流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

氷菓 16話 を語る

2012-08-07 22:20:09 | <氷菓>


里志の道。
前回からやる気満々で犯人探しに没頭する里志。
そして里志の歩先に同じように並ぶ探偵たち、
というのが強調されるようなカット割りかもなと。
ポスターを見る里志のバックの道、
俯瞰での説明に目の前の探偵たち、と。
そういうのが引っかかるアバンだったかなと。
あと万人の死角がやたら文化祭の飾り物として目立ってる気がするので、
これも何かあるのかと邪推してしまうかなと。



今回は壁貫して奥行きを潰したような平面的な部分も目立ってたかなと。



これだけ見ると目瞑ってる子が全部悪いようにも見える。
悪意が偶然形になってしまった不運みたいのを感じるというか。
程度の問題かもしれないけど、
服を汚そうとしていたことには違いないわけで、
誰の目にも明らかな形でそれが現れ、
事故として処理されるのか、故意にやったことを咎められるのか、
なんか全員が固まっていることが逆にそんな妄想を掻き立てててくる感じ。
普通に考えれば、事故。でも故意でもあった。そんな狭間。





作画の判別は耳だと京アニさんがおっしゃってます。



奥行きを潰した画が目を引くせいか、
こうして別のアングルから立ち位置を見せることで、
また変わった印象があってインパクトありましたね。
イマジナリーライン超えての意外性もあるか。
折木を攻める目線っていうのを繰り返し強調する感じで、
その雰囲気にやきもきさせられる。
折木を中心に全員が空回りを始めてる感もあり、
そういう話のあり方にやきもきさせられる回だったなと思います。







卑猥な話の逆光から徐々に印象づけられる光の使い方が印象的でした。
里志の暗部を見せる際にも影を落として見せたりもしていましたが、
折木の語りはそれとはまた別の文脈で2人の姿を黒く塗りつぶす。
事件そのものへ探究心、
それがまた空に置き換えられてるのに凄く打たれる描写だったなと。
坂本回だと綺麗なものの見せ方っていうのがあったように思うんだけど、
そんな事件へ折木の探究心をこうして里志の影を含めるような姿で見せる、
2人が求めているものは同一であるということを含めたような感じがまた気になる感じかなとか。



そして里志は最後に光の道を外れて折木に託す、と。
里志の歩みが印象的なアバンからの変化が見て取れて印象深かったです。
平面的な部分も目立っていたせいか、
折木と里志の距離もまたより印象的に見えたかなと。
女帝の回の立ち位置を思い出すとまた印象深い話数だったかなと思います。

脚本:西岡麻衣子
絵コンテ・演出:坂本一也
作画監督:高橋博行

坂本回。
やっぱ坂本回は凄いですね。
京アニで一番目立ってる演出家は坂本さんだと改めて感じる回でした。
ちょっと前までは泣きとか雨とかばっかりで、
坂本さんそればっかりやとか、なんか自分の世界に入ってる感が凄かったですが、
氷菓はまた違ったことされてて、また一味違った坂本さんで凄いなと。
千反田にあんな表情させることができるのは坂本さんしかいない!
とか無責任なこともガンガン口走りたくなってくる感。
文字演出なんかは間延びしてる感もしますが、作画的には省略になってるし、
ああいうのもまた今までとの差異を印象づける形なのかな。
これからもまた楽しみ。

そろそろバラバラだった話が繋がってきて、
折木の推理じゃないですがやきもきしてきた感があるので、
次回は話が進む感じだといいなぁ。
しかし今回出てきた小説の原作名の順番といい、
やっぱ数字というかを念頭に置いたルールが根底にはあるのかなと思ったり。
クリスティの引用もそうですが、そういうのは古典部的にはやっぱ正しい姿なのかな、
とかそんなことを思ったり。


2 コメント

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Unknown (shin)
2012-08-07 23:29:36
 光の道を外れて折木に託す、というところ、里志が力の差を感じて諦めたのかという感じがして、ちょっと可哀想な感じです。

 ほろ苦い群像劇を、どう一つにまとめるのか、まとめないのか、楽しみです。
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Unknown (流星の人)
2012-08-14 22:33:04
里志の描写はいきなりくるので、
正直重すぎる感じがします。

>ほろ苦い群像劇を、どう一つにまとめるのか、まとめないのか、楽しみです。

まとめないっていう視点が面白いですね。
自分もそういうところ、もう少し意識してみてみます。
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