緑 島 小 夜 曲

春を愛する人は、心優しい人。

蜉蝣之羽

2008年04月26日 02時49分56秒 | 心境写生
 近頃のことであった。ある日の昼寝で華美な夢を見た。目が覚めた時、どういう内容かとはほとんど忘れてしまったが、華美かつ鮮やかな光りの流れや一種の影だけが覚えていた。まあ、いいや、なかなかいい感じだった。
寮の前に碧雲という湖がある。大きなものではないが、なかなか景色のいい所である。

 最近は夜になると、蛙らの大合唱が聞こえる。記者さんもうわさを聞いて尋ねてきて、動物学部の教授に訪ねた。「気温が高いのが一つの原因で、また、最近は蛙の発情期でもあるらしい」と、大合唱の秘密を明らかにしたという。蛙さん、あんたはちょっと煩い。

 数日前から、古い湖水がどこかへ流れ消えてしまった。放水するつもりだと聞いた。すると、湖底の黒い泥が見え、それに、その泥から一種の妙なものがする。ちょっと生臭いが、泥の香りに水生生物の匂いが混じったものだ。湖畔を歩く人の表情や鼻を覆うことからすれば、いやなのは分かるが、僕はそれを好むんだ。
また、湖心の深いところに残られた僅かの水の表に緑の浮き草が眺められる。普通は湖畔近くに浮いているが、湖水の減るとともに、全部湖心に移動した。で、遠く眺めると、緑の集まりのように、すごく特別な風景である。

 それに、土曜日の夜、寮の壁に一匹の蜉蝣とめぐりあった。わが二層ベッドに上った時、スイッチの傍に発見したものだ。小さな体に浅緑の羽がほの透明である。古風な袂のような感じであった。

 寮に蜉蝣とめぐりあったことは不思議だと思っているが、湖水の減るのに関わるかどうか、私は思っている。まあ、いいじゃ。不思議な夜、不思議なめぐりあい。寿命の短い(ネットで調べたが、ただ何時間らしい、長寿のもあるが、一日ぐらいがせいぜいである)蜉蝣にとって、私とめぐりあったことは不思議なのである。我が蚊帳の中にどうぞ、とその時思っていたが、白い壁よりわが白い蚊帳の朦朧さがその透明な浅緑の羽にもっと調和するかもしれない。ふっと「詩経」の句が頭に浮かんできた。

蜉蝣之羽,衣裳楚楚。心之憂矣,於我帰処?
蜉蝣之翼,采采衣服。心之憂矣,於我帰息?
蜉蝣掘閲,麻衣如雪。心之憂矣,於我帰説?

                ーーーー詩経・曹風・蜉蝣之羽

 羽を袂に喩えたのは先例があるのだ。すさんだ貴族生活に関わるが、美しい蜉蝣の姿のため、私はそれを思いたくない、無視したい。

手書きで休憩

2008年04月16日 14時36分30秒 | 無名色色
 


 ネットで資料を調べた時にめぐりあった「手書き」のサイトを利用して、書いた「青花磁」の花瓶である。

 「マウスで簡単お絵かきブログ」ということだから、大人気であるらしい。
 トップページ http://pipa.jp/tegaki/を訪ねてみたら、たくさんのお手書きが載っている。中には上手なのはずいぶんある。流石「漫画の大国」だな、と私は思ってる。

 最初には幼稚園の子供たちが書いたが、近頃年寄りにも大人気であるという。年とともに発病率の高いアルツハイマー病やパーキンソン病などに予防効果があり、またそれらの病気を治療するための補助にもなるという。

 私もさっそく登録して書いてみた。上の「花瓶」である。