし、此処で言う「難しい」は作り方や食べ方でなく、書き方を指す。

 考証してみたら、biangbiang面の歴史は秦に遡ることができ、宰相李斯が始皇帝をごまかすため、創り出した漢字であるという。また「一点飛上天,黄河両辺湾;八字大張口,言字往裏走,左一扭,右一扭;西一長,東一長,中間加個馬大王;心字底,月字旁,留個勾搭挂麻糖;推了車車走咸陽。(空飛ぶ点よ、黄河を下に。八口開けよ、言葉を中に。左にくねる、右くねる。下には馬よ、東西長よ。心を底に、月傍よ。車で都、鉤に飴。)」という関中民謡があって、この難字の書き方を説いた。


 また発音において、biangbiangというのは訛のようで、正式にビンインで発音できないようである。このbiangbiangという音の源について以下のような説がある。何れも「擬音語」のような感覚だ。

 1)作る時、面を俎板に引っ張ったり、叩いたりする時に発する音。 
 2)鍋に入れる時、鍋の縁と接触する時に発する音。
 3)箸で出来たものと調味料とを攪拌する時に発する音でもある。
 4)さらに、美味しく食べる時に発する音(ヨダレだぞ~~!)。

 私もこのbiangbiang面を一度食べたことがある。本当に美味しいものだと思っている。

 

怪談之涼み

2008年07月14日 10時22分25秒 | 無名色色
 そういえば、日本で暑い夏になると、怪談を話し合うことで涼むことがあるようである。さらにプロセスをいろいろ考えて話し合うまでするのだ。
 和室を二室用意して、一間は怪談に用する。もう一間に蝋燭を点している。それに、怖い雰囲気を作るため、わざっと廊下を真っ暗にした。順番に怪談を話し、一つごとに終えると、その話し手は隣の部屋に行って蝋燭を消してから、また戻って怪談を聞く。このように、蝋燭が全部消えるまで楽しむ。これを中国で推したいと思う。多分わが祖先の知恵でもあろう。
 昨日は大変暑くて堪らないので、「怪談」という日本映画をダウンロードして見た。あまり怖くなかったせいか、或いは雰囲気が悪かったせいか、役に立たなかった。
 我が在来の方法に及ばない。ちょっと紹介するが、面白半分に。
 誰にも自分なりの敏感な音があるのだろう。私は1)手で風船を触る時のその音2)鉄製物、椅子、机などを床に引っ張る時の音に敏感する。特に2)番目の音が我慢できないものだ。それを聞くと、すぐ鳥肌が立ったり、身震いしたりするものだ。
 みんな、ほかに何かいい方法があったら、教えてください。
 ただし、「心静か、自然に涼む」を言わないで。(笑う)

発音練習

2008年07月09日 22時22分14秒 | 無名色色
 



 来学期のスピコンの録音のため、明日から発音練習し始めます。発音練習をいうと、小出先生のことをよく思い出しますこと。

 シャンと立っていて、力込めて「あ、い、う、え、お」から音を発する先生のその姿が忘れられないんです。日本放送協会(NHK)のアナウンサーがこういう仕方で発音を練習すると、先生が教えてくださったものです。それは2005年陝西省日本語スピコンの時でした。小出先生が作文を指導していたが、そこでたまに発音の練習方法をも教えてくださった。以上のそれでした。
 
 西安に到着したのは5日夜で、二日間滞在しました。それに、師大路の録音屋さんにいきました。録音の件について訊ねました。最近はCDなどに録音するのが一般になりますから、テープに録音するのは案外に出来なくなるといいます。

 まずCDに録音し、それからcdからテープに「転録」するという遣り方しかないです。まあ、いいや。とりあえずスピーチを書こうと思います。

 明日から発音練習!ファイト!

手書きで休憩

2008年04月16日 14時36分30秒 | 無名色色
 


 ネットで資料を調べた時にめぐりあった「手書き」のサイトを利用して、書いた「青花磁」の花瓶である。

 「マウスで簡単お絵かきブログ」ということだから、大人気であるらしい。
 トップページ http://pipa.jp/tegaki/を訪ねてみたら、たくさんのお手書きが載っている。中には上手なのはずいぶんある。流石「漫画の大国」だな、と私は思ってる。

 最初には幼稚園の子供たちが書いたが、近頃年寄りにも大人気であるという。年とともに発病率の高いアルツハイマー病やパーキンソン病などに予防効果があり、またそれらの病気を治療するための補助にもなるという。

 私もさっそく登録して書いてみた。上の「花瓶」である。


 

近頃

2008年03月12日 17時03分52秒 | 無名色色
 中国迷爺爺さん、本ブログを閲覧する皆様、お久しぶりです。お元気ですか。

 で、新学期が始まりました。毎日忙しくて、ネットする暇でさえなくなりました。発表、論文!それに、今学期から外国語学院に属する夜間学校の日本語教師というアルバイトを始めました。担当する課目はヒヤリングで、まじめに準備しなければなりません。だから、本ブログを更新するのは前より少なくなるかもしれません。そして、四月から助教(指導教官の助手)をする予定なので、もっと忙しくなるかもしれません。

 さて、ある友達が「古都まで」の所謂「あとは?」をずっと待っていますっていいましたが、本当にすみませんでした。続いて書こうと思うが、「あと」の風景や自分の当時の気持ちは殆ど忘れてしまいましたので、旅がちょっと長くなると、人間は誰でもその退屈さを実感するのではありませんか。私も。三日坊主のような気がしますけど~~(しようがない)

 最後ですが、このブログを閲覧する皆様のご関心(特に中国迷爺爺さん、あじゅんま先生、でんどう三輪車さん)に感謝の意を表したいと思います。

 私は書くのを中止するつもりはありません。暇があれば、頑張って書こうと思います。

 みんな、お元気で。私は元気でやっています。

 
 

鼠年大吉

2008年02月06日 15時02分26秒 | 無名色色
 旧暦の新年が長くて寒い雪の中から来ます。

  

 今年はオリンピックの年であり、鼠の年でもあります。

 春運は豪雪のせいでたいへんでしたが、雪の後はいつもいい塩梅ですって

よく言われます。だから、みんな、ぜひお元気で。来年はみんなにとって、いい年

を迎えるように、心から祈ります。

 

 
 

良い消息と悪い消息

2007年09月22日 11時29分50秒 | 無名色色
 「ね!良いことと悪いことがありますが、まずどちら?」を耳にした経験がある?私にはよくそう言われる。
 じゃ、今日僕もそうしよう。こっちに今良い消息と悪い消息があるから、まずはどちら?

 七月末に参加した「中国人の日本語作文コンクール」における中間審査結果が発表された。
 良い消息は僕の作品が「佳作入賞」になったこと。悪い消息は「賞を貰えなかった」こと。
 が、それでもとても嬉しい。詳しいことは以下をごらんください。
 http://duan.jp/jp/junis.htm
 これからも頑張る。

 みんな、お元気で。
  

緑町到着

2007年09月16日 15時09分56秒 | 無名色色
 皆さん、こんにちは。暫く更新しませんでした。というのは、新学期が始まりますからです。わがブログを閲覧してくださいました方々に、どうも感謝の意を表わしたいと思います。

 私は今月8日朝、無事に広西南寧到着しました。
 南寧は緑の多い町なので、「緑城」だと言われ、中国に知られます。

 僕が入学した外国語学院の大学院は、広西大学大学院に属しています。今年日本語を専攻する院生は全部8人で、男性2人(僕とある70年代末生まれの日本語教師)。
 明日から授業や研究が始まりますから、忙しくなるでしょう。それがゆえに、更新は前より少なくなると思います。ただし、中止はしません。図書館の入館カードを貰いますと、無料でネットや資料調べなどができるから、また「緑城」にて日々の感想や出来た物語などを発表します。

 

「シンナ遊び」から

2007年08月10日 21時46分17秒 | 無名色色
 この数日、お隣さんが室内を改装している。家の扉を開くと、シンナの匂いがする。

 ふっと「シンナ遊び」ということばを思い起こした。それは会社にいた時、某部長が教えてくれたことである。

 シンナは工場や大工などの現場でよく使われる有機溶剤で、特有の芳香を放つ。その特有の芳香を好むようになって、死亡事故までを起こすことが、「シンナ遊び」という。

 好奇心が強いか、子供らの間で特に流行しているらしい。日本では、毎年「シンナ遊び」によって起こった死亡や障害がとても多いというとこだ。当時取られたメモをめくってみたら、「シンナは粘膜への刺激作用と中枢神経の抑制作用があって、過度に吸入すると、脳細胞が破壊され、二度と再生されない。そして喉や眼に刺激感があり、めまい、頭痛、ふらつき感、めいてい状態などとなり、大量では呼吸まひによって生命にかかわっている。」という。

 好意を抱く私は、マスクや保護道具を着用していない改装隊にシンナの有害性を説明した。しかし、誰も僕の話を受け入れなかった。ひいては、「おい、邪魔するな」という方までがいた。

 現場や工事の安全を重視しないと、一旦「シンナ遊び」すると、間に合わないだろう。
 
 さてと、人間の感官も不思議だなぁ。「人間の感官をないがしろにするな」と、鑑定医を専攻している親友の話が頭に浮かび上がる。「鼻中の神経がとても敏感で、たとえ一生に一度だけ嗅いだものでも、二度と嗅いでみたら、感官の深い所からその封印された匂いへの記憶がすぐ呼びあがられる。」

 嘘でなく、確かにそうだ。

 「シンナ」の匂いがすると、記憶の片隅で封印された人生に一度だけの職場生活もありありに思い出した。今回は「シンナ遊び」でなくて、「シンナ改装(回想)」である。

遊び場

2007年08月03日 22時06分01秒 | 無名色色
 日本では、幼稚園がお寺の中に開設されたこともあるらしい。これは最近耽読している、写真付き読本・「狂走日本」から分かってきたことだ。作者は毛丹青氏(日本神戸市在住中国籍作家)である。
 数年前に見たテレビ番組「動物世界」の一編を思い出した。「猫の国」という内容だそうであった。
 墓地に集まって、楽しく生きている野良猫たちの群像を描く「猫の国」というテーマであった。所は日本で、猫の多い国であるらしい。そして、テレビの映像からみれば、日本の墓地はとても美しいという感覚だった。
 僕は猫を話しくない。ただ、猫から子供の遊び場を考えていきたいんだ。
 猫とまったく同じように、子供にとって、墓地も一つの遊び場であろう。墓地を都市の中に建てる日本と違い、中国では、ほとんどの墓地は郊外に建てられる。静か且しめやかである。毛さんの話によって、日本の子供にとって、墓地の中で鬼ごっこをするのは全然怖くないことらしい。ちなみに、死さえ怖くないという結論も出てきた。まさか、自殺率が高いのはそれが原因であるまいか。(私的な考え)
 京都のような都市に生活している子供らにとって、お寺が遊び場になるのはおかしくない。それだけでなく、小さな神社も遊び場。「ドラえもん」の中では、その空き地は主な遊び場。
 中国の場合はどうだろうか。
 まず墓地はだめである。多くの墓地は無断立ち入り禁止。
 お寺はなおさら。仏門は静寂な所で、遊びどころか騒ぎも禁止する。
 この点からみれば、日本の子供はしあわせだ。
 

荘園のベランダにて

2007年07月07日 22時53分51秒 | 無名色色
  真夏の向日葵荘園へようこそ。我が荘園の露台にて海原と青空が眺められる。涼しい海風の中で、新鮮なジュースを一杯召し上がってください。
  猛暑の日々には、心がとても疲れているだろう。それが故に、今日はテンプレートを暫く「海原と青空」に変えた。涼しい海風の中に、皆様のストレスや煩悩を解消できれば、嬉しく思っておる。

トマトの食べ方

2007年07月01日 17時29分58秒 | 無名色色
 雪月花さんがトマトの中国式食べ方について訊ねましたから、それをちょっと紹介させていただきます。

 1、一番簡単な食べ方。水でトマトを洗い、手にして生のまま食べています。
 2、これも生のまま食べていますが、調味料がひとつ必要です。どの店でも手軽に買える調味料、(ジャンジャンジャンー)砂糖です。包丁でトマトを切り、お皿にのせて、その上に砂糖を撒くと、出来上がります。もし白砂糖ならば、すごく詩的な美称・「火焼雪山」もありますよ。(笑う)
 3、時代の発達につれて、とても便利かつ実用的な台所用品が発明さらました。ジューサーはその中のひとつです。ジューサーをいうと、食べ方が分かるはずだと思います。真夏の午後、氷で冷やされたトマトジュースを一杯ください。なんと爽やかな人生かな。
 
 以上で紹介いたしましたのは、生の食べ方。そのほか、卵と炒めるのもとても普通の食べ方です。誰でも想像できる作り方だと思っており、詳しく紹介いたしません。しかし、わが故郷では、特別な食べ方があります。トマトをジャム状まで鍋に煮させ、そのトマトジャムを消毒後の点滴済みの医療用瓶に注いでいます。するとゴム製の栓をして、針金で幾重にも巻き付けて、瓶を鍋に蒸させています。五十分後、瓶中の空気が排出されて、真空状態になります。長く保存できて、いつでも食べられますよ。
 ごめん、ごめん。さっき紹介したのは、食べ方より保存の仕方のようですね。ごめんなさい。
 さて、トマトを食べる時には、一番最初にトマトを食べてみた米国大佐ロバートのことを忘れないようにしてほしいです。彼の勇敢と精神がなければ、たぶんトマトは今でも南アメリカ・ベルーのジャングルに生きている「有毒植物」でしょう。