緑 島 小 夜 曲

春を愛する人は、心優しい人。

冬の一端

2006年11月29日 15時01分33秒 | 心境写生
冬。
冬の日差し。
冬の寒さ。
冬。
冬の心。
冬の窓。
冬。
冬の乞食。
冬の新聞売り子。
冬。
冬の禿頭木。
冬の時間。
冬。
冬の子供。
冬の雪達磨。
冬。
冬の新年。
冬の祈り。
冬。
冬の下水道。
冬の屋台。
冬。
冬の一切。
冬の一端。
それは冬。

禁忌八条

2006年11月08日 14時41分44秒 | 俳句和歌
禁忌八条
俳句を詠むときで避けるべき八ヶ条

無季の句を詠まない
重季の句を詠まない
空想の句を詠まない
や・かなを併用した句を詠まない
字あまりの句を詠まない
感動を露出した句を詠まない
感動を誇張した句を詠まない
模倣の句を詠まない

 「感動を露出した句を詠まない」とはいったいどういう意味でしょうか。誰かが教えてくださいませんか。俳句を作る目標は人々を感動させることでしょう。なぜ、ここで「感動を露出した句を詠まない」を挙げていますか?


最近聞いてる日本語歌

2006年11月03日 18時35分14秒 | 演歌劇場
(男)若く明るい 歌声に
(男)雪崩は消える 花も咲く
(男)青い山脈 雪割ざくら
(男)空のはて 今日もわれらの夢を呼ぶ

(女)古い上衣よ さようなら
(女)さみしい夢よ さようなら
(女)青い山脈 バラ色雲へ
(女)あこがれの 旅の乙女に鳥も鳴く

(男)雨にぬれてる 焼けあとの
(男)名もない花も ふり仰ぐ
(男)青い山脈 かがやく峰の
(男)なつかしさ 見れば涙がまたにじむ

(男女)父も夢見た 母もみた
(男女)旅路のはての そのはての
(男女)青い山脈 みどりの谷へ
(男女)旅をゆく 若いわれらに鐘が鳴る

                       ---「青い山脈」





説文解字之「僕の小さき詩論」

2006年11月02日 10時48分27秒 | 詩論私論
詩を言えば、皆さんの頭に浮かんでくるものは何でしょうか。
「浪漫的、神秘的、憂鬱的、感動的」等の言葉が一般的でしょう。

僕にとって、詩は静寂かつ上品な言葉の芸術です。
なぜ?
漢字の構造から説明しましょう。
漢字の中で、「诗」という文字は「言葉」の「言」と「お寺」の「寺」で組合わせています。すなわち、言葉とお寺の「逢引」です。
ご存知のように、お寺という所は伝統的かつ静寂な心の浄化場所で、仏教の存在空間の一つでもあります。境内を巡ったり、仏前で合掌して何か願望を祈ったりするのは一般的であります。だからこそ、お寺で出てくる心のものはこの世にもっとも原始的で純粋な善き感情であります。その善き感情を言葉で表すと、詩というものが生まれてしまいました。

もちろん、詩の形式が様様で内容も色々あります。そして、情欲や愛などがよく詩の謳歌する対象となります。が、それらの物は仏教の禁物なので、以上の理論が誤論になるまいか、という疑問を持つ方がいると思います。

が、ここで一番言いたいのは詩の生まれる条件の一つだけです。すなわち、詩とは静かな心で外部世界の如何なる物を感じて自分の言葉で表した純粋な物です。

                 盆景

             春夏すぎて手は琥珀、
             瞳めは水盤にぬれ、
             石はらんすゐ、
             いちいちに愁ひをくんず、
             みよ山水のふかまに、
             ほそき滝ながれ、
             滝ながれ、
             ひややかに魚介はしづむ。
                          
                         萩原朔太郎「月に吠える」