緑 島 小 夜 曲

春を愛する人は、心優しい人。

映画館引退記

2008年07月13日 11時07分51秒 | 露天映画
 黄昏の広場に夕涼みの県民がいっぱいいる。それに、青空映画が放映される。映画館があるのに、もう県民の娯楽史から引退するようだ。
 今も町の中心部に立派に立っている。その前はさき言ったその夕涼みの広場。一昔前のある冬の夜、そこで中学校の同級生三人と焼肉を食べたことがある。お開きになったものだ。
 テレビ普及化、娯楽多様化している今で、映画館の引退も容易に想像できることだろう。それに、改革開放30周年を迎える今の中国、映画は人々にとって、もう珍しい舶来品ではなかろう。県民にとって、米国大作も大したものではない。見たくないより、鑑賞力がないといってもっとよかろう。
 青空映画も相変わらず、上世紀80,90年代の古映画や科学普及映画などが主だった。偶に愛国映画も放映されるが、見る方が少ない。
 県域経済を向上、発展させるために、毎年の九月に「物質交流会」が行われる。その時、映画館およびその周辺は売買する大きな市になる。
 夜のネオンの下に立って、私はその立派な映画館をじっと見ていた。その立派な門の柱から、何か違和感が感じられるようだ。