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春を愛する人は、心優しい人。

辰の年竜を語る①

2012年01月20日 10時54分24秒 | 民風民俗

 
 あと2日、辰の新春がやってくる。

 まず旧年中、お世話になった方々に感謝の意を表したいと思う。去る一年は僕にとって、登龍門のような年だった。今年もどうぞよろしくお願いします。さて、これから、この猫の額のようなブログを借りて、辰の年龍を語るというシリーズを書き込みたいと思っている。

    

 龍は我が国中国の神話伝説上の動物である。長い歴史の中で、龍のイメージも変わりつつあり、さまざまな形が生まれたのである。神話上の動物なので、現実の世界では生きていないというのはまず事実である。古生物考古学上では、恐竜の化石が発見されたが、龍の原型になるのであろう。

 まず龍の構造を見よう。南宋時代の博物誌『爾雅翼』では竜の姿を「三停九似」と書いてある。「九似」とは、その角は鹿、頭は駱駝、眼はは兎、身体は蛇、腹は蜃、背中の鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎、耳は牛にそれぞれ似るという。この構造からみれば、龍のさまざまな動物より成り、各動物の習性が一体化されるのであろう。ご存知のように、鹿の角は貴重な漢方薬、駱駝は飢えに強く、兎の目が赤宝石の如し。蛇や蜃の長き体、鯉が水中に生きること、鷹と虎の勇猛さ、牛の穏やかさなどが想像される。

 龍は水中か地中かに棲む。井戸に棲む龍もいるという。その鳴声が雷、息が風、くしゃみが雨と化する。降水を司る動物だと思われる。その動きを「騰」という動詞が使われる。「龍騰虎躍」は成語で、「龍騰がる虎躍ぶ」の意味である。水中か地中より、龍が天上に上がる有様をいきいき現す。

 今年は「龍騰虎躍」の年でありますように。おめでとうございます。

                                  
                                   (続く)

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