花落春愁吉野山
はなおつしゅんしゅうよしのやま
一
八幡宮(はちまんぐう)の花落ちて
春雪白し吉野山。
初音の鼓鳴り響き、
狐の姿消ゑて行く。
本や同じ根生ぜしに、
相煎ることぞ急なりし。
入りにし人の後追はむ!
二
源軍の旗輝きて、
白拍子こそ最中なれ。
酒の盃交わし合ひ、
舞の直垂美しき。
本や同じ根生ぜしに、
相煎ることぞ急なりし。
入りにし人の後追はむ!
三
悲しむ風に雨泣きて
叫ぶ非情の怒涛(なみ)の声。
同舟の光陰(とき)矢の如く、
烏帽子の下の別れ泪(なだ)。
本や同じ根生ぜしに、
相煎ることぞ急なりし。
入りにし人の後追はむ!
はなおつしゅんしゅうよしのやま
一
八幡宮(はちまんぐう)の花落ちて
春雪白し吉野山。
初音の鼓鳴り響き、
狐の姿消ゑて行く。
本や同じ根生ぜしに、
相煎ることぞ急なりし。
入りにし人の後追はむ!
二
源軍の旗輝きて、
白拍子こそ最中なれ。
酒の盃交わし合ひ、
舞の直垂美しき。
本や同じ根生ぜしに、
相煎ることぞ急なりし。
入りにし人の後追はむ!
三
悲しむ風に雨泣きて
叫ぶ非情の怒涛(なみ)の声。
同舟の光陰(とき)矢の如く、
烏帽子の下の別れ泪(なだ)。
本や同じ根生ぜしに、
相煎ることぞ急なりし。
入りにし人の後追はむ!