醗酵生活
2021-06-14 | 日記
醗酵という難しい漢字を使ったが発酵の話である。
発酵は菌の力で色々な物が変わる化学変化であり、日常にあふれている。
パン、チーズ、納豆、漬物、味噌、と言った食品から、ビール、ワイン、日本酒などのお酒なども全て発酵。
僕らが豊かな食生活をおくれるのは菌のおかげなのだ。
そして物が腐ったりカビたりするのも発酵。
人間にとって都合が良い物も悪い物も自然界に存在する。
それを知ることにより人類は質の向上を目指し、菌の育成に励み生活を営む。
と書くと何か小難しい話に聞こえるが、なんてことはない美味い物を食いたいがために、あれやこれややるということだ。
菌の力で発酵する、と一口に言っても菌の種類は千差万別。
空気を必要とする菌もあれば、空気が要らないという嫌気性の菌もある。
また光を好む菌もあれば、ドラキュラのように暗いのが好きな菌、どっちでもいーよという菌もある。
そして発酵の温度も寒いのから熱いのまで、これまたいろいろある。
まあ基本的に人間の生活上にあるものだから極端な物、例えば「あたしは摂氏100度以下の環境では生きていけません」などという菌は宇宙のどこかにあるかもしれないが身の回りにはないはずだ。
そういえば以前聞いた面白い話では、納豆菌宇宙人説。
納豆菌は発酵の時には空気が必要だが、胞子の状態ではプラスマイナス100度の温度でも真空状態でも1000年以上は死なない。
「1000年って誰が見たんだよ」とか「菌って状態ですでに宇宙人という人じゃあないだろ」とかそういう声は無視無視。
そんな納豆菌のご先祖様が何億年も前に隕石にくっついて地球にやってきて、そのおかげで僕らが納豆を食ってるなんて考えたら楽しい話じゃないか。
これでもまだ「そんな話は非科学的でけしからん」などという夢もロマンも想像力も知性のカケラも無いやつはこのブログ読むな!
話がそれた。
それぐらいに菌にはいろいろあるんだ、ということだ。
菌の性格を知り、菌が快適に過ごせるような環境を作ってやることで菌が増え、美味しい物ができる。
最近始めた発酵食品は糠漬け。
日本の製品だが糠はニュージーランドでも売っていて、それで始めてみた。
昆布だの唐辛子だのを入れて毎日かきまわす。
たいして難しいものではないが、糠床のポイントは毎日かき回さなくてはならない。
これだけのことだが、うっかり忘れるとダメになってしまう。
なので我が家では常に目に触れる所に置いておく。
始めて数ヶ月、味が馴染んで美味い漬物ができるようになった。
これの良い所は畑で取れた小さい大根や人参も使える。
小さく曲がりくねった人参や大根は料理に使うには面倒だが、そういった物も無駄にすることなく使える。
子供の頃に家で母親が作っていて、その時にはあまり好きではなかったが、年を取ると好みも変わっていくのだろう。
親にこれを食べさせてあげられないのが残念だ。
もう一つ、我が家の定番となったのがザワークラウト。
キャベツの千切りを塩もみして瓶で発酵させる。
使う物はキャベツと塩だけだが、これが美味い。
ポイントはできるだけ空気に触れないことで、これまた簡単にできる。
キャベツの葉っぱにはもともと乳酸菌が付いていて、この乳酸菌がお腹に良い。
たっぷり食べると翌日スッキリとウンコが出る。
ウンコは最大のデトックス、排毒作用なのだ。
ウンコがスッキリ出ると気持ちが良い。
これは人間に限ったことではなく、犬のココが散歩で大きなウンコをした後は「あー、スッキリした」という顔をする。
犬にも表情はあるのだ。
快食快便の話ではなくザワークラウトの話だ。
作り置きができるものだから、今年はキャベツを植える時期をずらしながらも大量に育てた。
野菜というものは一斉にできるものだから、いつもはキャベツなぞ収穫の時期を逃して花が咲いてしまう。
家庭菜園での野菜作りはただ作れば良いというものではなく、収穫、消費、保存、そういった一連の仕事なのだ。
ザワークラウトで乳酸菌が発酵した酸っぱさは、お酢の酸味とは一味違う。
ソーセージと一緒にパンに挟んで食うのが一般的だが、これが意外と和食にも合う。
締め鯵の上にたっぷり乗せて、熱々のご飯と共に食うのがいける。
もちろん洋食にも中華にもインドカレーにも合う。
材料がキャベツと塩だけだから何にでも合う。
月桂樹とか唐辛子とかスパイスとかいろいろ入れるレシピもあるが、そうすると和食に合わなくなるだろうな。
庭で赤キャベツを育てて、それで作ったら紅ショウガみたいなザワークラウトができた。
漬物のように、普段その辺にある菌を使うものもあるが、特定の菌を利用するものもある。
パンやピザ生地、それにビール作りにはイースト菌が欠かせない。
ビールを作り始めて何年か経つが、毎年冬になる頃には発酵温度の低いラガーを仕込む。
エールのイースト16度から22度ぐらいの間で発酵するが、お気に入りのボヘミアンイーストは8度から14度と低い。
低音でゆっくりと醸造するにはこれからの季節だ。
日本酒を冬に造るのと同じ原理だ。
ビールも本来ならずーっと同じ温度で発酵させるのが理想だろう。
確かに金をかければそういう道具も売っている。
でも趣味の世界でそこまでしなくても、自分で満足がいくビールができるのでほどほどのところでやっている。
こういった発酵食品と末長く付き合うコツは、適度ないい加減さだと思う。
あまり四角四面にやると疲れてしまう。
かと言ってズボラ過ぎるのもうまくいかない。
時には繊細に時には大胆に、何事もほどほどに菌と付き合うのが良かろう。
これは人間関係も同じだな。
バランス、中庸というものが大切なのだろう。
我が家で発酵しているのは食品に限ったものではない。
EMというものを発酵させて、ニワトリのエサとかトイレ掃除の洗剤とか野菜の肥料などを作っている。
ボカシという言葉を聞いたことがあるかもしれないが、発明者は琉球大学の教授だ。
色々な菌を使い、人間にも動物にも環境にも良いものを作って使おうというものだ。
ボカシを作り始めてから我が家では生ゴミが一切出なくなった。
台所の生ゴミのうち、ニワトリが食べられるものはニワトリのエサになるし、それ以外は堆肥となる。
コンポストの場所を整備したのもあるが、庭の落ち葉や雑草や芝生を刈ったものも含め、全て庭の片隅で堆肥にする。
クライストチャーチでは、生ゴミも含め土に帰る物は全て緑のフタの容器に入れて週1回、回収してくれる。
これを全く出さないということは微力ながらも社会の役にも立っていると言えよう。
ボカシを使うと分解の速度は速く、その量も多い。
微生物も多く、ミミズなどがウジャウジャいる。
自分の庭で分解そして生産から消費まで、一連のサイクルになっているのが嬉しい。
こうやって僕らは菌の力を借りて、菌と共に生きている。
今も部屋の片隅ではビールの樽から、コポコポと心地よい音が聞こえる。
菌は僕らが寝ている間も遊んでいる間も働いてくれる。
嗚呼、菌たちよ、ありがたや、ありがたや。
発酵は菌の力で色々な物が変わる化学変化であり、日常にあふれている。
パン、チーズ、納豆、漬物、味噌、と言った食品から、ビール、ワイン、日本酒などのお酒なども全て発酵。
僕らが豊かな食生活をおくれるのは菌のおかげなのだ。
そして物が腐ったりカビたりするのも発酵。
人間にとって都合が良い物も悪い物も自然界に存在する。
それを知ることにより人類は質の向上を目指し、菌の育成に励み生活を営む。
と書くと何か小難しい話に聞こえるが、なんてことはない美味い物を食いたいがために、あれやこれややるということだ。
菌の力で発酵する、と一口に言っても菌の種類は千差万別。
空気を必要とする菌もあれば、空気が要らないという嫌気性の菌もある。
また光を好む菌もあれば、ドラキュラのように暗いのが好きな菌、どっちでもいーよという菌もある。
そして発酵の温度も寒いのから熱いのまで、これまたいろいろある。
まあ基本的に人間の生活上にあるものだから極端な物、例えば「あたしは摂氏100度以下の環境では生きていけません」などという菌は宇宙のどこかにあるかもしれないが身の回りにはないはずだ。
そういえば以前聞いた面白い話では、納豆菌宇宙人説。
納豆菌は発酵の時には空気が必要だが、胞子の状態ではプラスマイナス100度の温度でも真空状態でも1000年以上は死なない。
「1000年って誰が見たんだよ」とか「菌って状態ですでに宇宙人という人じゃあないだろ」とかそういう声は無視無視。
そんな納豆菌のご先祖様が何億年も前に隕石にくっついて地球にやってきて、そのおかげで僕らが納豆を食ってるなんて考えたら楽しい話じゃないか。
これでもまだ「そんな話は非科学的でけしからん」などという夢もロマンも想像力も知性のカケラも無いやつはこのブログ読むな!
話がそれた。
それぐらいに菌にはいろいろあるんだ、ということだ。
菌の性格を知り、菌が快適に過ごせるような環境を作ってやることで菌が増え、美味しい物ができる。
最近始めた発酵食品は糠漬け。
日本の製品だが糠はニュージーランドでも売っていて、それで始めてみた。
昆布だの唐辛子だのを入れて毎日かきまわす。
たいして難しいものではないが、糠床のポイントは毎日かき回さなくてはならない。
これだけのことだが、うっかり忘れるとダメになってしまう。
なので我が家では常に目に触れる所に置いておく。
始めて数ヶ月、味が馴染んで美味い漬物ができるようになった。
これの良い所は畑で取れた小さい大根や人参も使える。
小さく曲がりくねった人参や大根は料理に使うには面倒だが、そういった物も無駄にすることなく使える。
子供の頃に家で母親が作っていて、その時にはあまり好きではなかったが、年を取ると好みも変わっていくのだろう。
親にこれを食べさせてあげられないのが残念だ。
もう一つ、我が家の定番となったのがザワークラウト。
キャベツの千切りを塩もみして瓶で発酵させる。
使う物はキャベツと塩だけだが、これが美味い。
ポイントはできるだけ空気に触れないことで、これまた簡単にできる。
キャベツの葉っぱにはもともと乳酸菌が付いていて、この乳酸菌がお腹に良い。
たっぷり食べると翌日スッキリとウンコが出る。
ウンコは最大のデトックス、排毒作用なのだ。
ウンコがスッキリ出ると気持ちが良い。
これは人間に限ったことではなく、犬のココが散歩で大きなウンコをした後は「あー、スッキリした」という顔をする。
犬にも表情はあるのだ。
快食快便の話ではなくザワークラウトの話だ。
作り置きができるものだから、今年はキャベツを植える時期をずらしながらも大量に育てた。
野菜というものは一斉にできるものだから、いつもはキャベツなぞ収穫の時期を逃して花が咲いてしまう。
家庭菜園での野菜作りはただ作れば良いというものではなく、収穫、消費、保存、そういった一連の仕事なのだ。
ザワークラウトで乳酸菌が発酵した酸っぱさは、お酢の酸味とは一味違う。
ソーセージと一緒にパンに挟んで食うのが一般的だが、これが意外と和食にも合う。
締め鯵の上にたっぷり乗せて、熱々のご飯と共に食うのがいける。
もちろん洋食にも中華にもインドカレーにも合う。
材料がキャベツと塩だけだから何にでも合う。
月桂樹とか唐辛子とかスパイスとかいろいろ入れるレシピもあるが、そうすると和食に合わなくなるだろうな。
庭で赤キャベツを育てて、それで作ったら紅ショウガみたいなザワークラウトができた。
漬物のように、普段その辺にある菌を使うものもあるが、特定の菌を利用するものもある。
パンやピザ生地、それにビール作りにはイースト菌が欠かせない。
ビールを作り始めて何年か経つが、毎年冬になる頃には発酵温度の低いラガーを仕込む。
エールのイースト16度から22度ぐらいの間で発酵するが、お気に入りのボヘミアンイーストは8度から14度と低い。
低音でゆっくりと醸造するにはこれからの季節だ。
日本酒を冬に造るのと同じ原理だ。
ビールも本来ならずーっと同じ温度で発酵させるのが理想だろう。
確かに金をかければそういう道具も売っている。
でも趣味の世界でそこまでしなくても、自分で満足がいくビールができるのでほどほどのところでやっている。
こういった発酵食品と末長く付き合うコツは、適度ないい加減さだと思う。
あまり四角四面にやると疲れてしまう。
かと言ってズボラ過ぎるのもうまくいかない。
時には繊細に時には大胆に、何事もほどほどに菌と付き合うのが良かろう。
これは人間関係も同じだな。
バランス、中庸というものが大切なのだろう。
我が家で発酵しているのは食品に限ったものではない。
EMというものを発酵させて、ニワトリのエサとかトイレ掃除の洗剤とか野菜の肥料などを作っている。
ボカシという言葉を聞いたことがあるかもしれないが、発明者は琉球大学の教授だ。
色々な菌を使い、人間にも動物にも環境にも良いものを作って使おうというものだ。
ボカシを作り始めてから我が家では生ゴミが一切出なくなった。
台所の生ゴミのうち、ニワトリが食べられるものはニワトリのエサになるし、それ以外は堆肥となる。
コンポストの場所を整備したのもあるが、庭の落ち葉や雑草や芝生を刈ったものも含め、全て庭の片隅で堆肥にする。
クライストチャーチでは、生ゴミも含め土に帰る物は全て緑のフタの容器に入れて週1回、回収してくれる。
これを全く出さないということは微力ながらも社会の役にも立っていると言えよう。
ボカシを使うと分解の速度は速く、その量も多い。
微生物も多く、ミミズなどがウジャウジャいる。
自分の庭で分解そして生産から消費まで、一連のサイクルになっているのが嬉しい。
こうやって僕らは菌の力を借りて、菌と共に生きている。
今も部屋の片隅ではビールの樽から、コポコポと心地よい音が聞こえる。
菌は僕らが寝ている間も遊んでいる間も働いてくれる。
嗚呼、菌たちよ、ありがたや、ありがたや。
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