流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

かげきしょうじょ!! 11,12話 を語る

2021-09-19 06:50:39 | ■アニメレビューとか

奈良っちだけもみあげ上げずに湯船に浸かってるので、
ちょっと気になってみてしまう。
他のキャラが髪を上げて印象が違う中でまたさらに違いが出てる感。


風呂上がりでスキンケアしてるところで前髪を上げてる姿から、
髪をおろしてさらさに向き合うのもちょっと気になる感。
今回はちょっと芝居が凝っていて目を引くシーンが多かったですね。
詳しく書いてる方がいたのでリンクをペタリ。


横顔については4話の表情や6話で先生に自分が教示されたことを語る愛の姿を思い出すと、あの辺からの引用、そして髪が伸びたことによる変容を意識させる部分として描いているのかなと感じたな。12話でのさらさの表情も一瞬そんな風に思えたけど見返したらそうでもなかった。


さらさが机から立って離れるところで机を尾を引くようになぞるの、
無意識のさらさの心情を見てしまうかな。
ロミオかティボルトかという悩みの中で答えは得たけれども、という。



愛の髪留めが描かれるのがあまりないので、ちょっと新鮮。


前髪が奥行きを意識させられてグッときたな。


さらさに教示をしたあとに見る愛の表情、
さらさ側からは見えないというのがポイントですかね。
母から習ったことをすっとぼけることで、
愛の中のわだかまりが解けていないことを描いているのかなという感。


空に手をかざす。
青い光がスポットライトの演出かのような。
キャッチーな画ですよね。
世界の美しさに満足できないというのは自分も以前意識していたので、
その辺を呼び起こされた気がしたな。



さらさという光に手をのばす愛。
それまでの回想から愛の姿の変化を印象づけるようでもあり。
自らを照らす光の中で役に入るのがグッとくるかな。
青空ではなく星空なのも愛の体験を元にしてる感じでよいですね。


再び演じるジュリエットは以前とは違った形でグッとくるなと。


モブの子が立ち上がる。
山田さんたちがちょっと大人しめでモブの子の眼光が強めなので、
ちょっと意識してしまう。
普通にかっこよくて好きです。




12話。
雨の描写が気になったかな。
いったい誰にとっての心情描写だったのか、みたいな。
落ち込んでいるのは彼だけど、
自分の好きな人が自分ではない人を好きになった山田さんの心情なのかとか。


隙間から見える青空。
彼が語る好きになった相手への感情は、
雲の隙間から見える青空のようなものだったのかな。
その奥に広がる青に惚れるというか。
それを描くための雨だったのかなみたいな。



オーディション前の山田さんと杉本さん。
山田さんが髪をかきあげて耳を見せるの、ちょっとエロティックだったな。
そしてあまりない髪を杉本さんもかきあげる。
この鏡のような見せ方で山田さんも杉本さんも同じだ、
というのを意識させるのが目を引いたかなと。




再び回想。
山田さんと明日香さん。
窓が空をかたどるように、水たまりが作り出す空。



水たまりに反射する明日香さんと映らない山田さん。
山田さんの裏表の無さ、
優しさを体現するような姿を描いているようでもあるのかな。
雨が何を描いていたのかという疑問の解にもなっている風でもある。
つまりは好きになった彼へ向けられる優しい表情こそ、
山田さんが持っている魅力なんだと、
その優しさは本当なんだと語りかけるための雨だったんじゃないか。
そういう風に思えるのが非常に新鮮だったな、と。
心情ではなくキャラクター性を浮かび上がらせる装置的な。


髪の長い山田さんめっちゃ好きだなぁという感。
なぜ髪切っちゃったのかは今後描かれるのかな。




髪の隙間から見える山田さんは明日香さんが思い描く形はしておらず。
空を縁取ることで空の一部を切り取ったように、
山田さんから見たい部分をすくい上げることができなかった明日香さんの図、
というのが切ない感じですね。

11話でさらさが空に手をかざしたように、
空にまつわる絵が続いていくのが個人的にグッときたかな。



教師陣。
内気な山田さんの才能に惚れ込む姿がはっきりと描かれていて、
そこにやっぱグッと来るものがあるのかな。
またそういう視点を他の教師から教え子に切り替えることで、
他のキャラの才能にスポットを当てるのが気になる感。
特に杉本さんは描写が少ないので、こういう部分で上げられたのがよかったな。


髪の描写を意識していると、
ここの杉本さんは何をかたどられているのか、みたいな感じになる。
今の所メインキャラの中ではミステリアスな部分を残したキャラなので、
こういう部分で強く役者として描写される姿にグッときます。



今回は兼用レイアウトが多々ありましたが、
教師陣がいる部屋はちょっと情報量多めの背景で、
なんかここだけちょっとしたリッチ感を感じてしまったかな。



船が徐々にこちらに近づいてきて停泊する。
そして停泊は男女の共同作業。
ちょっと示唆的な描写ですよね。


さらさの湧き上がる感情に呼応するかのような気泡。
そして空のように青い水。
空の青さではなく水に潜ることで見えてくるさらさ像というのが、
主役としての深みに触れられているのかなという感。
魚は3Dなんですかね。綺麗な水族館の絵にグッときたな。



黄色い魚が方向転換するの、さらさの髪がなびくことの代わり、
つまり風の代用しているようにも見えて、
そういう風に見せてるアイディアに惹かれるものがあったかな。


さらさは役をコピーするのはうまいですが、
さらさ自身で演じることはまだできない。
そういうのを端的に描いた反射の絵だったのかな。
8話でも反射は結構使われていましたが、
キャラクターごとに色んな見せ方があるんだなと思わされますね。


それまでやや暗めのさらさから一転。
カメラ位置を変えることでさらさの変化を印象づけてる感じだったかな。
なることができないものになることを決意することで、
歌舞伎との決別を語るのが印象深い。

さらさがどのようなティボルトを演じるのか楽しみです。

TVアニメ『平家物語』に関する所感 を語る

2021-09-03 19:32:29 | ■アニメレビューとか

第一報をTwitterで見かけたとき仰天した方も多いかと思います。
私もその1人です。

山田尚子さんが京アニではなくサイエンスSARUで新作を、しかも平家物語という古典を高野文子キャラデ原案(これだけでビッグニュース)でやると。しかも9月からFODで先行配信が始まると。

多くの方が京アニで新作を作ってくれるだろうと期待する中で、京アニに山田尚子がいないということを知るのは正直ショックを隠しきれません。

しかし山田さんがアニメーション制作に関わっているのか今の京アニの活動の中からは見えていなかったため、もしかしたら辞めてしまわれたのではないか、と考えたりもしていました。それほどショックな事件でしたし、京アニの山田尚子に期待する声が上がるのも、絶望的な状況に一縷の望みを託すような希望があったはずです。それを否定することはできません。私もそんなことばかりを考えておりました。

今回の報を見て、正直京アニから新作が出なかったことのショックより、まだ山田さんがアニメーション制作を続けられていることを知れたことに何より安堵させられました。新作が見れない辛さ、絶望感はこの2年で、いや今も味わっている最中ですが、痛いほど味わったので、望みが繋がったというこの安堵感に勝るものはありません。

また新作が『リズと青い鳥』を彷彿とさせられるようなカット群で非常に期待感が高まっています。何よりグッときたのが冒頭の花が咲いてポトリと落ちていく一連。



花が咲くも首元から落ちるという、命を落とすようなイメージを淡々と描く画の魅力、また花が卵が割れたかのように黄身と白身を描いているようにも映る。そして過去山田さんが演出されたヴァイオレット・エヴァーガーデン 5話のような、花が舞うことで漫符の代わりにするようなお茶目さがこのような鮮やかなイメージと変化したようで、ここに演出家山田尚子の変容を感じずにはいられませんでした。今までが美少女が出てくる作品を多く制作してきた山田さんがどのような作品を見せてくださるのか、非常に楽しみです。

また前日に自分がこのようなTweetをしていました。

『たまこまーけっと』12話の娘と父の描き方の対比をメダルと生き様で対比していたことをふと思い出してのことでしたが、私が山田さんへ寄せる期待より、その生き様を追うことが山田作品を追うということではないかと山田作品から、そして自分自身のTweetから思えたので、ただただその姿を追いたいと、今はそう思っています。

さっそくFODに入会したので、配信日が待ち遠しいです。