あおしろみどりくろ

楽園ニュージーランドで見た空の青、雪の白、森の緑、闇の黒の話である。

山男の家

2015-11-16 | 日記
夏が始まった。
始まったと同時に忙しくなったのでブログの更新もままならない。
今年は行き当たりばったりで何も決めずにクィーンズタウンに来て、ボス(と呼ばれるのを彼は嫌う)の家にしばらくやっかいになり、数日でフラットが決まった。
家主のサトシは元ガイドの山男で何年も知っている仲なのでなにかと話しは早い。
男の一人暮らしの家は木を基調とした山小屋風の作りで、インテリアは流木とか川で拾ってきた石とかが無造作に置いてある。
こぎれいな部屋は適度な乱雑さで、汚れ過ぎず潔癖すぎず、そのバランスがよい。
キッチンの隅の自家製ビール醸造キットがコポコポと音をたてている。
この音を聞くのが好きだ。
サトシが作ったビールがガレージにどっさりあるのが嬉しい。
去年作ったビールも旨かったが、今年の夏はどんなビールを作ろうか。楽しみだな。
家の裏は斜面を上手く利用して畑もある。
それこそ限られた環境で上手く野菜を作るのは百姓のDNAがなせる技だ。
サトシにとっても彼が留守の間、畑の面倒を見てくれる人は助かる。
コンポストもちゃんとやってる。フムフムこういう仕組みか。
庭を見ればその人がどのくらいの力をいれてやっているか良くわかる。
えらそうな事を言って行動を起こさない人の庭は見ればすぐに分かる。
DVDの棚にはストーンズをはじめニールヤング、U2、REMなど、音楽のセンスは合わないより合う方が良いに決まってる。
ここへ来た初日の晩に酔っ払って、ビートルズよりストーンズが良いということについて語り合うような深さで音楽センスが合うと素直にうれしい。
天気の悪い日はブルースブラザースでももう一度見ようかな。
壁には山の写真とレトロなスキーのポスター。
本棚には山の本と地図がほとんどで、好みが分かる。
サトシもギターを弾くので、アコースティックギターが僕のを入れると2本。
部屋の隅にはザックなどの山用具が無造作に置かれ、真ん中の暖炉の前でお香も焚く。
キッチンのフライパンは重たくて実用重視。
包丁は良く研いであり切れ味抜群のナイフが一本。
シンプルだが必要なものは全てある。
自分も、もし一人暮らしだったらこんな感じだろうな、というような空間は心地よい。

こんな感じで僕の夏が始まった。
今年もまた面白そうなことがありそうな気配がバンバン来る。
クィーンズタウンに来る前は大丈夫かな?という不安も多少あったが、その不安よりも強く「大丈夫、なんとかなるさ」という想いが強かったので自分を信じてみた。
そして今、夕方の山を見ながらサトシのダークビールを飲んでいる。
過信して散漫になるのは良くないが、もっとみんなも自分自身を信じてもいいと思う。
常に高い意識を保ち、瞬間ごとにやるべきことをする。
やるべきことをする、これとても大切ね。
そうすれば・・・みんなうまくいくさ。


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