激しいキーボードの奥に

2015-02-08 08:53:32 | 日記
先日、図書館で
椅子に座って静かに読書をしていたところ
すぐ近くの席に座っいる人が
親の敵のような勢いで、パソコンのキーボードを叩きながら
作業に没頭し始めました。

それがもう
「お前はハードロックのドラマーか!」とツッコミたくなるくらい
バチバチバチバチバチバチバチバチと
うるさくてしょうがないものだから
すっかり読書に集中できなくなってしまいました。

しかし、周りをグルリと見渡してみても
迷惑そうな顔をしたり、ガンつけたりしている人は
一人もいません。

あれ?迷惑に感じているのはワタシだけ・・・?(*_*;)

ならばしょうがない。
いちど気になりだしたから、ついずっと気になってるだけで
実はそんなにうるさくない程度の音量なのかもしれないね。
ワタシだって生活音まきちらしながら生きてるし、お互い様だ。

そう謙虚に考えて、自分の読書に戻ろうとしました。

・・・しかし。

バチバチバチバチバチバチバチバチ
相変わらずキーボードの乱打は止まらず
静かな室内中に響きわたっています。

どうしよう。さすがにちょっと注意しようかしら。
もしくは、図書館のスタッフさんに注意してもらおうかしら。

でも、この人にだって図書館でパソコン作業をする権利はあるし
こんなことで目くじらたてるのは大人気ないし・・・。

散々迷うことしばし。

しかしそうしている間も、キーボードの音は止まる気配はありません。

とうとう耐え切れなくなり
その人のお席まで行って、そっと注意喚起しました。

そしたら、その人もハッと気がついたようで
その後は極めて静かになりました。




何だ、こんなに簡単なことなら
グズグズ迷ったりせずに、もっと早く声をかければよかったわ。

何だか、ほっとした反面、肩透かしな気分になりました。

あれ?・・・ちょっと待てよ。
肩透かしをくらうということは
ワタシ、もっと悪い事態になると思ってたの?

改めてよくよく考えてみると
「キータッチの音を静かにして下さい」と声をかけることで

・相手が怒り出す
・嫌~な顔をされる
・まるっきり無視される

などの反応をされて
自分が動揺したり、傷ついたり、カチンときたりといった
不愉快な気持ちになることを、恐れていました。

別に全然大したことじゃないのにね。

相手がキレだして、収集できない事態に発展したりなんて
可能性ゼロではないものの、限りなくゼロに近いことまで想像してたわ。
(自分では全然意識してなかったけど)

それなのに、人間の脳とはよくできたもので
そんな自分の臆病さを隠すために
「ワタシが神経質すぎるかも」と謙虚に受け止めたり
「うるさいのはお互い様だし」と大人ぶってみたり
無意識のうちに、次々に言い訳を生み出していたのです。
すごいなー。



自分が何を怖がっているかに気付き、よくよく考えれば
別にそんなに怖がる必要はないじゃんと笑い飛ばせるのですが

自分が何を怖がっているかに気付いたものの
それについてよくよく考えることが怖くて
考えることをやめる方が、もっと怖い。

さらに怖いのは、自分が何を怖がっているかに気付かないこと。

これからは、日常生活の中で感じる「怖さ」について
もっと意識的になろうと思いました。




P.S.
ちなみに、ワタシの大好きな
完全なる没頭っぷり、天然で自由奔放でキチガイ的な
Glenn Gould氏のキーボードさばき。

ネ申!!
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