旧暦・蝋月二十八 晴れ 気温零下十八度
今日は旧暦二十八で、昔なら「桃の符」(現代の「春聯」の源)を貼り、面を発酵する日である。
「桃の符」を貼るのは、古代で魔を避けるためであった。古代で「桃の木」は五木の精だと信じられ、魔よけのために使われた。「桃の符」はそれだった。「典術」という書物に「桃てふもの、五木の精なり。故魔除け物なり。」と書かれる。五木とは「桑の木、楡の木、桃の木、槐の木と柳の木」の五種類である。桃の木の精(エルフ)は鬼の門というところに生まれ、百鬼を屈服させる。それが故に、桃の木で人形や札(符)を作って、正門に立たせる。「西遊記」に書かれるように、「天の宮に蟠桃の果樹園があり、それが西王母が育てているモモで、数千年に一度結実し、その実を食べると不老長寿になれる」という。そのため、「桃の木」は不老長寿の神木だと信じられる。
(桃の木で作られた神鹿や松など)
家の祖父が嘗て漢方医であったので、聞いてみたら、「桃の木は温性で鎮静除邪、血を活させ鬱血を散らす、脳機能を促し安眠させる効きがある」ので、漢方医の理論によって、よく桃の枕に作られる。
製紙術が発明された以降、「桃の符」は「春聯」、「門神」、「窓花(切り紙のこと)」などに代られた。
窓花
門神:二人の手にしているのは「桃の木」で作られた剣で、上記のように、剣に「百鬼」を屈服させる不思議な力があると信じられる。
春聯:春(貼る?)聯によく二句(聯)がある。「上聯と下聯」で、真ん中の四文字が「横批」(横は横に貼るを意味して、批は「二聯の内容を評論、要約、高め、謳歌することを意味する)である。