流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

氷菓 14話 を語る

2012-07-24 20:33:30 | <氷菓>


逆光。
室内の暗さ意識かなと最初思ってたけど、
切り返したときは普通に明るい画面になっているようにも見えるので、
強すぎる光を意識して意図的に暗く見えるようにっていう意識なのかな、とか。
今回伊原は光を背負って影を落とすっていうイメージが強かったな。

しかし今回の伊原は何もかもが中途半端な感じ。
啖呵切ったのに漫画は持ってこれないし、
ポスター作成は時間に追われて完成できずに
本当に出来たのかよくわからないまま教室飛び出すし、
おまけにかき揚げは揚げ足りない。
伊原は途中で投げ出す女、完遂できない女であると同時に、
できないというところに暗い影を落とす女でもある、
っていうのがある意味今回のテーマの1つだったのかなと思ったり。
実際学園祭に入ってから伊原は踏んだり蹴ったりな事が多いし。



天井模様。
なんかイリス先輩とのやり取りは色々カメラ振っててちょっと気になる感じ。
階段の通りを上から覗き込むように見せたりとか。
目の光の反射が綺麗で目立つなっていうのもあるけど、
この前後の千反田の伸ばした手をまた畳むところの芝居とか、
いつもよりクセの強い構図、芝居が目立ってきてちょっと新鮮だった。



着膨れするような丸さというか。
等身のバランスを意識させられる感じ。
前回の映画編のイリス先輩は手足も長く細く感じられる、
スレンダーでスマートなイメージがあったんですが、
この辺は千反田と対比するとそうでもないっていう太さを感じるというか。
足の描写なんかも強気と云うよりは迷いも感じられるし、
千反田のお手の押したり引いたりとか戸惑いも感じられる。
その前の手を出すところも強気の表情と言うよりは、
おもむろに手を出してみたっていう今までの表情とのズレを感じる部分もあって、
なかなかの異空間っぷりだなぁと見てて楽しかったな。
イリス先輩が立ち去るところで重なるように千反田がお辞儀する、
ああいう望遠での重なりの画なんかは千反田とイリス先輩の同化意識ってことなのかな。
あそこはカット割ってもあまり変化を感じない望遠の画っていうのも少し気になる感。
結構新鮮な画だったので。
今回は魚眼で空撮したりもしてたし、色々やっていたな、と。
俯瞰で廊下に映り込むような処理とか。
高雄さんの遺伝子きてるなーと思わずにはいられない。



ハイタッチ。
直前の伊原と里志の絵柄があまり見かけない感じだなーと思ったらこの辺も。
千反田の横顔とか腕を顔に重ねてからいきなり目の処理が変わってるように見える衝撃というか。
なんかまとまりとしては納得できそうだけどパーツには納得出来ない感じっていうか。
植野さんの作監作業が非常に気になる感じだな今回は。



モブの荒波を突っ切っていく伊原なんかもインパクトあってよかったけど、
この辺の傘の織りなす異次元感がまた新鮮だった。
今回は祭りの飾り付けだったり調理器具だったり、
1話の部活の張り紙のようにセルで置いてるっぽい画になってるけど、
この辺は誰も使わない、動かない傘っていうのを狙い撃ちしてインパクトだしてる。
伊原の影を落とす思いとか、コスプレした少女が会場に出ちゃう恥ずかしさとか、
天気、太陽の光を避けようとする仕草とか、
そういうのと対比させるようなアイテムとしての傘だったのかな、とか。





今回のポイントはやっぱ手だったのかなというふうに思います。
料理大会の司会が各部紹介してるところも手を大きく意識的な芝居をさせてましたけど、
この辺も井原の 焦りを強調するしたりとか、
里志の指立てというかその手の捻りに注目が集まる芝居だったりしますし。
伊原のダッシュも小指を若干立てるようにして走ってたりとか。
手のアクションっていうのはインパクトや芝居、
作画さんの個性とも思える色々なものが出てきて、
各部で作る料理が違うように部分部分で違う手に興味が湧く、そんな回だったなと思います。



この辺のおさげがクルクルしてるのとか可愛い処理だなぁ、と。
髪が揺れるっていうのは普通にある処理ですけど、
クルンっとなっているお下げが流れてまた輪を作り直すその揺れ具合というか、
変化を意識させるような髪の処理が面白いし可愛いなと。
こういうあざとさっていうのはもっとやって欲しいですね。



ちょっとずらしたような手の位置。
こういうのが気になるというか。
割りと正面口元で手を合わせる芝居ってよくやってますけど、
こうやって手を少しずらした時の可愛さっていうのをあまり伝わらない角度で見せる、
っていうのはどなたのアイディアなのか少し気にかかる感じ。

しかし今回の料理時の拝みもみだー!とか、
なんかやたら拝む姿を見せるキャラクターを揶揄しているようでもあるなと、
その辺の画づくりというか芝居との近さが少し気になる感じ。
これからはなんでこの人達拝んでるんでしょうって言ったほうがいいんでしょうか。



しかしこの折木はどこの澪ちゃんですか山田さん!みたいな。
映画けいおんのロンドン行きが決まってはしゃぐ澪を思い出す手ですねとわざわざ言いたくなるなと。
恥ずかしがる折木が女の子にしか見えません!みたいな。
内海さんが凄い少年的だったのにこっちは少女になってるよ!というか。
伊原、千反田が同じようなことしてるから余計にそう感じるわーみたいな。

なんつーか折木は伊原のスケープゴートにされた感がある。
時間内にちゃんと出来たっていう嬉しさは描けてて、
一応直前までの影を落とす伊原っていうのを払拭してるように見えるんだけど、
それがちゃんと解消されるのって言うのは優勝できてこそだとも思うんですよね。
伊原自身はまだ不満が残ってることを最後に呟くし。
その優勝でどれだけ救われるかっていうのを折木に引き受けてもらってる感がなきにしもあらず。
というか今回一番らしくないことをしたのは折木であって。
勝たないと一番らしくないことした折木が報われない。
だけど、優勝を告げれる前と後の伊原っていうのはやっぱり心境が一転してるような感じで、
そういう転換点を折木に捧げるようにして欺かれたような感はあるかな、と。
優勝できた途端、あー私まだ不満あるわ~全力じゃなかったわ~的なこと言い出すし。
映画の件で最初に手を出したのは伊原だったし、
そういう繋がりなんかも意識してるのかなーとか。
まあどうでもいい話。

脚本:村元克彦
絵コンテ・演出:山田尚子
作画監督:植野千世子

いやー山田回だったなと。
あのハロウィンやってた2人組とかどう考えてもけいおん!のオカルト研だよーみたいな。
でもやっぱ気になるのはまとまってるようでバラついてる作画かな。
植野さんの回でここまで引っかかる回っていうのはあまり無い気がしたのですごく新鮮だったな。
スタッフコメとか気になる感じ。
今回は伊原がかき揚げあげるところだったりをマルチアングルとスロウで強調して見るような感じだったり、
キメに来るようなところとかもグッときたけど、
そこにまた影を落としたりして一味付けたりと、色々やってた回だったかなと。
モブの子もなんか色々拘ってそう。お菓子持ってる子の頭についてるやつとか。
漫研にあった鏡の小物とかetc。
やっぱ文化祭編に入って折木視点っていう縛りがないせいか、
結構色々弾けててこれが祭りかぁなんて思ってたり。
ようやく事件っぽい?ものも始まるようなので次回も楽しみです。


3 コメント

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Unknown (shin)
2012-07-25 19:59:14
 今回の、お手のところとか、奉太郎の声が聞こえた耳の良さとか、以前の鼻がいいところとか、えるはまるで犬ですね(笑)。

 摩耶花の中途半端さ、本来はそんな娘ではないと思っていたのですが、時間の制約の中での優先順位の付け方のまずさは、まだ若いということかなあ。

 わらしべ長者は、小麦粉の先もあるのかと思っていたら、料理に使われておしまいとは、ちょっと残念でもありますが、日常系アニメとしては大袈裟にならなくて良かったのかなあ。
 
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Unknown (八雲)
2012-07-25 20:26:33
初めまして。

>ポスターは時間に追われて完成できずに教室飛び出すし、

麻耶花が線画担当、
河内先輩が色塗り(仕上げ)担当と分担して作業を行っていますので
麻耶花の分の仕事は一応終わっています。
先輩の所には絵具などがありますが麻耶花の所には無いですしね。
部長さんがvsなんて煽ってるので結構誤解されてる方多いようです。
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Unknown (流星の人)
2012-07-25 21:28:10
>shinさん
そういえばそうですね。
何話だったかで折木が千反田を犬に見て立てたような。
それが活きる回だったのかなと。

わらしべ長者打ち切りは確かに。
最後まで引っ張るネタなのかなと思ったので。


>八雲さん
どもども、始めまして。

ご指摘、ありがとうございます
今確認したら確かにそうですね。
鏡に気を取られてその対比を見れてなかったです。
しかし伊原も時間に追われる描写でしたし、
その一連はやっぱ引っかかる感じかなぁ、と。
記事の方、一応訂正しときますー。
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