あおしろみどりくろ

楽園ニュージーランドで見た空の青、雪の白、森の緑、闇の黒の話である。

レベル1

2020-06-23 | 日記
ニュージーランドではロックダウンのクラス分けをレベル1からレベル4の4段階で表す。
これはシンプルで分かりやすいシステムであり、統一されている。
今はどのレベルであり、レベルが変わるとどのように生活が制限されるのか、政府がはっきりと発表してきた。
ロックダウン中も大した混乱もなく、社会のシステムがうまく廻ったと思う。
「なんだよ総理大臣よお、何やってんだ、おめえは」と思うことなく
「ああ、総理大臣よくやってるよね、ありがとうよ」と思った。
色々なストレスが無い環境なら病気にもならないわな。
よそと比較しても何も始まらないが、ロックダウンをこの国で過ごせてよかったと思う。
そして先日発表されて、その日の晩からすぐにレベル1になった。
この速さも天晴れ。
国境封鎖、ロックダウンも速かったが解除も速い。
今の自分たちを見つめて、何が大切で何が不必要か分かって行動するとこういうことになるのだろう。
具体的にどう変わったというと、国境は閉まったままだが、それ以外は制限なし。
集会もスポーツもできる、元の生活レベルに戻ったということだ。
当たり前であることの有りがたさは、そうでない非常事態があるからこそ感じるものだ。
健康な時は健康であることの有りがたさに気がつかない。
怪我とか病気になって初めて健康であることの大切さを知る。
普通に友達と会って酒を飲める状況、お店にブラリと入って買い物ができる状況、気に入った店で飲み食いできる状況。
当たり前のことに感謝を忘れてはいけない。
矛盾するようだが、感謝とはするべきことというより、自分の内側から湧き出る感情だ。
そういう心もちで生きていきたいものである。

そうやってこの国の中では落ち着いて生活ができるようになった。
めでたしめでたし、で終わらないのが世界情勢である。
この鎖国からどう開国にもっていくのか、という問題がある。
小さい社会だからできることでも、社会が大きくなると色々なことが複雑化して物事が前に進まなくなる。
足を引っ張るやつはどの世界にもいるし、無意識のうちにそうなっている人もいる。
裏で人を操る人もくいるが、そういうのは表に出てこない。
これは大きな陰謀の話でなく、身近な社会でもある話だ。
「みんなが言ってるよ」と言って噂を広める奴はどこにも存在する。
それはさておき、これから国境がどうやって開くのか、観光業に携わる者としてはおおいに気になる話である。
ニュージーランドの国内で完結してしまったような状態なので、よけいに難しいことだろう。
過去の地震の時に、仕事が全て無くなって思った。
旅行とは出発する元と行く先、両方が安定していて初めて成り立つものなのだと思い知らされた。
逆に言えば社会が混乱している状態では、農業や漁業などが最優先。
そりゃそうだ。人間に限らず、動物は何かしら食わなきゃ生きていけない。
生産、物流、販売、その他諸々があり、旅行業は最後の最後に回される、そういう宿命だ。
まあそれを選んだのも自分なので、いたしかたあるまい。
大阪で言えば、しゃあないやん。
静岡弁だと『しょんない』なのである。
以前出会った大阪のおっさんと意気投合して教えてもらった言葉がこの『しゃあないやん』
コロナで仕事が無くなるのも、しゃあないやん。
とても都合の良い言葉だが、その裏には二通りの生き方があると思う。
全てを運命のせいにして、自分で何もせずにただ「しゃあないやん」と言って生きるか。
自分のやるべきことをやり、全ての物事には意味があると知りつつ「しゃあないやん」と生きるか。
人事を尽くして天命を待つ、ということだな。
常に後者でありたいと思っている。
今やうちのバンドの持ち歌にもなった『なすがままにしなさい』も同じような意味を持つなあ。
なすがままにあるがままに、でもやるべきことはやろうよ、そういう唄だ。
とにもかくにも行動ありき。
やることはなんでもいい。
その行動の先に未来がある。
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