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人間は、物です。
人間の体は複雑です。
でも、高校時代に習った元素でできています。
水(水素と酸素)、炭素、窒素、ほか微量。
■参考サイト:《人間の体と元素》「Kirin-Plats」
まぎれもなく「物質」です。
いま、僕の指先が叩いているキーボードも、
プラスティックですから「物質」です。
僕が使っている事務机もイスも、
ライトボックスも、その上にあるビニールマットも、
すべて「物質」であって、
僕という人間と同じ仲間です。
人間の体は、どんどん新しい物質を取り入れて、
古い物質を捨てています。
それが、新陳代謝です。
器があって、中身が入れ替わるのとは違います。
骨や皮膚ですら、どんどん入れ替わっているのです。
じゃあ「自分」という確かなものは、どこにあるのでしょうか。
僕は、これって何かに似てる!と思いました。
学校の部活動です。
例えば野球部。
毎年、3年生が卒業して新1年生が入ってきます。
固定されたメンバーはおらず、常に、どんどん流動的に入れ替わっています。
入れ物もありません。
あるのは、「自分たちは野球部である」という意識だけ。
そういう形にならないものだけが
「野球部を証明するもの」として代々引き継がれているのです。
常に流動的にメンバーが入れ替わっている野球部と、
常に流動的に構成物質が入れ替わっている自分…。
まったく同じです。
「自分」って何なんでしょう。
どこにも存在しないのではないだろうか、という気にもなってきます。
ただ、「自分はここにいる」そういう意識だけが、
僕自身を存在させているものなのかも知れません。
僕らは、生まれた時から「自分」という意識は、
ものすごく強く持っています。
記憶喪失になっても、自分が誰であるかという記憶だけは
ほとんどの人が忘れることは無いという話も聞きます。
それほど大切な情報なのでしょう。
野球部員が、
「俺たち、本当に野球部だっけ?」
と疑い始めたとたんに、
その集団は、野球部ではなくなります。
「自分」って何だっけ?
「自分」という時の「本体」は、いったいどこにある?
脳かな…。
でも、脳だって、どんどん物質が入れ替わっているんです。
やっぱり、「自分であるという意識」としか言いようがありません。
アニメ映画『攻殻機動隊~GHOST IN THE SHELL』では、人類は、
「擬体」と呼ばれる機械の体に人間の脳を移植して、
半永久的に動き続けることができるようになっていました。
「シェル(殻)」に入れられた「幽霊」…。
人間の、本当の正体とは、
まさに幽霊のように、フワフワとした物なのかも知れません。
以上、駄文でした。





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