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緑 島 小 夜 曲

春を愛する人は、心優しい人。

『梅蘭芳』を見て詠める

2008年12月15日 23時25分15秒 | 俳句和歌
梅の枝夢に挿し込む一昔

 先週のことだった。市内にある万達映画館で「梅蘭芳」をやっと見た。十年ぶりの映画館だった。

 運命だったか、或いは偶然的なめぐりあいであったろうか。十年ぶりの映画館で見たのはは京劇大家の「梅蘭芳」で、何よりだった。

 京劇に明るいとは言えないが、小さい頃から今までずっと好きである。特にこの国土に生まれて、生きていることはなんと幸せなことだろう、と私は思う。史上の大事件、大戦争。男女間の純一な恋或いは憧れ。星のように、文明の空に輝いている。振りさけみれば、その光は心に優しく差してくれる。

 注:「梅の枝」は比喩で、京劇においていえば、女形の「指法」の一つで、よく「蘭花指」だと言われる。しかし、「蘭」は冬の季語ではないから、「梅の枝」でその「指法」を意味する。

しゃぶしゃぶ一首

2008年11月21日 14時19分22秒 | 俳句和歌
しゃぶしゃぶや古都もまた冬来にけらしあの街角の長き列かな

 先週のことだった。クラスメートそろって、「火鍋」を食いに行った。

 味はまあまあだった。けれど、雰囲気が好きだ。みんなテーブルを囲んで乾杯したり、冗談話をしたりした!

 帰りに、古都のしゃぶしゃぶ(麻辣湯とも)を思い起こった。冬になると、西外大の古いキャンパスの裏門のあの街角にて、しゃぶしゃぶ(麻食娘だった。今はあるかな?)の店外に並んで席を待つ風景が心温かい。

 最近は「来にけらし」を使いすぎるかな。

徒然白雲

2008年11月17日 23時59分12秒 | 俳句和歌
 私は俳人ではない。もちろん歌人でもない。
 
 俳句や短歌に好奇心を持つのか、或いは詩歌の「境」や「趣」に淫するのか、自分にもちゃんと分からぬ。

 ただいつか俳句を教えられ、むやみに好きになり、院生の大切な時にどれほど時間をつぶして、学業の妨げになったのか、これも分からぬ。

 詩吟に熱中して榎本先生に師事したこともある。初めてできたのは李白の「早発白帝城」だった。

 「両岸の猿声 啼いてやまざるに、
  軽舟 すでにすぐ 万重の山」

 気流が自分の丹田から出てくると、一気に声を発すことはなんと気持ちいいことだったろう。

 榎本先生からもらったその方法を説明する原稿は今でも大切にしている。小さな一首。名状しがたい気持ち。不安などいろいろある。

 「寒猿啼くや 我が行先の 白き雲

 さるなくや わがゆくさきの しろきくも

紅葉月

2008年10月20日 21時29分04秒 | 俳句和歌
寒山の 小道ぞ長き 紅葉月
かんざんの こみちぞながき もみじつき


 注:寒山は晩秋の山を指す。元々の詩は以下の「山行」である。深秋の山奥の紅葉の景色を「二月の花」に喩えるのは新奇な発想だと思う。
   


   山行

      杜牧

遠上寒山石径斜、白雲生処有人家。
停車坐愛楓林晩、霜葉紅于二月花。


中国古典詩歌における和歌

2008年10月07日 19時37分44秒 | 俳句和歌
酒飲めば帰りは知らぬ我が夜船蓮の影より飛び出る千鳥

如夢令

  李清照

嘗記溪亭日暮,
沈醉不知歸路。
興盡晩回舟,
誤入藕花深處。
爭渡,
爭渡,
驚起一灘鴎鷺。


飛ぶ花の弥生に行くや我が友の白き帆一つ天つ底まで

黄鶴樓送孟浩然之廣陵

         唐 李白

故人西辭黄鶴樓,
煙花三月下揚州。
孤帆遠影碧空盡,
惟見長江天際流。

日日是好日

2008年08月12日 23時02分15秒 | 俳句和歌

注:1)旋頭歌の577・577調も面白い。
  2)詠み方:ゆふばれや わをみてしのぶ せいけんのこと
        ごりんひび これこうじつぞ しょうほうおおし
  3)掛詞:和と輪(五つの輪)。聖賢之言(有子曰、禮之用和爲貴「論語・学而第一」)と政権之事。五輪と五倫(封建時代の君臣・父子・兄弟・夫婦・朋友の五つの倫理関係)。
  4)「日日是好日」はもともと「にちにちこれこうじつ」と読むが、577調がゆえに、にちにちをひびにしたのだ。
  5)北京五輪開会式を見たことのある方ならば、だれだってその活字の「和」を知らないものはいないだろう。

五輪五句

2008年08月08日 16時56分12秒 | 俳句和歌

注:1)詠み方:やがくしの かえりみちこそ まどふめれ
  2)秋の季語:夜学子。
  3)夜間の塾から帰り道を急ぐ中学生の声が窓外の街灯の下から伝えてきて、オリンピックの開幕式を見るためだろうか。



注:1)詠み方:さきつつや ねむのはなちる ごりんのよ
  2)晩夏の季語:合歓の花。
  3)住宅楼の下に合歓の木が一本寂しく立っている。落花は例年より遅かろうと思っているが、五輪のため、その開花期を延長したのだろう。



注:1)詠み方:ゆうだちか こころのとりや すへかえる
  2)夏の季語:夕立。
  3)天気予報によると、首都は夕立のおそれがある。そのため、人々の心の鳥は巣に帰るのだろうか。鳥の巣:国家体育センターの名。



注:1)詠み方:あさがおや こよなくふけば ごりんびか
  2)秋の季語:朝顔。中国語で「喇叭花」ともいう。そのため、吹くというのを使った。
  3)朝顔はこよなく咲き出して、花は喇叭のように、何かの曲を演奏しているようである。五輪を祝うだろうか。


注:1)詠み方:きうふるや ごりんまつわが こころかな
  2)晩夏の季語:喜雨。
  3)五輪を待つ心はなんと喜ぶことだろう。

母に送る二句

2008年08月07日 18時29分00秒 | 俳句和歌

家の母は毎日かわらず、きっと6時に起きる。辺りの八百屋さんに行って野菜などを買ってから、台所で忙しく朝ごはんを用意し始める、母の朝。
(あたらしき たまねぎきるや ははのあさ)


曙の時分に、撒水車に付くラッパから、母を歌うメロディで目覚めた。久しぶりの撒水車だった。それに、「世に母が一番良い」という懐かしいメロディ。
(あけぼのの さんすいしゃかる ははのうた)

西瓜の句

2008年08月05日 22時34分30秒 | 俳句和歌


注:1)夏休みを活かす方法はいろいろある。僕の場合では画像ソフトに熱中しているようになった。
  2)西瓜は家族みんなの好物なので、うちの夏になくてはならない果物である。
  3)もともと西瓜の皮に波線のような模様が引かれ、ちょっと画像ソフトで輪郭を立体的にした。地球の夏、森の夏、海の夏、緑の夏を過ごしたいものである。

愛の種

2008年07月31日 11時09分48秒 | 俳句和歌
垢拭くや細事に埋める愛の種芽生えは何時ぞ七つ目の春
あかふくやさいじにうめるあいのたねめばえはいつぞななつめのはる



注:1)結婚した友の話してくれた悩みなどを基にして書いたものである。
  2)結婚してからの七年目がとても危険な節目だとよく言われる。日本語にあるかどうかは知らぬが、中国語でそれを「七年之痒」と言い、婚姻倦怠期に入った二人の心の有様を生き生きした言葉であろう。

桃の句

2008年07月23日 23時19分12秒 | 俳句和歌
桃の花去年見し人の来るを待つ

(ある画像ソフトで画質を古くしたが)

 これは三月八日に青秀山へ遠足した時に取った写真です。その日の日記に以上の一句を書き込みました。しかし、写真はずっと班長さんのカメラにありました。今日やっと僕に送ってくれました。班長、有難う!
 俳句の話になると、他のことを書くのは逆に余計になりがちなので、まずこの辺で。

海鴎

2008年07月20日 02時37分26秒 | 俳句和歌
南から海鴎の手紙開く時
みなみからかもめのメールひらくとき

 7月17日午後、浙江省気象庁は台風警報を発表した。予報によると、台風7号「カルマエギ(中国語訳は海鴎)」が18日夕方から19日午前にかけて浙江省沿海部に上陸し、その後北上するという。浙江沿海地区の住民達は、台風対策に追われた。(新華社)
 午前11時、浙江省にいる親友が携帯にメールを送ってきた。台風7号「カルマエギ」が来たという。夏の風物詩なる台風には美しい名前がある。今回のはカルマエギで中国語訳は海鴎である。鴎は元々冬の季語として使われるが、此処に台風の代わりに書くから、夏の雰囲気が感じられるのだろうか。
 日本の学校唱歌にあたるかと考えられるが、我が小学生時代に「海鴎」という唱歌があったものだ。ちょっと訳してみる。
              
                 海鴎
                 かもめ

 1、海鷗海鷗我們的朋友,海鷗我們的好朋友,當我們坐上艦艇去出航,你總飛在我們的船前船後。你扇動著潔白的翅膀向我們,快樂地招手。海鷗海鷗,我們的朋友,海鷗我們的好朋友。

 鴎や鴎 我らの友よ 良き友よ。艦艇の 辺(あたり)を飛ぶよ 出航(しゅっこう)しよう あちこち飛ぶよ 白翼(しろきつばさ)を 伸ばして飛ぶよ 鴎や鴎 我らの友よ 良き友よ!

 2、海鷗海鷗我們的朋友,海鷗我們的好朋友,你迎著驚濤駭浪去飛翔,在風浪裏和我們一起遨遊。看艦艇前,飄動的隊旗,在向你,熱情地招手。海鷗海鷗我們的朋友,海鷗我們的好朋友。

 鴎や鴎 我らの友よ 良き友よ。大波に 向かって飛ぶよ 我らと伴に あちこち飛ぶよ はためく旗が 君に手振るよ 鴎や鴎 我らの友よ 良き友よ!

 一生懸命に5・7調に沿って磨いたが、それでも訳出不能の部分がかなりある。翻訳は難しいものだ。