流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

Fate/EXTRA Last Encore 5話 を語る

2018-02-28 23:02:42 | ■新房昭之


999年前の敗北。
原作からの分岐の絵っぽく、
原作プレイ済としてはあの戦いの後のifとして描かれている風で印象的だけど、
戦っていたサーヴァントは鈴鹿御前っぽく、原作で登場しないキャラなので、
あくまで違う世界のダンブラックモアという感じなのかな。





皆で食事。
同じ白い液体というかミルクを手に取ってるカットが続くので、
その手に持つ白さというのに意識が向く感じですかね。
約1000年を過ごした友に思いを馳せる主人公も、
内面に触れるような描写で、憎悪以外の描写として新鮮だったな、と。





チェスで例える。
白い駒が主人公側という意識は冒頭の食事シーンからイメージを作っている感じですが、
ダンブラックモアを倒すというところで主人公が黒のナイトの駒を手にするのは、
ダンを始末する=ダンと同じ存在になる、マスター殺しをするという覚悟の表れでもあるのかな。
ラニが主人公が駒を手に取ったことに反応するように眼鏡に手を掛けますが、
白い手袋が表すように、その手は相手側に堕ちない意思の表れでもあるようで、
主人公と対比的なのが面白いところかな。
ただダン自身も白い手袋をしているのが気がかりな感じ。
まあ顔の前に手を動かすアクションを見せる、
っていうテンポを見せるような格好のシーンでもあるので、
あくまでイメージという感じなんですかね。



死後の世界の重なり合い。
そういう場所っていうのが最下層だけでないといのが気になるかな。





アーチャーの言葉からのネロ。
ネロの立ち姿からアーチャーの戦いについて聞き入ってるようでありながら、
次の一手を考えている絵だったという繋ぎ方が気になったかな。
自ら問いかけたのに全スルーするとか、ネロがそんなに器用だったのかっていうのと、
ダンブラックモアとアーチャーに対する言葉を持ち合わせないストイックさが引っかかるというか。
森の入射光やアーチャーの言葉を聞くセイバーの瞳のアップなど、
その言葉を受けてという姿というのは描かれている感もあるので、
割とオープンだったセイバーが自身の感情を閉じ込めている風なのがグッとくる感じかな。
木々の檻で閉じ込められている、といった方が正確なのかもしれませんが。



亡者の群れ。
亡者たちの意に反する反応をしている主人公も気になる。
今回はネロとは逆に主人公の方が多くの心情を語っているようだったな。



三度、落陽を迎えても。
ここでも血が強調されるのがシャフトっぽい感じするかな。
血を全部出せば、入れ替えれば、みたいな血の物語っぽい感じが。
斬撃がゲームでのスキル花散る天幕っぽいアクションなので、
正に言葉通りの形で決着という感じ。
しかしこの辺のスキルの描写はアニメだとちょっと伝わりづらい感じですね。



ダンブラックモアの墓に寄りそうアーチャー。
とっくにダンは死んでいて勝ち上がることは叶わず、
それでもダンの亡霊にずっと寄り添ってきたアーチャーの献身さ。
最後までダンとはすれ違ったような格好になったのが残念ですね。
FGOだと結構色んなイベントで引っ張りだこなイメージですが、
アーチャーはどこまでいってもダンブラックモアのサーヴァント、
と言われてるのがグッとくるところですね。



ダンの最後。
ステンドグラスが反転して女性像の祈りの姿が強調されているのが気になる。



しかしダンの奥さんの名前がアンヌってまんまセブンじゃんってなりますね。
鐘の音がそのまま浄化に繋がっているのは元も子もない印象ですが、
死後の世界と混ざり合った世界なので、
その浄化ポイントに気づけるか否かという狭間の描写なんですかね。
ダン自身が1000年前に既に死んでいることを考えると、
再生させた方、ムーンセルは何がしたいのかという感じになりますが、
ラニの語りだけではまだ全然届かない感じなのでうーんという感じ。



ラニがこの回想に残るのも死者に引っ張られている感があって、
主人公含め、死者に引っ張られる者たちの話という感じでしたが、
また次の階層はどうなるのか。楽しみです。


さよならの朝に約束の花をかざろう を語る

2018-02-25 22:09:33 | ■アニメレビューとか
PA作品って結構苦手意識あるんだよなぁとか、
脚本の方が監督で大丈夫なのだろうかとか、
そもそもどんな作品なのかよくわからないので不安だなとか、
見る前はマイナスイメージが強かったんですが、
見終わったところにはこれはPA史上最高の作品なのでは、
とか俗っぽいことを思わせられる程度に面白かったです。
以下ネタバレ感想。


最初始まって金髪と白い服の姿しか見えない集落というのは、
ユートピア的なイメージなんでしょうが、
一生を機織りをして過ごすというのを機織り機と共に美しく描く半面、
やや虚しくというか近寄りがたいイメージがあったかな。
その後に出てくる布はどれもカラフルな色遣いをしていて、
人と交わる生き方に多様性を意識させられてそういう面が気にかかったかな。

天井から垂れている透明感のある布と、
その後に国の国旗的な垂れ幕が対比的なイメージで、
大小はあれど村や国家が持つナショナリズムみたいなものを意識されているようにも見えたかな。
特に捕らえられた幼馴染を助けようとしてするけど、
幼馴染は身籠ってしまったがために、子供を捨てることができずに、
元の場所へ帰ることを拒否するシーンなんかではそういうのを強く意識させられたかな。

主人公マキアが息子になるエリアルを見つけるシーンのイメージも印象的でした。
のどを剣で刺された母親とその手に守られた赤ん坊の姿をマキアが見つけますが、
その剣を象徴的に描いているのが目を引いたかなと。
死後硬直によって固まった指を一本一本ほどき赤ん坊を自分の手に取るわけですが、
その力強い手から赤ん坊を取り上げるという行為が、
選定の剣的なイメージを持っているようで興味深いなと。
赤ん坊を助けようとしたその瞬間に彼女の心に剣が宿ったように見えたというか。
覚悟といってもいいのかもしれない。
罪や十字架的な意図、赤ん坊が兵士になるという暗示など、
様々な意図がありそうな雰囲気もありましたが、
自分的にはそういうイメージが強かったな、と。
剣など振り回さない華奢な少女ですが、その思いには剣があった。
そんな風に思わせられたかなという感。

赤ん坊のエリアルとマキアの関係や、
マキアが正体を隠すために髪を染めるなど、そういうのが新鮮だったかな。
長寿の種族と人が関わりあう悲劇、時間のすれ違いによる悲劇、
みたいなのは『凪のあすから』とかでもされていてその延長だったかなという感。
でもそんなのは『あの花』の幼馴染を2度見送るのと同じくらい、
絶対泣いてしまう物語の王道的な感じで、
その時点で最近はもう飽き飽きして忌避してしまうのですが、
今作は割とそうでもなかったですね。

エリアルが成長してマキアと背格好が同じようになるころには、
出生の話、自分がマキアの実の子ではないこと、
マキアの姿が全く変わらないことを当然のように理解しているわけですが、
そこからマキアを母親だと呼ばなくなる辺りで色々な可能性を考えてしまうんですよね。
母親に、育ての親に恋をしてとか、
実子でないことに強いコンプレックスを抱いてしまってとか、
母と子の関係というのを違うものにしていくのではないかという、
可能性を匂わされている感じで。
またマキアも元々の思い人との繋がりもあって、
その辺もどう振れるかわからない面があって。

そういうあやふやな関係の中でエリアルがマキアを母と呼んだところでもう号泣ですよ。
もう物語の流れ的にも決着がついて、
あとはエリアルの中でマキアがどういう立ち位置の人物なのか。
それが焦点になったところできちんと呼んでくれたことが心から嬉しかった。

もう一人の母親、レイリアと、そしてドラゴンと共に滅びゆく種族として、
朝の光へと旅立っていく姿が美しく、個人的にはそこで終わりで良かったな、
というのがある意味で心残りかもしれない。
天寿を全うする時になって、本来であればとうに亡くなっているだろう母と、
実際に再開してしまうっていうのはちょっと、という気がしましたが、
それはエリアルに寄りすぎた考え方で、
マキア的にはやはり会いに行かなければ嘘だろうという感じだったので、
エリアルとの関係を描き切ってくれたのは良かったと思います。

主人公のマキア、幼馴染のレイリア、2人の母親の話という感じでしたが、
レイリアの母親としての覚悟は色々と鬼気迫るものがあって、
そちらもグッときましたね。
2人目の子を期待された時に、宝石で着飾らないと抱けないの!
みたいな切れ方をしていたのが特に印象的だったかな。
無理やりな婚姻だったけど、子ができたことや覚悟でそこまで変わるのかとか、
普段の深夜アニメだったらもっとセックスの話を生々しく突きつけられる気がしたので、
抱かれることより自らの魅力の無さに怒る姿が新鮮に映ったかなぁ、と。

スタッフ的に副監督の篠原さんがガッツリやって、
岡田さんはとりあえず監督という立場なのかなというイメージでしたが、
コンテマンは監督も含め7人、演出5人、コアディレクター1人。
作画も井上さんを始め力のある方が結構いて驚きました。
演出で長井さん、作画監督補佐で田中さんと、
とらドラ、あの花、ここさけのの盟友が力添えしているのも良かったです。
長井さんはコンテからガッツリやってるかもと思いましたがそうでもなかったですね。
作品の持つ距離感的に付かず離れずと言った印象。

そういえばパンフレットの設定画見ていてキャラが吉田明彦さんっぽいイメージだな、
と思ったらご本人でビックリ。
ちゃんとインタビューも載っていてまたビックリ。

個人的にはかなり満足の高い作品でまた見たいですね。
『true tears』からここまできたというのも感慨深いものがありますし。
そういえば今作もバンダイビジュアルから出るんだな、と。
そういう意味では直系の作品なのかなと思えたり。
岡田さんが今後も監督業をするのかわかりませんが、
また色々と楽しみです。


ヴァイオレット・エヴァーガーデン 7話 を語る

2018-02-22 21:07:47 | <ヴァイオレット・エヴァーガーデン>


そういえばこの世界普通に写真ありましたね。
5話の感想の時写真無いのでは、という語り口で書きましたが、
よく考えたら1話でも出てきてましたし。失礼しました。





私はこの罪を背負って生きるしかない。この先一生。
物語の書き手への興味の引かせ方、
前回の本に書かれた一説を暗唱していた姿、
そしてこの後のヴァイオレットのことなど、色々な示唆に富んだ本だな、と。

前回で自らが虚構になるかもしれない可能性に触れつつ、
今度は完全なる虚構に触れる回ということで、
しりとり的に前回の話数に関連したガジェットを踏まえてきていて、
ヴァイオレットの歩みを少しづつ重ねてきてきているのが面白いですね。
話の積み重ね、というのが目に見えてわかる楽しさというか。

しかし舞台みたいなあからさまな暗喩を京アニで見るのは新鮮な感じだな。
キャラクターを実直に描こうとするイメージが強いせいかもしれない。
まあ脚本に寄与する部分なのでこれをもってどうこうっていうのは特にないかな。
過去の山村回を振り返るとユーフォ2とか結構あからさまなことやってらっしゃいますし。







そういえば望遠で坂を上がってくるような絵や風景をPANで見せるイメージなど、
ユーフォの合宿回を思い出すような感じだったのを踏まえ、
消去法で考えて山村さんかと思ったら当たりで驚いた。
木々というか落ち葉を含め自然を美しく見せて下さる方なのかなと思ったり。
響け!ユーフォニアム2 第三回 を語る



お辞儀。
スカートを広げるところを隠すような感じで見せてるけど、
どちらかというと椅子を強調したい意図もあるのかなという気がしてくる。
お辞儀の見せ方も色々あるようでそういうところも気になるかな。
椅子というのもユーフォを踏まえると山村回だと割と印象的な部分かもな、と。
まあその辺はどうでもいい話かな。



突然のモノローグで急に作家先生の話に持っていかれている感。
ヴァイオレットと対面したところで驚きの表情、
次のカットでポン寄りの絵で再び驚きの表情をリフレインさせて見せる、
所謂ダブルアクションがサラッと出てきて目を引かされて、
という助走はありましたが、急に切り替わった感があるかな、と。
先生の家に着いたときに見せる湖の風景と椅子のイメージなど、
キャラクターに寄る部分もありましたね。



困ったお方ですね。
ヴァイオレットがお客にズケズケものを言うのは今に始まったことじゃないですが、
婉曲的な表現で相手を評するのは新鮮に映ったかな。
書斎の場所をピン送りで見せることは可能なはずなのにそれをしないので、
妙に印象に残る感じかなと。
作家ではあるが書斎はあまり重要なポイントではない、と言われているようで。
テラスでも書くと言ってるのが後の絵の伏線的なところですかね。



その手は?戦争で失いました。
このやり取りも新鮮かな。
ヴァイオレットの手にギョッとする場面はあっても、
立ち入るというか踏み込む人は少ない感じだったので。
そういった立ち入ったことを聞けるような人物像っていう描き方。
悲しい過去の存在や作家性、
現在の堕落した姿からなど、複合的な面で見れるやり取りかなという印象。



タイムラプス。
時間の一定の送り描きというのが作品のイメージにどう関わるのか、
その辺が気になってくるところですかね。



瓶の手いじり。
3話のルクリアの兄もですが、酒飲みの芝居のアイディアは新鮮に映るかな。
ヴァイオレットをメイドのように扱うのは前回の話を踏まえているようで、
ここも話の積み重ねの面白さ、というのを意識させられてくる場面。
そういえばヴァイオレットが幼いことに触れているのも新鮮ですね。
この世界的にヴァイオレットがどのように見られているのかは結構気がかりな部分かも。

しかし料理に失敗するヴァイオレットってちょっとイメージと違うかもしれない。
軍にいたところとか食事どうしていたんでしょうね。
野性的な部分を考えても、卵って何、というところから入られると、
どうなんだ、みたいな感じになってくるというか。
まあ事実は小説より奇なりなので、卵に出会わない人生は普通かもしれないですが。



誰もいない席を見つめる先生にそれを見つめるヴァイオレットと、
ここも示唆的なシーン。
ヴァイオレットと誰かを結びつける先生の姿から、
過去にあったとことを連想させられる感じ。



一瞬入る夜の風景。
食事後の間のカット、時間を飛ばすカットですが、
この風景をヴァイオレットは見ているのだろうか、と思わさせられる部分はあるかな、と。
夜空を、風景を見る連続性がある今作ならではの楽しみ方かもしれない。





隠しました。



何をなさっているんですか?からのやり取り。
ヴァイオレットのアップはやや怖い感じもありますが、
その後に部屋着に着替えているところで夜更けだというのがわかるのと、
服装も相成ってまた新鮮に映るシーンだったかな。
連続で棚を開けていくのも面白いですね。
またヴァイオレットがやっていることがまたメイドっぽい感じで、
こういったお節介な部分が、
あのぶっきらぼうなヴァイオレットと連続しているのが面白いかなと。





先生の話に共感するヴァイオレット。
前回寂しいという感情を知ったわけですが、
ここで共感を知るというがまた引っかかるところ。
前回が相手の気持ちを察しているんじゃないか、
という雰囲気を醸し出していたので、
共感などを知らなくとも、そういうことは可能なのだろうかと思えたので、
自分の読み違えを考えてしまう場面でもあったかな。



水に浮かぶ落ち葉が美しいですね。
美術とか3Dでやってるんですかね。







ここの一連はオフセリフで挟んでカットを飛躍させている部分が多くて気になりますね。
過去を思い出して影を落とす、そんな姿を担保に立ち去るイメージを描いていて、
鮮やかな美術、傘からの鮮やかな退出の演出だったかな、と。
その綺麗な傘があの汚い家のどこにあったのか、いつの間に見つけたのか、
という飛躍もある。
目には目を、飛躍には飛躍を、という畳みかける印象が強いかな。
今まで娘の面影を追っていたらこそ、その飛躍が許されるという部分でもあるか。

そういえば指輪を強調してみせていたのは、
妻と勘違いさせるミスリード的な意味もあったんですかね。

ちょっとした戯言ですが、
こうやって今作の書いてること自体が代筆的な部分のように思えて、
感想を書くことによってヴァイオレットを知る、ということをやらされている感あるかもな、とか。
アニメという虚構で触れられていることを私たちは理解できているのか、みたいなね。
そういう試されてる感じっていうのもあるけど、
アニメも人の心も一定のルールというか、読み取れるものはあるわけで、とか。
そういうことをちょっと意識しちゃう感あるかな。
どうでもいい話でした。



オリビア。
傘をさして笑顔でいる少女像が可愛くて良かったな。
歯の抜けた感じも成長期という感じで、風景と傘と相成って清涼感もある。
無くなった原因はやっぱ白血病とかその辺なんだろうか。
やせ細っていく感じとかなかなか辛い描写をしっかりやっていて、
そういう部分が意外だった。





こんなにも寂しく、こんなにも辛いことなのですね。
物語への共感を知ったヴァイオレットが、
作家先生の過去に涙するというのがなかなかの急展開っぽく映るかな。
寂しさを知ったからこそのシーンだったのかな、とも。





湖で対面してる2羽の鳥。
そこからの先生とヴァイオレット。
室内でのやり取りから立ち位置が逆になっていますが、
FIXの停滞からPANすることで物語へ意気込む躍動感がある感。
また対面しあってますが、お互いが何と向き合っているのか、
っていうのを示唆しているのが湖の鳥なのかなという感。



鳥でしたら飛んで帰れますが。
ここのヴァイオレットと湖と鳥っていうのが綺麗なカットでしたね。
アイディアの飛躍を得る絵という点でも印象的かな。
後半の湖は美しく、それだけで満足できる部分がありました。





どんどん飛躍していく回という感じでしたが、
ヴァイオレットが落ち葉の上を歩くという、
本当に色んな意味で飛躍した絵っていうのを入れてくるところにグッときたな。
ヴァイオレットが指示通り帰還する方向から飛んでくるのも示唆的。
対面する鳥とは誰と誰か。





落ち葉が舞い散る絵、
娘が成長していたら、物語のように父の元へ飛んで帰ってきたなら、
どんどん絵に飛躍した内容が盛り込まれて行って、
一種の幻想にまで至っていて、父の心が救うため、
ハッピーエンドのためにはこれだけの飛躍が必要だという語り口のようで、
そういう点が新鮮だったな。





舞い散る水と湖の水は若干イメージが違って映る。
青い幻想と透明感のある現実という対比なんだろうか。
世界の美しさだけで、果たしてこの世界を肯定できるのか。
ありのままの姿だけでそれができるのか、という語り口のようにも思える。



いつか、きっと。



火傷。
誰かのいつかきっと。
愛する人がいたのではないか。

いつかの言葉が繋がってくるケレン味。
誰かを失った、死の悲しみを知ったからこその火傷。
ここで冒頭の劇のセリフが繋がってくるのが面白いですね。
先生はヴァイオレットに死の苦しみを、
殺すということの罪深さを伝えていて結構奥深いキャラになったという感。
そして愛する人を理解した風なヴァイオレットというので、
やはり知ってしまったのかな、という感じになる。



少佐の死を知る。
そんなヴァイオレットの空虚さを象徴するような空。



相手を拒否する仕草。
受け入れることを否定する、
という反応の絵が新鮮に映るかな。



奇跡を起こした走りは悲しみの走りへ。
果たしてヴァイオレットの心が救われるにはどれだけの飛躍が必要なのか。
そこが焦点になるというのを示唆する話数でもあったように思える。
割と早く少佐の話へときた感じがあるので、
今後どう話が転がるのか、楽しみです。

脚本:吉田玲子
絵コンテ・演出:山村卓也
作画監督:門脇未来 植野千世子 角田有希



Fate/EXTRA Last Encore 4話 を語る

2018-02-19 23:24:30 | ■新房昭之




どうして俺は。
何もわからない主人公。
己自身がわからないという絵の連発が印象的ですね。
淡々とした姿、冷めきった姿はシナリオの訳の分からなさに対し、
あるがままを受け入れるしかないという態度は、
どこかこちらにも求められる態度という気がしてちょっとした共感性がある。
わからないということへの態度のアプローチとして新鮮というか。
ギャップとして、ネロが盛り立て役として正論を述べてくれるのも頼もしく映る。
なんだかんだでコンビものとして新鮮な作品にうつるかな。



ステンドグラス。
ライダーがグラスだったのに対しアーチャーがステンドグラスとなると、
コゼットの肖像からソウルテイカーにきてる感あるかな。
各階層の移動は割とソウルテイカー的なイメージがあるのかもしれない。



個人的に弾を込めるのはソウルテイカーの武本回のイメージがあるかな。
しかし各キャラなんか微妙に違っていて気になる。
ネロへ感じる安心感はその変わらない姿にあるのかも。
まあサーヴァントの皆さんは割と平常運転で、
マスターが変わっていってしまっているという感じですが。





空気感の絵作りが結構好きかなと。
ささやかな光の描写から空気上を走る弾とか、
静けさのイメージからくる脅威を新鮮に感じられたかなと。



シンボリックな塔の絵など目を引く絵がちょくちょく入る。
塔の持つ意味というのを考えてしまいますね。



戦い、殺すばかりではいけない。



くるりと回る手。
ネロが手を挙げながら一回転してるわけですが、
それを手の描写のみで見せていて新鮮さがありますね。



ネロの語る矜持が豊かな視点を炙り出していて非常に印象的。





何もない、憎しみしかない主人公に心豊かであれと語るネロが非常に染みますね。
緑と光の彩りも美しく、この瞬間はネロの独壇場であるけれど、
そのネロの心を主人公に与えようとしているところにグッとくるなと。
合間に入る主人公を触るネロの手はその心を主人公に実感として与えているようでもあり。
ネロの姿を心に焼き付けることが、即ち主人公の拠り所になるであろうという感じで。
今までのことがあったからこそ、ネロがいたからこそ主人公はネロに礼を伝えているわけで、
これからもそうして欲しい、自分を思って欲しいという延長のなのかもしれないけど、
その伝えたことが大事、という感じが好きかな、と。



生きられたら良かった、で振り向きの絵。
先を歩いた物の絵という感じで転換点を作っているのが新鮮だったかなと。
何回も死んでいるかもしれないらしいけど、
ネロだってそのずっと前に死んでいる。
まだ何者かになっていない主人公に対し、
何者かになったものとしての言葉を入れるのには適当かなという印象が新鮮というか。

アーチャーに襲われる直前とかもですが、
ネロの表情付は印象的な絵が結構あった印象。



火柱エフェクト。



中心に向かう流星。
願いを叶える希望としての流星。
こういう新鮮な絵が出てくるところが好きですね。
暗闇の先の希望を目指していた、という儚さもあるように思える風で。



なんかラスボスマスターさんの原作での意図を考えると、
今にも絶滅寸前の人類っておかしいような感じ。
今までのパターンだとマスターが変わっていてサーヴァントは変わらない、
という印象なので、世界観的にはセイヴァーの能力で変容したけど、
その狙い事態はマスター自身の意図という感じなのかな。
展開を見るに主人公の正体がバレてしまったが故の敗北という感じだったのかな。
どういう形で決着を迎えるのかがやはり楽しみですね。



原作は凜ルートでしかクリアしていないのでいまいちラニの印象が薄い。
一番負けた相手というのは覚えているけど。
4回戦以降はどういう形になるのかな。
そこが1つのキーポイントだとは思うんですが。



ダン・ブラックモアとアーチャー。
原作ではなんかいまいち噛み合ってないパートナー同士というイメージでしたが、
綺麗にまとまっていてグッときますね。
FGOでは騎士の矜持の概念礼装の人ですが、
今話が一種の矜持を扱う話でもあってので、そういう関連がちょっと頭をよぎるかな。



主人公たちの周囲は無数の光の粒子が舞っていましたが、
ここでは月明かりによる光のみ。
光によってステンドグラスの模様が床に落ちているのが印象的。
地に落ちた光がその精神性を見せているようでもあり。

しかし引きがまた意味深すぎて、話でだいぶ引っ張られてる感。
続きが早く見たいアニメっていうのは久しぶりなので、
先をあれこれ予想しながら楽しんで見ていきたいところです。


ヴァイオレット・エヴァーガーデン 6話 を語る

2018-02-16 20:34:14 | <ヴァイオレット・エヴァーガーデン>






アバンからまた高原へ移動中っていうゴンドラの風景が新鮮でしたね。
メカメカしくない木造りのゴンドラにどこか懐かしさを感じます。
ワイヤーの流れに沿うように形作られたゴンドラの形も、
現在の四角いゴンドラを見慣れていると新鮮ですね。
逆光のハレーションで光るワイヤーなんかも印象的な風景ですし、
多数の女性が歩く丘、謎の建造物を前に佇むヴァイオレットなど、
印象的な絵がバンバン出てきて、もうアバンで満足してしまうような感じでした。

今回の新キャラがドアを閉めた辺りからの、
青年のモノローグからヴァイオレットに絡めていく描写も印象的ですね。
外から見た自動式人形っていうのを建物の内側から見る、
っていうのも閉鎖的な空間から見せているのと、
青年自身の閉塞感のある感じも伝わってくる感じで印象的な出だしだったかな。
たがいに意識しあってはいないけれども、
建物を見るヴァイオレットと外を見る青年とが互いを見ているんじゃないか、
という絡みの予感を強めるニュアンスもあり、
運命めいた感じを予感させてくれてるようでもあったかな。

しかしこうヴァイオレットがどこかに旅立つ話が続くとOPもより印象的に見えてきますね。
話を重ねるたびに味が出てくるOPのように感じます。



お久しぶりの同期たち。
ルクリアさん再登場が嬉しいけどここだけなのが泣ける。
前回のヴァイオレットと他ドールの話を思い出すと、
カトレアだけでなく、彼女たちもヴァイオレットが思い当たるドールでもある、
という語り口を持つ印象がして間口を広げられている気がしたな。
なんというか、ヴァイオレットを肯定してくれるものしかヴァイオレットの傍にいない、
というバイアスがあるように思えていたところに、
結局狭い世界の話だと思われていたところに、
ちょい役で出てきたキャラクターたちとの懇親が描かれることで、
別の可能性というかを示されたような感じがあるかなと。



ヴァイオレットの表情を読むルクリア。
前回の終盤を受けて、っていう話の振り方なんでしょうが、
ルクリアたちがヴァイオレットの変化に気づいているというのも印象的で。
前回のように顔を手で伸ばして誤魔化す感じも、
姫様相手に真面目に取り合っていた結果というだけでなく、
ヴァイオレットなりの気遣いが入っているという描き方になっていて、
前回のアレも今回の延長線上にあるというのが、
また見方が変わってくるようで面白いですね。
話を重ねることっていうのを意識した絵作りをされているのが印象的というか。



いらっしゃいませご主人様!ではなく。
かしずく感じっていうのが普段より強い印象を持つのは、
アバンの語りのせいもあるのかな。
男性がお客っていうのも余計に拍車をかける感じだし、
集団でやってるのもどこぞのメイド軍団かとも思えてしまう。
そんな一面の切り取り方がアバンの物言いが、
全て偽りというわけではないのを物語っている感じで印象的。



色々説明。
なんかマドヲバックにしたシチュエーションの語り口っていうのが目を引きますね。
結構な身分の方っぽく見えるけど、課長なんだよな、みたいな。
しかしなんでこんなところで本を保管してるんだろう。







パートナーを待つリオン。
お辞儀するヴァイオレットを見てたじろぐとか、
うぶな感じから最初の物言いはどこへやらという感。

今回のヴァイオレット、ずっとコートを着ていて、
リオンの前に来たところでは既にコートを脱いでいる。
あくまで推測だけど、主人となる人の前に立つまではコートを脱がないようにしていた、
という風にも捉えられるのがこのシーンの面白いところでしょうか。
不特定多数の候補者がいる中だからこそ、
己が担当する相手の前に立つまでは、みたいな。
もしそうならその精神はどこからくるのか、みたいな考える面白さもあるかなと。
まあどうでもいい話。



アバンの再演を思わせる廊下かな、みたいな。
外からの光といくつものドアが多数の女性と男性を思わせられるけど、
その中で強く運命づけられた見せ方をしたヴァイオレットとリオンを想起させられるかな。
廊下を歩いていたリオンの姿を見ているからそう思わせられるのかもしれない。





本の挿絵なんかも雰囲気出ていて面白いですね。
課長の説明にもあったようにページをめくるだけで崩れる本もある、
というのを念頭に置いてみると、
両手で慎重にページをめくる姿にも納得させられる。
そしてそんな芝居自体が新鮮で刺激的なカットかなと。
めくられるページの絵もちゃんと張り込まれているところも芸が細かい。



別離。
読み揺らぐリオンっていうのがオフセリフで、
その文章に、絵に何を重ねているのかはわからない。
そんな神秘性が本の神秘のかかるようで印象的な語り口かなと。
間を挟んだことを誤魔化しますが、
それが誤魔化しでもないのかもしれないと思えるほど、
自然と流れていくような印象がしたかな。



タイムラプス。
そういえばこれ前回ありませんでしたね。
手袋外してドキッも前回はなかったので、
今回は割と従来の回に準じた回という感じなんですかね。



空を見る、星を見る、宇宙を見る。
4話の星空を見るヴァイオレットを思い出しますね。
空を見上げる姿というのはヴァイオレットの感動を彷彿とさせられるようで、
そしてそんな感動する風景を見るっていうのを3話でやっていたんだよなと。
積み重ねによって、ヴァイオレットの佇まいに寄り添える描写にグッときますね。



天空、星空の中にいる、っていう描写が素敵ですね。
ヴァイオレットが語るドールの仕事というのもまた新鮮で、
今までのはドールの一面に過ぎなかったんだなというのを改めて印象付けられる。
リオンの偏見に満ちたアバンを思い出すとまた活きてくるシーンでしたね。
そして、あいしてるを知りたいからドールになったはずが、
今回のヴァイオレットは別の観点からドールになった動機を語る。



そんな素晴らしい仕事にふさわしいのでしょうか。
なんというかヴァイオレットのこれまでの仕事ぶりや5話のラストなど、
今までのことを含めた悩み方なのかなという気がしたかな。
左の窓からの柵が今までの話数を表しているようなのが気になる感。
ヴァイオレットの頭上にある一際明るい星も示唆的で、印象的ですね。
ヴァイオレットの不安の大きさを語るに背後を大きく開けているのも含め。







図書館の高低差を見えるような感じが新鮮だったかな。
光側がヴァイオレット、男性陣が影側というのも意図的な配置でしょうが、
オフセリフで聞くヴァイオレットの語りが、
ヴァイオレットの語り対して背を向けるような態度のリオンに、
それが確かな光の兆しとなっているようなのが印象的ですね。



無表情から次に来る、柔らかな瞳。
それが指し示すのはヴァイオレットの無表情とは違う別な表情で、
そんな表情にやられてしまうリオンが微笑ましい感じ。
目のアップから少佐の瞳を思い出す感じ。
その瞳に落ちる感じというか。





この辺も上であげた廊下を思い出す感じかな。
右手に感じる光と左のドアから光へ顔を向ける感じがそういう想起をさせられるというか。
明るい方へ顔を向けるような印象があるカットだからかな(ドアより壁の方が明るい色)。
空をバックにしたヴァイオレットも魅力的で印象深いですね。



パンを思いっきり握りしめていくのが面白かったな。
こういうボルテージのあげ方は面白いですね。
表情を見せないリオンに対して、
真剣なまなざしでリオンを見るヴァイオレットというギャップもあって楽しいシーン。





リオンが去った後のヴァイオレットの表情も印象的。
リオンが何を思っているのか、というのを察しているような、
そんな侘しさと、そしてそれを知ったような中で見る天空の描写も目を引かれます。
大きな空白としての空、なんですかね。
この辺はまだ読みこめない感じがするかな。



くうを見るリオン。
時が来るのを待ちぼうけるような姿を、
ヴァイオレットの後ろ姿に被せて見せてるのが印象的。





アリー彗星。
星空の中の2人や彗星を見るという雰囲気が好みかな。

全く関係ないんですが、自分が昔見た彗星ってハレー彗星だと思ってましたが、
ヘリーポップ彗星と勘違いしていて。
恐らく昔ドラえもんでハレー彗星の話を見ていたのが原因だと思いますが、
生きているうちにハレー彗星見たいなぁと今回見ていて思わせられたかな。
どうでもいい話でした。



生い立ち。
父も母も帰っては来ず。
旅芸人だったという母と自動式人形を重ねる部分なのかな。
母の愛は父へっていうのがやや嫉妬深い感じ。
何気にあいを語るシーンでしたね。
愛する人を探して旅をするっていうのは、
形を変えればヴァイオレット自身を示す話でもあるようで、
そういう部分も気になる感じだったかな。
ヴァイオレットの場合、置いていくのは何なんだろうな、みたいな。



恋愛というのは人をそんな風な馬鹿に貶めてしまう。
裏腹を学んだヴァイオレット、なんでしょうか。
そんな語り口から察するヴァイオレットっていうのが、
もう色々とわかってるのかどうなのか、っていうのが気になる感じ。



揺らめくエメラルド。
久々に揺らめきましたね。
寂しいと感じていたということに己を知るようなヴァイオレットの表情が印象的。



己が死ぬ方が良いのです。
とりあえずリオンは置いて行かれる側というのが。
少佐がヴァイオレットにとってどれだけ大切か、
っていうのをこれだけはっきり口にしたのって初めてな気が。

リオンがヴァイオレットの感情を指摘しようとしたところで、
掛けた羽織をヴァイオレットが立って脱いでるのも、
リオンの身からの開放、別離をサラッと描いている風でもあるように思える。





無音の重い空気から挿入されるBGMと彗星の美しさにグッとくるシーンでしたね。
二度と会えない出会いのすばらしさを語る2人が示唆的で印象的。
そしてその美しさを象徴する彗星というのがまた一層、印象的に映ります。
本の一説を読むヴァイオレットが印象的ですが、
その二度とない出会いは本にある文章に同じ、
物語と同じ、虚構と同じ、しかし今ここにあるという、
虚構となるかもしれない瞬間に思いを馳せる感じがGOODだったな。
瞳に移りこむ彗星がそれをまた後押ししている感じ(今作における映り込みにある虚構性の強調)。
そういう儚さのあるシーンだったのが印象的だったかなと。



光の方向を目指す。
今話では結構これが徹底されていたのかな、と。



はい、という返事が美しく儚い。
ヴァイオレット自身がリオンのことをわかってないと、
こういう返事ではできないんじゃないかと思えるんですが、どうでしょう。
陽の当たるヴァイオレットがひと際綺麗でまたグッときますね。



光の世界へ追いかける。



1人で見る空。
旅をしてまたヴァイオレットに出会えるのだろうか。



ここの背景動画というか3Dで組んだ背景の回り込みは目を引いたな。
AIR 6話の屋上の別離をちょっと意識してしまう。
今気づいたけど散々AIR 6話の話をしてきているのに感想一度も書いてないっぽいな。





上を見上げて下へと振り向く。
その表情の変化に、ヴァイオレットはやはり愛してるを知ったのではないか、
という予感を感じずにはいられなかったな。
寂しさの感覚を知った、ではあいしてるはどうなのか。
ヴァイオレットの変化に目が離せなくなる話数でした。

脚本:浦畑達彦
絵コンテ・演出:三好一郎
作画監督:角田有希

前回の山田さんの回も凄かったですが、
今話も話の積み重ねの上に成り立っているような話数でまた良かったです。


アニメ雑記 2018/2/13 を語る

2018-02-13 21:31:05 | ■アニメレビューとか
●劇場版マクロスΔ 激情のワルキューレ
マクロスは劇場版が本番というイメージがあるので、
TVシリーズ数話しか見てなくても大丈夫だろうという意識で見に行きました。
ワルキューレのイメージも作品のイメージも何も無かったんですが、
劇場で宣伝ポスター見たらなんか見に行きたくなっちゃったんですよね。

ワルキューレがほぼメインの作品で、楽曲が劇場の音響で聞けたのは楽しかったですね。
メインが田舎から出てきた子と紫の子というイメージでしたが、
リーダーの話が一番話の中核にあるような感じだったのが意外に感じられたな。
今作は三角関係が匂わせ程度であまりマクロスらしくないように思いましたが、
アイドルを守るナイト役がきちんとその役を演じていてグッときました。

終わり方的を見るに、やっぱ歌の力っていうのをやりきれなかった、
という思いが監督にはやはりあるのかというのを少し思ったかな。
TVシリーズ見てまた劇場版見返したいですね。


●恋は雨上がりのように



雲の存在感だけで見ていて心が浮きだす。
圧倒的な雲っていう風景に打たれちゃいます。





実際にある本棚とイメージの本棚。
手品も従業員とお近づきになる一環で買ったと見るべきなのかな。
あきらが本を取り出すところは隙間から出てくるので、
予めセルで置いて見せられるよりも、
あきらの発見というイメージが強く出ている感じで好きですね。
こういう見せ方もあるのか、と思わされる感じ。

本棚を隅にやる演出は同じ話数内だからこそ効果的な印象も受けるかな。
あきらの恋の始まりも気付かれないのだろうなとか、
あきらを置き去りにしていることを、
あきらが見つけた本棚を消すことで印象付けているのとか。
しかしあきらの描写がいちいち可愛くてホントいいですね。


●ダーリン・イン・ザ・フランキス



高雄統子さんの演出回。
波紋と雨と。
イメージ的には序盤の円卓を囲むようなやり取りと食事シーンなど、
集まっている円からそれぞれが広がっていく波みたいな感じで、
個々のやり取りはあるけども、
それは共同体としての一面に過ぎないような部分のようにも思えたかな。
最後のPANアップで屋根見せられるのも、
一つ屋根の下のこと、というのを強調されてますし。
冒頭の部分と合わせると、波紋同士がぶつかりあったら何が起こるか。
そんなニュアンスのあった話数だったのかなと思えたり。


●魔法使いの嫁



赤髪の白雪姫と印象が被る一面も。
赤髪は結構具体的に調合の話なんかをしていた科学的な面が好きだったのですが、
今作は魔法なので、まあ当然全然違うよな、とか。
つまりはどうでもいい話。











コミカルな描写っていうのが稀なのでポップで楽しいシーンで好きなんですが、
3枚目のところでカットが繋がってない感じがして見ていて位置関係が混乱したかな。
ベッドの反対側にいつの間にか回り込んでるのがちょっと飛躍しすぎてるように感じる。
最初は後半部屋の設定間違えて描いているのではないかと誤解してしまいましたし。
作品的に位置関係、それぞれのキャラがいる土地っていうのがあまりイメージできないので、
そういうのとちょっと似たような違和感かもしれない。


●りゅうおうのおしごと!



ラノベは最初の女が肝心というのが自分の中のイメージにあるので、
銀子をクローズアップしたEDは結構気にかかる感じ。

最初の女とはブラックブレッドで言えば主人公が序盤で死んでしまった子、
灼眼のシャナで言えば平井ゆかり、あとは幼馴染とか片思いの相手とか、
そういうのを自分の中で最初の女と認識してますけど、
でも誰を最初の女と捉えるかは物語に由来しているような気がする。
キリトの最初の女をアスナとするか、トラウマの死なせてしまった子とするか、
それは読者の考え方次第だと思いますが、そこが鍵になるのがラノベというか。
幼女幼女してる今作的に言えば最初の女は弟子になる子のように思えるんだけど、
最初に門下に入った時にいた姉弟子も最初の女にできると言えば言えるんですよね。
将棋仲間として繋がりを持つ女、みたいな。

話が脱線しましたが、銀子をまた特別なヒロインと捉えることに構えてしまうというか。
姉弟子としての繋がりを強調するような、
主人公との特別な縁みたいなものを見せてくれるのだろうかとか、
そういう期待感を煽られているような感じで期待が募るんですが、どうなの?みたいな。
そんな感じです。


Fate/EXTRA Last Encore 3話 を語る

2018-02-12 19:06:43 | ■新房昭之




死。
主人公が何度も殺された絵が出てきますが、
その全てが慎二のものであるかはわからない。
繰り返しナイフの絵が挿入されるので、
慎二に殺されたことへの執着はありそうなんですが、
数多の死の運命を含めて月への恨みなんですかね。
セイヴァーは何もしないラスボスというイメージだったので、
チャクラヴァルティン含め、
セイヴァーが引き起こしているであろう現象の数々が引っかかる感じ。



この世界に青空があるのが結構驚きで。
開けない朝はない、ということなんでしょうか。
起きて階段を上がって、という日常的なシーンが新鮮に映ります。
ネロが手すりに座ってる所で見られるドレスの膨らみだとか、
衣装の面白さを見せてくれるのが目を引いたかな。
ドアに背中を預ける凛を見て、それ見ててハラハラするからやめて!とか。





慎二のいる学校が原作でのホームになるので、
その場が消えていくというのもなかなか驚きの現場だったり。

また原作の決闘場は学校の地下深くにあるので、
登っていくイメージ、屋上のイメージも新鮮でしたね。
特に屋上は凜とのイベントが多々発生する場所なので、
そこに凜がこない、来れないのというのも引っかかるというか。

しかし今回はシリーズの中でも慎二がかっこよく描かれていて新鮮ですね。
天を仰ぐ姿も新鮮。
主人公とのやり取りを見るに、
慎二は主人公を殺したことを忘れている風でしたが、
それもまた今後描かれるのかな。



決闘の舞台形成。
壁に囲まれ水が注入され、っていうのがOPのコロッセオを彷彿とさせられますね。
ゲームでの戦いは地下へ、
アニメでの戦いは天を目指すものに変わっていますが、
戦いにおける舞台もまた何かしらに仕掛けがあるんでしょうかね。



魔力供給。
接吻によるものってことでFateがエロゲだったというのを思い出す感じ。
しかし今回もまた主人公のモノローグなどは控えめで、
このシーンもネロ視点から反転しての主人公視点という演出でありながら、
ネロのモノローグとなっている奇妙さ。
主人公のあるかわからない好意をネロが勝手に受け取って喜んでいるという感じで、
主人公の得体の知れない感じをカモフラージュされている印象。
聖杯戦争における敵の真名の推理や戦い方など、
旧来の約束事を全てネロが担っているので、
余計に主人公の異質さが気になってくる。
そしてそれをあまり意識させないようにネロがひたすら出張って戦う、
という堂々巡り。



手を伸ばしても届かない。
天を掴む、というイメージ自体が割と新鮮に映る。
慎二のやっていたことは、
主人公の最下層で何度も死を迎えたマスターたちの総意を受け継ぐことと同義的な印象もしますが、慎二の他力本願的なところと、主人公の俺が全てをやる、という態度の違いはあるのかなとか。
しかしデッドフェイスって何なんでしょうね。
凜もなんか発光して?戦っていたみたいですが、あんな感じなんでしょうか。
凜が出てくるとだいぶ世界観がわかりやすくなってくる辺り、
流石説明のプロだぜという感が。



ED。慎二とドレイク。
このコンビの疲れた感じが印象的だったな。
今後のマスターとサーヴァントの絵にも期待。
ロビンフッド辺り特に。



天に星はなく。
元々何もない空間だった、みたいなところにやや寂しさがありますね。
冥界的な感じというか。
芥川の蜘蛛の糸みたいな展開も予想されるのかなぁという気がしてきたな。
というか勝者のみが上に行ける、天にいけるという意味では既に始まっている感じ?

水に柱にっていうイメージはラスボスとの対決の間を思い出すので、
割とゲームのイメージはここまででだいぶ出揃った感じがあるかな。
次回以降、どう話が展開されるのかまた楽しみです。


ヴァイオレット・エヴァーガーデン 5話 を語る

2018-02-08 20:52:55 | <ヴァイオレット・エヴァーガーデン>


アバン。
部屋に投げられていた犬のぬいぐるみを窓際に。
今回はヴァイオレットがだいぶ成長したというのが暗黙の了解になっているので、
その変化をぬいぐるみでやっていたけど、だいぶ淡白な演出に感じたな。
もっと情感をもって、
ヴァイオレットの感情を追うように見せていく際のポイントだと思っていたので。
そういう観点からも今後も注目ポイントですが、この淡白さも逆に気になってきますね。



地図。
戦争が終わった、どこどこの国がどうこうなど、
ファンタジー世界の説明をされますが、
それを割と本気で取り組んでる回だったのも割と驚きで。
この話数はヴァイオレット・エヴァーガーデン、
という作品の世界観を結構説明された回だったのではないでしょうか。





船に乗って河の水路を使って移動しなければ着かない場所、
そして椿の花が大量にあるであろう庭園。
国に住む人々に国旗など、これから手紙で左右される世界、
というのを冒頭で触れられていてきめ細かな、と。
公開されてあるっぽい手紙も伏線的にアップで強調したり。



お辞儀してるところで変わったな、という印象と、
また敬礼してる、という変わらない部分が混在してるのがちょっと気になる。
まだ敬礼を解かない門番に対してのものなのかな。
この辺の敬礼の感覚は自分には掴みづらい気がしたな。
良い手紙を、という兵士の言葉がヴァイオレットの意表を突くものだったのを含め。



木漏れ日が美しいシーンでしたね。
なぜ白椿が選ばれるのかっていうのが結構ファンタジー要素ですよね。
王女のティアラにも刻印がある徹底ぶり。
王女自身が好んでいるのか、国の象徴としてなのか。
椿が思い出の花というのもあるのだろうけど、
それだけでは到底収まらない範囲を射程に入れているようで、
その辺が面白い要素かな、と。
椿の国って素敵じゃない?くらいのファンタジー性かもしれませんが。
ただその語り口は面白いな、と。









同ポの面白さ、結局王女の返答なしに部屋に入る女官、目をそらす執事。
この一連の流れで姫がきっちりとした人物でないことを示していて、
なおかつその流れも目線をそらす執事のコミカルさもあって楽しいシーン。
凛然と立つ女官の姿が、またか、に変わるような間の置き方も楽しい。
人物像を描きつつ、楽しさもある。
このリズム感が面白いですね。
そしてこの執事さん、最後までしゃべらない。
それが別のドラマを予感させれる余白がある。
計算された配置は時に心地よいものですね。



部屋に入って。
右の時計がちゃんと動いてる。
足音のリズムは音を出さない時計の時を刻むことを代弁しているようですね、
というのは変過ぎる褒め方か。



お辞儀。
全体像は部屋に入る前に描いたのでという省略やり方。
2回目のお辞儀をなぜわざわざ描くのかっていうのは、
姫の代筆屋がきたの?
という部屋に入る前の挨拶が届いていない返答を受けてですかね。
律義さっていうのに触れたかったのか、
流れを切れないからこうするのが自然だろうという感じなのかな。



姫の引きこもり生活?
自分で選んだであろうクッションやらぬいぐるみやらというのが目に入る。



部屋をのぞく女官。
赤ちゃんの時取り上げたという話から、
これが母親の胎内にいることのメタファーと一応。







着替え。
こういう女の子が綺麗になっていくのを見るのは変身の一種で楽しいですね。
椿の花が舞ってる辺り、他のアニメ作品のように記号をはめ込めないためか、
こうして実物の花をそのまま見せたりする辺り、
茶目っ気も感じられて見ていて楽しいですね。
他の女官さんたちもそれぞれの顔を持っていて、それもまた見ていて楽しい。



ピン送り+PAN。
ここの違和感としては初めからPANした位置で見せればいいものを、
その前に2つの処理がされているという点。
ピン送りはヴァイオレットの意識が相手に向く、
と言ったような解釈が可能ですが、なぜカメラも降るのか、という。
ちょっとした異化作用のある演出なので引っかかる感じ。
もちろん変身が終わった王女様を強調する意図もあるんでしょうが。



ここはPANする方向は同じなのに、
ヴァイオレットは先ほどのカットとは逆に動いている。
一度見せた現象とは違う現象が見られる引っ掛かり。



そして一旦2人の会話の想定線を超えたカットが入る。
女官はずっとヴァイオレットを見ている。







愛が無くとも?という姫の疑問に顔を向ける女官。
色々な方向へカメラを振るシーンでしたが、一定のルールはあるように見える。
その中でヴァイオレットと姫の想定線を超えて見せる女官の印象っていうのを、
姫の意外な一言への反応へ持ってくるのが目を引かれますね。



王女様ヴァイオレットの今後まで心配してくれる優しい人でややびっくり。
そこまでヴァイオレットの今後について指摘してる人が今までいなかったのも、
今考えればびっくりで。
王女が普通の感覚を持っているのがポイントなんですかね。

王女の表情豊かな怒りに無表情に、
顔をこねくり回すヴァイオレットの対比も楽しいです。



女官さんの手紙試し読み。
この女官さん、仕事をするような場面では顔をやや上げるような動作をしますが、
そういう仕草がある人という描き方なのかな。
きちっとされてる感じで好感触。



恋文音読。
既に国中にこの手紙が読まれていることをこの時点で描いてる。
一発書きでここまでの文章をヴァイオレットが書けてることへの驚きと、
手紙を街に伝える人やそれを目を輝かせて聞く聴衆がいることなど、
この手紙への国中の関心の高さもうかがえるシーンで、
上でも触れましたが世界観を描く回としてもグッとくるシーンでしたね。



王女の姿を絵で語るのも現代の写真などの文化がないせいもあり、
ちょっとした異化作用もあって新鮮でしたね。
偽りの恋文っていうのを絵で強調されているようで。
そういうメタファーをこういう文明レベルと合わせて描かれる面白さ。
アイディアの面白さですね。

しかし絵で描かれた王女は本物ではない、みたいな、
その絵を描いた人物を蔑ろにするような考え方をしてもいいのだろうか、とも思う。
ただヴァイオレットの後半の立ち位置を考えると、
果たしてそこにこの職業の人はいるのだろうか、
という自問自答を演出レベルで示されているようで、そこが興味深いかな。
まあアニメは絵だし、ということに帰結する自問自答なんでしょうが、
そういう自らが描いたことに対する考え方が見えるような感触は、
見てる側としては甘美に映ってしまうよな、と。
どうでもいい話でした。





私もはやく、私のあなたに触れたいと思っています。
王子からの返答の手紙に感づいたものがあるヴァイオレット。
相手の表現に触れるところがやや新鮮な感じ。
それを明かさないところもミステリアス。
自分的には見ていて「私のあなた」、
という所有することを意図する文面があまり好きじゃなかったんですが、
その辺がドールのクセが出ている表現だったんですかね。



ここも女官さんの癖が見れるような感じ。



そして女官さんとは相反する王女の表情。



ジッと見つめるようなヴァイオレット。
この表情を微動だにせず固めるように見つめる構図って結構怖くもありますが、
音楽などの雰囲気も手伝ってあまりそういう雰囲気になってないですね。



同ポジで。



時間。
生まれたときから今まで。



仕事をする時とはまた違った横顔を見せる。





それを見つめるヴァイオレット。
女官さんのカットで想定線を超えた見せ方をするのが面白いですね。
そして見つめるヴァイオレットはどこか怖く感じる。怖くない?





手紙の返事に花は付き物なのだろうか。
国同士の付き合いから見るに、相手の国も花の国なんだろうか。





王女を見つめるヴァイオレット。
ずっと王女の動きを、人の感情を追ってきたヴァイオレットの視点を、
改めてここで強調されてる感じだったのかな。
ありのまま、と言われて、
ちょっと表情を作ろうとするようにまぶたが動くのも引っかかる感じ。
顔がアップになったところでエメラルドが映らないのがポイントなのかな。
そういえば今回は少佐関連とか手袋外しに驚くとか、
ヴァイオレットに関する約束的な描写が無い回なんですよね。
ヴァイオレットが手紙を書かないという点から見ても、
ヴァイオレットが不要というか、後ろに下がる回でしたね。







回想。思い出の君。
合間から見える星空、月をバックにした王子と絵になる風景でグッときますね。
一瞬だけ映す王女の主観から見せるような王子の姿がまた一瞬で、
そのいい絵がスッと過ぎ去っていく感じが過去の虚栄っぽくもあって好みかな。
美しい思い出。
手紙に花と月の指定があったのも納得というか。







本当の気持ちが知りたいの。
反応するヴァイオレットが思わずドールの証に手を触れるのが素晴らしい。
ここでこれを見せるのかぁ、とグッときました。

3話のヴァイオレットも、
果たしてヴァイオレットの手紙がそこまで評価されるものだったのか、
という疑問があったのを踏まえるとなおのことを来るものがあるかなぁと。
ドールとしての仕事というのを正に姫の言葉通りに置いてきたわけですが、
結果的にそれが一流としての動きを見せていることへの感動ですよね。
何が姫のためになるのか、どうすることがドールとして、
ヴァイオレットとして何ができるのか。
そんな問いかけをその証を通して行うような精神性にグッとくる感じ。











相手からタイプライターではなく手書きの手紙。
相手のドールにも手紙を書かせるのをやめさせるヴァイオレットの手腕。
そして姫の手紙にアドバイスをするヴァイオレット。
自分で書かなくとも、サポートすることができる。
それが今回のヴァイオレット。
2人のやり取りに合わせて増えていく花瓶の花、
そしてそのやり取りにやきもきする聴衆たち。
みんなで2人の恋を見守るのが新鮮で楽しかったな。
最後にはヴァイオレットのアドバイスもなく、
1人で手紙を書ききる姫様も圧巻。



時計に合わせて右往左往。
まだかまだかと手紙を待つ姿が微笑ましいですね。
そして手紙の返事もいつもよりも遅いのだろうな、
というのが暗にわかる演出なのもGOOD。



プロポーズ。
月の君と椿の姫という絵が美しくて好きですね。





姫の一瞬の主観。
かつては見上げる相手からというのがグッとくるところですかね。



同ポジからの意外性。



母の胎内からの脱却。
ありがちですが、姫の反応の新鮮さも含め、
身を固めた女性の変化に戸惑わされる感じが、
女官の戸惑いにリンクするような感じだったかな。





花を飾る女官。
それは女官としての、
仕事としての側面であることを今までの横顔で意識しつつ、
その表情に惹かれますね。



鏡の前から離れ、慕う気持ちを伝える。
映り込みの虚構性、みたいなのは結構毎話されてますが、
ここは姫の打ち明け切れない気持ちを行動で示していて、
お前呼びとか、高圧的な態度とは違う、
その裏腹さにかけた描写なのかな。



王子のドールは、というシーン。
まあカトレアがなぜこんな重要なことのドールをやっていないの?
というそもそもの疑問が伏線になっていた感じ。



ヴァイオレットも表情。
結婚というテーマからか、美しいシーンが多くてグッときますね。





そしてヴァイオレットの物語へ。
はてさて、どう物語は転がるのでしょうか。

脚本:鈴木貴昭
絵コンテ:山田尚子
演出:藤田春香 澤真平
作画監督:植野千世子

山田尚子凄い!素晴らしい!と素直に思える話数でした。
脚本が世界観よりだったのは脚本の所為が大きかったのかな。
髪の描写などもきめ細かくてグッときたな。
山田さん監督の映画ももうすぐですね。
正直あまり期待してなかったんですが、
今話数で一気に期待感上がったので見るのが楽しみです。


アニメ雑記 2018/2/5 を語る

2018-02-05 23:01:58 | ■アニメレビューとか
●宇宙よりも遠い場所



溢れる涙に打たれる感じ。
友達を置いていくとか、わざといじわるしたりとか、
割とあからさまにやっていて、友達のことも「お前」呼ばわりとかすっごい嫌な奴、
という風に見せているのが見ていて気がかりだった。
絶交のところもお前という呼び方は意図的に高圧的な芝居。
ただそう呼ばれることに、
相手の悪意に無自覚でいるということはある種の心地よさもあるんだろうな、
と思わされる。
許されていたのではなく、知らなかった。
そうしたできた軋轢により仲が決壊していくのを肯定していく、
そんな力強さを見せてくれるのがグッとくるな。


●ゆるキャン△



おっぱい凄いっていうのをこの作品でやられると思ってなかったので。

そうえいば志摩リンも割と人呼ぶときはもお前とかアイツ呼ばわりなんですよね。
そういう言葉遣いはメーですよーみたいな感じで見てましたけど、
ちょっと意地の悪い子を肯定する周囲、みたいなのはあるのかな。
可愛いとやること一挙手一投足全てが可愛く見えるから凄い。

きらら系では自分の中でかつてないほどヒットしているので、
今後も見るのが楽しみです。


●恋は雨上がりのように



音読っていいよねって思うけど、
やはり思い人の音読を聞くのが良い、というのは確実にあるので、
それが教室で成しえないというのはちょっと残念なポイントかもしれない。



間の回だったかなと思います。
迂闊に教科書渡しっちゃって、
電話でデートのことの触れられて足ばたつかせて喜んじゃうけど、
ふとした瞬間に嫌なこと思い出して真顔とか、
感情の振れ幅を極端に見せていることを含め、
間の制御された回だったな、と。





店長の電話に喜ぶ後ろ姿、
デート中に見せるアンニュイな姿。
あきらの可愛さは見せたくない相手に見られ、
喜んで跳ねちゃうような姿を店長には見られない。

あきらの髪留めを喫茶店で見せてくれるのとか同ポで見せてくれるの、
オシャレなあきらを見せてくれて嬉しいのと、
テクニカルな部分を含め見てて凄く楽しい。

いつものクールな姿、飛び跳ねる姿、どちらも女子高生っぽくて凄く好で。
そして一瞬吹く風のように、
店長に魔が差すようにあきらを見るっていうのもまた良くて。
そういう瞬間を見せてくれるのがいいですね。



時が止まって。
盲目的ではない、人目もある、そういう打算的なところを意識しちゃうかな。
個人的には機能的にあんまこういう読み方はしたくないかな感。


Fate/EXTRA Last Encore 2話 を語る

2018-02-04 19:28:22 | ■新房昭之
面白い。今までのFateと違うのは原作があるにも関わらず全く原作通りではないこと。
全7回のトーナメント方式や戦うサーヴァントはあまり変化はないんでしょうが、
そこに至るまでの中身が全く違う。
原作の名前を借りて全く違うアニオリ展開だけど、
でも原作者が再構成してるから許される、そういう作品なのが新鮮ですね。
学校とダンジョンと決戦場しかない淡白な原作の後だと、
今作の情報量には圧倒されるものがあります。





OP。
ネロ1人でひたすらアクション。
コロシアムっぽいところで戦うネロは正しくローマって感じですかね。
原作は基本的に相棒になるサーヴァント1基でひたすら戦闘をするので、
単独戦闘っていうのは原作の精神を反映されてる感じでグッときますね。
Fateのディーン版では最終話まで溜めてた髪ほどきもいきなり見せる。

しかし血のイメージが付加されたネロってどこかキスショット思い出しますよね。
長髪姿なんかもその辺をダブらせられる印象。
八瀬さんのコンテですが、
キャラ単独で見せ切るのはクビキリサイクルのEDでもやってましたね。





崩れ落ちる決闘場、落ちる水と溜まる薔薇。
下のカットなんかは劇場版少女革命ウテナのカツヨパートっぽさもあって、
ちょっとなんだろうな、という印象も受ける。
そう思うと、ネロの長髪姿も一種の変身としての扱いなのかな。

アクションも俯瞰や後ろ姿、
長剣の長さを意識させるような大振りも楽しく、
また次から次へと走っていくネロの颯爽とした姿がかっこいいですね。



決闘場の崩壊と下に突き抜ける氷、そして火柱。
下の面があるというのがまどかマギカの9話を思い出す感じ。
あの天地がひっくり返る演出。
どちらも異空間演出ですが、火柱と氷の柱を含め、
どちらも天地の地となり得る感じがそういう印象を作ってるのかな。

決闘場に流れ込んでくる水が強い意図を作っているカットですが、
その辺はまだ雰囲気でしか見れないかな。
話が進むと影の敵が実体を持ちそうな感じですが、
はてさてどう転がるのか。
上から下へ水の流れのような素直さはあるのか、みたいな。



戦いに熱を込めるでもない流し目の流麗な表情付や、
ラストの涙も印象的。
ネロの別の側面を見せてくれてる感があってゾクゾクする。
本編が割といつもの調子なので、今後どのようなネロが見られるか、楽しみです。



本編。
シャフトで風呂で富士山でって見ると、まだネタにしたいのかとか思ってしまう。
葛飾北斎はいつかシャフトのアニメでぜひ出してほしい。
直近の富士山の引用というか印象に残っているのが傷物語なので、
やっぱコンビものという点で連続してるイメージはあるのかもしれないな、とも。
まあどうでもいい話か。



聖杯戦争の仕組みや世界観の説明、状況の整理を行ってますが、
本編が異常な展開を見せてるので、
ネロの語る説明が常識的過ぎてその食い違いが気になってくる。
最優のサーヴァントセイバーとか、そういう語り口が主人公にとって、
かすりもしていない、空ぶってる感も。
やや断言できなくなったところでリップシンクを入れてその弱気を強調したりと、
ネロの反応が面白いシーンだったかなと。



しかしラダーの中ってどうなってるんでしょうね。
原作でいうマイルームみたいなものなんでしょうが、
広すぎる感あるし。



異常な一回戦。
しかし実体を保つのに必要なもので電力、
って答えは仮想通貨じゃないんだからさーという感じが。
閉鎖空間で喫茶店のやり取りもまたまどマギ叛逆っぽさもあり。

今回はネロがひたすらしゃべり、主人公のモノローグは少なめで、
2人の剥離を光の当て方で対比するようなシーンもありましたが、
主人公の内側をネロに打ち明け切れていないところが気になるかな。
1話のモノローグが割と熱を帯びたものだったので、
黙って何かを内側に抱え込んだ冷淡な姿とのギャップもあり気になります。



バーでのやり取り。
反転する奏者とサーヴァント。
グラス越しみたいなの見せられるとコゼットの肖像を思い浮かべてしまうのでやめて欲しい。



背景。主人公は大きな絵。
聖杯戦争はどうなったのか、ドレイクがマスターとかどうなってるのかと、
謎が謎を呼ぶ感じですが、ある程度は類推できますよね。
ネロの知がなぜこの世界の異常性を読み解くことに繋がらないのかとか。
まだ主人公の方が世界を理解しているっぽいのが気になるところ。
主人公=プレイヤーの図式が成り立っていないのが今作のポイントなんですかね。





刺された廊下に異なる次元。
1話でも幾多の世界の重なり合いがある場所があることを説明されますが、
この世界もそういった重なり合いによって引き起こされているのかどうなのか。
本線に出られないマスターたちの意識を呼び起こしていますが、
その怨念の、憎しみの発端は、重なり合いはどこからくるのか、とか。
原作の序章の延長線上にあるものだとは思いますが、どうなるのか。



金縁の額に赤い絵。
そこにネロが重なってとか色々狙ってるのかな感。







主人公めった刺し。
1話でもこれでもかと刺されまくってましたが、
それでも生きているのはなぜなのか。
公式HPでデッドフェイスの説明がされてますが、
うーん、なんかラスボスの手の平の上で踊ってる感さもありなんというか。
原作では超強い敵というだけの認識でしたが、
寓話的なところを感じさせられる感あるかな。







ED。細居さんによる演出、イラスト。
曲的にクズの本懐も連想しちゃうかな。花のモチーフもありますし。
フリップフラッパーズ的なファンタジー性もかな。
曲と細居さんの綺麗なイラストが魅惑的なEDでグッときますね。
熱いネロ押しの作品なので、これからもそこを楽しんでみてきたいところです。


そういえばコンテの黒沢守さんが第一階層のデザインを兼任されているみたいですが、
これからの回想もコンテを担当される方が階層デザインをされているんですかね。
転輪聖王デザインとか細かなクレジットが通常のクレジットの間に挟まれてるので、
ちょっと見逃しそうになる。