流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

明日ちゃんのセーラー服 8話 を語る

2022-02-27 09:06:56 | ■アニメレビューとか

今回は水上VS小路を肴に龍守さんを見せるような感があったかな。
冒頭かららしさを感じる。
アバンで本編の水泳勝負を先出ししたり、
原作の見せ方を尊重していたのが気になる感じ。

今回の話数、話の思想的には水上、キャラクター愛は龍守、
しかし主人公は小路っていう前回より更に多層的に盛り込んだ回だったように感じたな。



空間を見せる絵っていうのが若干新鮮に感じたな。
廊下の先の窓が見える立体的な組み合わせは面倒そう。


小さい龍守さんを象徴するような1カット。
こういう視点の在り方から演出のらしさを感じてしまう感じ。
谷川さんと並ぶと№2という意味合いも感じつつ、
さらに小ささを感じてしまう。
今回の話で言えば龍守さんは敗戦後なので、
敗者としてのあり方が小路と対比される存在という感じで、
キャラクター性が強く出ていたような感じでしたね。



空間を見せるようであったり平面的であったり。
今回はカメラの位置が壁ぶち抜き的で、
リアルなカメラ位置とは若干異なっていたのかなという感じ。


原作の謎の龍守さんの動きをアニメで取り入れているのいいですね。
手のりタイガー監督に任せたくなる気持ちがわかるというか。


前回の話数を下敷きにするなら外からのショットで、
2人が対立するっていうのを印象付けているのは気になる感じ。
7話は外からで今回は廊下側っていう違いがありますが、
前回の話数を受けているとちょっと気になりますね。
監督のアイディアであったりするのかな。





色んなところにカメラを向けるなと思いながら、
侵入してくる足にハッとさせられる。
学校の雰囲気を見せてるのかなという予想を裏切る水上という女生徒、強い。




下方から上から目線を発して図星をつかれ慌てふためく。
教壇からみんなを見下ろすような上から目線でいったけど、
水上さんという今話数の圧倒的強者に見事に返り討ちに合う。
眼鏡で目を見せないという内面を隠すというのが、
見事に見透かされたことの裏返しで、
そういう龍守さんに集中している感じが良いですね。




龍守さんって真面目なんやな、
で切り返しで水上さんの主観かと思いきや下からのアングル。
図星を突かれたのとは違う、
龍守さんの繊細な部分に触れたことがわかるような透き通った目。
上から目線なのに下からというえぐる様な視点の返しが印象的ですね。



嫌われることも厭わない水上さんの言葉に反応する。
龍守さんの戸惑いをあおりで見せるのが続くのが気になりますね。



龍守さんから窓へカメラが振られて場面は明日家へ。
この辺もアングル的な楽しさはあるかな。
小路がまた部屋を出ようとして影を落とす表情になるの、
ちょうど陽の光を背にする自然的な影の落とした方で、
小路の弱みを見せてつけていて、そういう自然な感じが良いですね。
アングル的に不自然から入って自然に寄っていく。
グッときます。



水着の伸縮感やロッカーのセル感がない見せ方とか、
時代は進歩してるんだなと感じられる一連。
映り込みや光の見せ方なども凝った感じで良いですね。


水着小路の脇の強さ。
水泳シーンはいつものハーモニー調は影を潜めていましたが、
肉体的なところや質感のグラデーションは凝っており、
普段とは違った一面を見せていてグッときます。



白背景バック、めちゃくちゃ長井演出だな、
やはり龍守さんなのか、みたいな気分になりました。


視点の在り方。
水上さんはあくまで小路の上にいる。
しかし龍守さんが水上さんの上にいる。


セーラー服争奪戦が嘘だったことで視点の在り方も変わる。



そんな中で変わるのは水上さんの龍守さんを見る目。
龍守さんをえぐる様な言葉を投げかけた水上さんが、
その目で龍守さんの真面目な一面を見る、
それに照れる龍守さんと、
踊り場でのやり取りのリフレインが効く一連でグッときたな。



そして夏の始めの一場面が衣替え、
主役はあくまでセーラー服だったことを告げる。
セーラー服争奪戦だったわけだし?
小路の普段は見られない逆張り的な負けん気を描いた回だったけど、
話的には順張りで話が通ってくる意外性。
色んな要素を何とか繋げようとする感じが見ていて気になる感じ。



家のリビング、1階で待つ父は、
夏服セーラー明日小路が降臨するのを待っている、
と思うと一気に小路が最上段にいる感じになって、
水上さんたちとの視点の在り方の相対化がなされた感じがあるかな。
まあ水上さんがセーラー服にこだわっていたのが嘘だったので、
まやかしが解けたことで再び小路のステージになった、
というのが正に水上さんの手の上にいたって感じになるかな、と。



原作の1ページの中でアクションの連続を描いていたのを残像で見せるの、
なるべく原作のイメージをアニメに落とし込もうとしてる感がありグッときたな。


そしてさらに小さきものの視点で締める。
水上さんによってまやかしにされたセーラー服への憧れが、
妹の視点で再び復活。

今回の話数はやりたいことがてんこ盛り過ぎな感じがしましたが、
演出的に何とかまとめた感もあり力技な回だったように感じたな。
水泳作画もグッときますね。
息継ぎのタイミングで表情を切り返しで見せるの、
原作通りとは言えFree!の山田尚子回とか思い出してしまいました。

今作は画が良い、演出が良い、脚本が良いと、
上流工程が見えやすいのが特徴的かもなぁとか。
最終的にどこに着地するのか楽しみです。

明日ちゃんのセーラー服 7話 を語る

2022-02-20 11:06:36 | ■アニメレビューとか




ナメもので見せる。
教室の出入りや木崎さんを前にしての、という感じから、
アバンからこの話数のコンセプトを示していたなという感。


やや間延びするような時間を描いたかと思いきや、
教室に入ってくる今回のゲスト。


そして隣の木崎さんは相手を見ず、
小路だけが挨拶を返すこの歪み。
小路を中心に友情を育む作品の中で挑戦的な1カットのように感じる。
こういう独特の合図があるのが話題になる話数の特徴なのかなという感。



様々なカバンをもって部活へと向かう同級生の中で、
部活に行かない蛇森さんがギターケースを片手にたずさえるまで、
という感じもあったのかな。



あふれ出る期待とは裏腹に影を落とす蛇森さん。
こういうのも出てくるんだなという感。


雑誌をめくるだとか教本を読むだとか、
そういう1人で学ぶ時間を贅沢に描いているのが今回のキモかなと。
やってみて、できるようになる。
普通の作品だと飛ばしがちな工程ですが、
できるようになるまでの始まりの努力から逃げない姿勢、良いですね。
小路の友達を作るまでの不安感と重なる風でもある。
何かを始めるまでの心情的な壁の乗り越え方が示されるのにグッとくる。




部屋に入ると、という反復。
戸鹿野さんが扉を開けると、
という役割を担っているキャラで、
また蛇森さんのパートナーとなるまでが描かれているのかなという感。



埃のかぶった何か。
木崎さんサイドも蛇森さんと同様の何かがある見せ方ですよね。
そういう意味でまだ蛇森さんと木崎さんは対等だという意識付けなのかもしれない。



開いてる扉の向こうに光を浴びているのが明日小路。
しかし戸鹿野さん的には興味がないのか、
ややボカした絵に。




夕方になってもまだ続けている。
今度は影の中に入っている。
光属性だけでないことを知ったことで認識したような感じが、
戸鹿野さんの内面を描いているようで気になりますね。
合わせて開かれた扉の向こうにいるのが小路っていう見せ方も。


2人の会話はひめゴト、
というように閉ざされた扉が少女間のやりとりの閉鎖性を物語ってるような。
そして同ポジで見せて、戸鹿野さんが開く扉の向こう、
蛇森さんが突然ギターを練習していることを含むひめゴトを意識するような絵に変化する。
こういう意味合いの変化を意識させる同ポジはちょっと京アニの武本さんチックな印象だったかな。


戸鹿野さんが扉を開けたら今度はゲームしている蛇森さん。
乙女は千変万化する。



蛇森さんが見る扉の向こうの戸鹿野さん。
小路を参照するなら、
蛇森さんにとって戸鹿野さんは内側が開かれた相手という形になるのかな。
戸鹿野さんの努力に打たれる姿にグッとくる感じ。


ここはアバンの小路と木崎さんの焼き直しっぽい感じ。
つまりはお互いを知ったことで小路と木崎さんのような関係になれたのでは、
という描き方だったのかなと。
緑に茂る感じもアバンのやや重い感じからリフレッシュした感じで良いですね。



授業中も帰り道も。
小路のように外に出る姿を描かれるのが新鮮かなと。
何かを真剣にやるという尊さに違いはないことを触れてくれているようでもあり。


扉を開けるのは蛇森さんではなく戸鹿野さん。
こういう勇気を分け与え方もあるのかと見ていて思ってしまったな。
終始扉を開ける役だったなという感。
だからこそのラスト、という感じもあるけど。



木崎さんの演奏。
色合いの変化が奏でる演奏の雰囲気を感じさせてくれて良いですね。
反射や細やかに動くカメラワークなども目を引かれます。
音が歩き出すような雰囲気がやわらく良いという感。


この光に入れ方?はピンポンのOP辺りを思い出す印象。
強烈な1カットですよね。


引っかかった1カット。
音楽が流れる学校という雰囲気と兎原さんがくるぞという説明を合わせたカットっぽいですが、
なんか全セルでやりたいアニメーターの自己満足にも映って、
もったいなく感じるカットだった。


手芝居が印象的だったな。
オバケの入れ方もさっとしていて流れるように見れる。
ちょっとしたところのきめ細やかさにグッとくる感じ。


BGMでピアノが流れていて、
木崎さんの演奏を引っ張るアイディアはなかなか面白い音響演出に感じたな。
合わせて木崎さんの演奏に心を奪われている小路に、
奥でそれを見つめる蛇森さんという、
アバンからの関係性を変奏して見せている感があるかな、と。



ギター演奏。
楽器演出は京アニの十八番という感がありますが、
今作で挑戦していて良いですね。


演奏を聴いてそして拍手して。
キメとしてのハーモニーの健在さや、
外からのショットで友情を印象付けるような感じ、
作品の持つ魅力と今回話数で見せている絵がババっときてなるほどなぁと思わされました。





砕けた感じのやり取り。
蛇森さんの調子乗っちゃう高揚感もわかるし、
それを見てさらに調子に乗らせる戸鹿野さんの気持ちもよくわかる。

小路と木崎さんを通じて、
あの2人だけが特別ではないというのを印象付けられる話数でもあったかな。
人は常に誰かの特別である、というか。

しかしここまで原作で描かれないクラスメイトをがっつりやるとは思わなかったな。
原作エピソードを見たいと思いつつもうまいことオリジナル展開が続くので、
この感じで見たい欲もあり。
次回はどうなるか、また楽しみです。

アニメ雑記 2022/2/20 を語る

2022-02-20 10:33:33 | ■アニメレビューとか
● 明日ちゃんのセーラー服 6話



耳まで赤くなる。
漫画的な誇張が表情の外にもあらわれているような感じが気になるかな。
内面の表現の仕方は漫符などを用いるごとにリアルからは離れるイメージですが、
漫画原作な今作はその揺れ幅が大きいのかなと感じる部分。
リアルな描写というのは内面はそのまま自分物の内側に隠れる印象で、
それを様々な手法で描き出すのが演出だと思いますが、
ここは隠すことが難しい感情、つまりは感情のオーバーフローを漫符的に描いていて、
非常に鮮やかに感じられたな。
臨場感緊張感で描かれるものはあると思いますが、
あくまで漫画であるというのを忘れないことも大きな武器だよなというのを改めて思わされる1カットだったかな。


●ドラゴンクエスト ダイの大冒険 69話




マァムが武装してからの一連が気になったかな。
魔法少女の変身の文脈からメリケンサック装備の小物のリアル感、
そして腕を突き出すポーズを動作を省いてのキメてと、
アニメ的な部分と玩具的なギミックの面白さの入り混じった楽しいシーンだったな。
今回は戦うマァムの可愛さを見てくれと言わんばかりのアングルも多く、
男勝りな作品の中でちょっと目立つ話数だったかなという印象。


足を起点にした方向転換とバトル、
アクションからの顔アップなど山内さんというか、
最近プリキュア5見ていたためかそこらへんからの流れを意識してしまうかな。



アングル的な面白さに広角なレイアウト。
迫り来る敵や画的な面白さ重視という感。


こでら的アングルかなとか。
丸みを帯びた地表でマァムが隠れる的な見せ方。
平らな建物の上ではありえない見せ方だけどここも面白さ重視という感。


割れて濃い顔になるアルビナス。
石川さんなんだろか?



アルビナス視点から突撃するアングルですが、
カメラがマァムに近づくとマァムの周りを1周してマァムの決意へと続く。
1つの視点でアルビナスとマァムの2人を描いているのが面白いですね。
敵を見つめるアルビナスとそれを迎え撃つ覚悟を決めるマァムの対比。
一連の枚数多めの見せ方も特徴的で気になるかな。



マァムのかっこよさを色んなアングルで見せてくれる回で満足度の高い話数でした。
今後盛り上がる話数でどういうものが見れるか楽しみです。

明日ちゃんのセーラー服 5話 を語る

2022-02-06 19:43:11 | ■アニメレビューとか

オリジナルエピソードになるのかな?
原作ではあまり絡みがないキャラとの組み合わせを見せるところ、
そしてクラスメイトという内側の見せ方にけいおん!的なところを感じるかな。
今回は森林の美しさを描く情景が多かったですね。



虫のディテールが細かく驚かされました。
異世界ブームでモンスターを見る機会は多いですが、
身近にいる虫をこう描写される新鮮さ。
女の子が可愛いという作品でこういうのをやるのは、
きらら系とかでそういう生き物を扱う場合以外あまり思いつかず、
ただの美少女モエモエアニメに終わらせないという意思を感じずにはいられないかな。
しかし3Dでやってるのか作画なのか一見してちょっと迷ってしまうな。




泉で出会った妖精のような明日姉妹。
ハーモニーの絵がやや古っぽさを感じるのは過去だからなんだろうか。



生々しさを狙った1話からすると口パクだけの動きによってちょっと人形っぽくもうつる。
明日小路という異形のものを印象付ける感じでもあったのかな。
大熊さん視点、ものを観察する目がそう見えているというのが引っかかる、かな。


観察日記。
同じものを見ているのに誰に着目しているかがズレていく。
絵で表現する小路と断片的な文章で表現する大熊さんの違い。



イナゴ?が逆方向に飛んでいくのを見過ごす。
本来なら観察する対象なのに、
今は別のものを優先していることのあらわれなのか。
そしてイナゴがネットイナゴ的な野次馬根性のメタファーっぽくもうつる。


シャフ度的な。


時計のガラス部分の反射も描くなど、
そこまでやるのか、
という本作のディテールの細かさを象徴するような1カットかな、
と思ったけど現代はそれくらい普通なのか。
凝ったアニメなら当然、なのかもしれない。



体育座りで顔をうずめるような動き、いいですね。



虫のディテールの細かさ、観察することに着目していたら、
いつの間にか絵そのものに言及するようなメタ的な視点が出てくる。
こういう普段見かけない話数を作っているからこそ出てくるようなメタ的なノリが楽しいかな。
つまりは虫を題材にした作品は希少なので、
その絵を描いていること自体に作品で言及している感じで、
そしてなぜリアルな虫の絵なのかを見ているこちらが作品を観察する構造を浮き彫りにしているわけですよね。
そしてそれは女子中学生の日常を観察しているという、
作品コンセプトの言及にも通じているという感じ。

原作通り以上に原作通りっぽいのはこういう視点を持ち合わせているからかなと思える部分ですね。



はねる、という動作はやっぱ子供っぽさ快活さがにじみ出るところなのか。
この一連は水の描写含め気になる感じだったかな。



花の代わりに虫を飛ばすところに時代の節目みたいなのを見てしまうというか、
特殊なことをやっているという意識を見てしまうというか。
そういうところを意識してしまう感じ。

個人的に家族旅行くらいまでを期待していましたが、
ED見ると母親時代なんかもやるのかな?みたいな予感もあり、
原作エピソードにどれだけ寄り添うのか気になってくる感もあり。
次回も楽しみです。