緑 島 小 夜 曲

春を愛する人は、心優しい人。

冬の朝

2010年12月29日 17時54分52秒 | 俳句和歌
 温室効果のせいか、今の冬は昔より暖かかろう。天気予報によると、あしたは零下20度だそうだ。

 小さい頃の真冬の朝に、共用水道が凍りつき、お湯を蛇口にかけないと、使えなかった。ひどかった場合では、焚き木まで手を出す。管理人がいないから、誰それの親が焚き木を持ってきて、火をつけたものだ。水道の前にバケツが長蛇のように並べた。祖父のあとにつき、我がバケツをその長蛇のシッポに。あとは待つことだ。

 祖父がいつも早起きだった。雪の朝は庭の除雪。平日は鶏の糞などを拾う。その焚き木を出して水道を焼くのも実はいつもウチだった。なので、祖父が「水道老李」の名を博した。

 小学校は冬が午前八時から午後五時までだった。寒い朝は蒲団を抜け出るまで、いつもぐずぐずしていた。

 「早く起きなさい!遅刻するぞ!男なのに、寒さに負ける気?」祖父がよく声かけていた。
 
 冬の朝の蒲団はこの世に最高なものだろう。しかし、その最高なものを抜け出ることは容易なことではないようである。『晋書・祖逖伝』には、祖逖と劉琨が鶏鳴を聞いてすぐ起きて剣の舞を稽古することが記される。おそらく祖と劉の時代は冬が更に寒かったろう。その二人が冬の蒲団と剣舞の稽古との選択肢から後者を選んだ。気合が必要である。

 土地が値千金の今。庭どころか、マイホームが買えない若者にとって、鶏鳴を聞くことも稀であろう。

 冬の朝、蒲団と剣舞、あなたはどちらを?
 
 僕は「蒲団の中」に「剣舞」したい。

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3 コメント

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京都は雪の正月でした。 (あじゅんま)
2011-01-04 18:31:38
そちらは冷夏20度ですか。京都はそれほどではありませんが、久々の積雪でした。蒲団が恋しいのは同じです。教師を半年なさっていかがですか。天職と認識されましたか。
今年が素晴らしい1年であることをお祈りします。
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訂正 (あじゅんま)
2011-01-04 18:34:08
冷夏→零下 に訂正です。うっかりは今年も治りません。(笑)
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あじゅんまへ (向日葵)
2011-01-07 15:03:59
>天職という言葉をみると、どうやら看護婦さんみたいです。(笑)中国では看護婦さんをいう時よく使われる言葉です。

僕はまだ卵ですから、今は孵化期のようです。
天職はこれからです。

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