流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

アニメ雑記 2021/3/30 を語る

2021-03-30 19:45:00 | ■アニメレビューとか
●ウマ娘 プリティーダービー Season 2 13話


今回は会長の言葉によりセリフのないビワハヤヒデの思いを代弁していて、
トウカイテイオーの復帰という複雑な意味合いのレースにおける、
出走するウマ娘たちの心情を一括に締めてるのが印象的だったな。
ビワハヤヒデの心情や彼女をライバル視するテイオーなど、
難しい局面を考えず、レースにただ勝ちたいという、
そういうシンプルなものに置き換えているのが見やすくて良かったなと。

1期のスペシャルウィークの見せ方が良くて、
2期はどうなるのかなとおもっていたんですが、全くの杞憂でしたね。

今作はテイオーを取り巻く競馬ファンたちの思いを描いていて、
奇跡の復活を遂げるトウカイテイオーというのを皆で見守る形になっていて、
それがグッと来るところでした。
明らかに1期のスペシャルウィークの応援とは違う、
目の前のテイオーの頑張りに対して胸を打たれる展開でグッと来ました。
自分もう泣いちゃってるなと思ったら画面の中のキャラもみんな泣いていてちょっと驚きましたが、
それぐらい大きなものが描かれたレースだったのかなと思います。

ただやっぱりどうなんだろうな、
テイオーが勝つというこの展開を、
自分たちはこのアニメというご都合主義が跋扈するメディアで、
この勝ち筋をどう受け止めたらいいんだろうなと、
思っていて気になったのがマックイーンの描写。


レースを見に行くことができないマックイーン。
柵と影による見えない壁、一歩を踏み出せない囚われの姿、
やや演出意図の強い画面でちょっと気になる。


実況でメジロ家の~と出てから、
息を切らせて走るテイオーの描写とマックイーンの行き来。
マックイーンがどうして重い腰を上げる気になったのか。
それは自分が一緒に走る姿をそこに思い描いたからなのか、とか。
だからこそ今のテイオーを見なければとなったのか。
ちょっと気になるシーンだったかな。


ここも演出意図の強いカットでしたね。
というかマックイーンの関わる描写は非常に意図の強いカットになってる。


光の指すその先の景色は果たしてどのようなものなのか。
一歩を踏み出せないマックイーンのためらう表情芝居、グッときます。




そこで目にしたのは先頭を狙うトウカイテイオーの姿。
信じられないものを見た、と目を丸くするマックイーンのインパクト。
美しいお嬢様が見せる表情からの逸脱に目を引かれる。




そんな中でテイオーが思い描くのはいつものマックイーンの姿。
マックイーンのためにも勝ちたいという思いと、
それを受け取ったマックイーンの顔の表情から察するに、
その思いの強さにどれだけ打たれたか。




自分の走りをしようともがくテイオーに思わず声が出るマックイーン。
もう今にも泣きそうなところに、
か細く出る声にマックイーンの思いのすべてが詰まってる感じで良いですね。

テイオーがいっていいのか、
というのはアニメというメディアからの引っかかりですが、
テイオーがくらいついっていけたのはマックイーンがいたからだ、
っていうのがマックイーンの描写から痛いほど伝わってきて、
当事者であるマックイーンが驚くほどのことなのだから、
もうそれでいいのではないだろうか、と思えたというか。

史実でテイオーが勝っていたとしても、
それをもってテイオーが勝つだけでは物語にならないと思うんですよね。
だからマックイーンがテイオーの奇跡を受け取るという、
そのインパクトをもって描写されてるのが個人的にグッとくる感じでした。


会長も思わず熱のこもる表情。
1期の偉そうな態度はどこへいったのかと思うほど。
これが父の顔かという感。





咆哮とともに1話と同じく駆け出すトウカイテイオー。
高速で走るレースの中で溜めを作るのは虚構めいた感じですが、
ローアングルからのダッシュは迫力のある画面でかっこいいですね。
あまり気にしてませんし、
史実反映なのでどうでもいい話かもしれませんが、
1話とは逆向きに走るレース展開になってますね。


スマホ片手に泣きながら応援するのメッチャ現代だな、
って感じでアガりますね。
たぶん自分一人で見てたらこんな感じだろうな、みたいな。


良いシーンで笑わすなと言いたいけど、
こういうコメディタッチがアニメっぽい感じ。
ウマ娘、往年のアニメっぽい展開を彷彿とさせつつ、
現代的なところが非常にグッときますね。


勝利した後で。
マックイーンとの間にはまだ断絶がある思わされる。
そして間にある細い道が、これから彼女たちが歩む道のような予感がある。
怪我をしたマックイーンがまた走れるのかどうかというか細い道というか。


ラストカット。コイントスでの出走。
マックイーンがまた走れるかどうかはコインの裏表のように運が絡む。
それを掴み取って二人がまた走り出すラストが綺麗で良かったですね。

肝心のゲームが難航していてこれは一生世に出ないではないか、
と思っていたら2期が始まり、アプリも配信が始まるなど、
テイオーの復帰にかけるような待ちに待ったアプリが、
また良い出来なのが非常に悔しいというかうまく持っていったなというか。
自分もプレイしてますが、出来の良さに感服してしまう感じ。
しばらくは勢いも続くと思うので、アニメ3期に期待したいところですが、
1期から含ませていたテイオーが終わったので、
次はどうなるんでしょうね。
そういえば久々に1期見返してたら2期のネタバレしてるじゃんって感じで、
よく2期作ったなという感。
2期は個人的にツインターボで泣きに泣きまくったので、
ゲームでも育てたい感。うーむ見事に術中にハマっている。

史実とかは抜きにして、アニメとして今後どういうものが見れるのかな、
という期待があるので今後に期待。
しかしキャラデの方経由かシンフォギアの方が結構参加されているので、
売れたアニメを作った人たちが別スタジオでまた売れたアニメを作っている、
という点も個人的に良かったなと思ったな。
売れることだけが大事じゃないですが、やっぱ売れるのは大事だと思うので。
次回作を楽しみに待ちます。

シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| を少し語る

2021-03-12 21:32:34 | ■アニメレビューとか
以下ネタバレ感想









冒頭。
個人的に気になったのは敵がポジトロンライフルを使ってくる点。
使徒相手に絶大な威力を発揮した武装がマリ1人に破れるのが気になった。
ここを考えていて、エヴァ全機アンビリカルケーブルを使っていないのに気づく。
序では電力という人の力をシンジに与えることが重要な点だったので、
人の力を宿していない電気は敵ではない、という考え方のかも知れないと感じたというか。
トウジが破ではずれを引くのも鉄塔の地中線引込架台がバックで、
地下に潜る暗示だったのか、みたいに思ったり。
妹に続いて医療系だったのがちょっと驚きかな。

第3村に入って、今回は本気でエヴァを終わらすつもりなんだなとちょっと見ていてウキウキしました。
大体エヴァって謎の組織力、資金力で全ての困難を克服してきたけど、
ここでは克服する力そのものが失われ、不自由な世界と陥っているが、
私達が生活している世界に最も近い。
シナリオの都合通りに資源が溢れる世界ではないというリアリズムがエヴァが持っている組織の万能感を破壊していて、
地に足をついた描写だったのは、エヴァという飛躍した世界を手繰り寄せるにはこのぐらい寄らないと無理だという判断と、
旧来のファンが嫌がりそうな展開を持ってきている覚悟に感服させられたというか。

重機を並べて見せているのも示唆的で、役割を果たさない機械に用はないという点と、
かつてはこの機械類を使ってこの集落を作ったんだろうなという予感があったかな。
なんでもすぐ直るエヴァ世界に置いて実際に世界を作り変える機械を見せる意義は何か、という疑問。
ここも私達の世界に近づいていることを予感させられるカット群でした。

エヴァは現実に帰れというテーマでよく語られますが、
今作を見て私達視聴者が共有している現実のイメージは思っているよりそれぞれ乖離しているのではないかと感じたな。
はっきりと今の現実とは自分の日常生活なわけで、
その個々の日常以外の現実に対する想像力の貧困さを示唆されているような気もします。


今回はプラグスーツがかなり目立った形になっているなと感じました。
というのも乾かしているプラグスーツが首なし死体のようなイメージを喚起させられたというのがまずあって。
これは最後に磔にされたエヴァ浄化?ラッシュに合わせてパイロットも浄化されているという感じだったのかな。
黒綾波が最後に消えるところでプラグスーツが白くなっていきますが、
TVシリーズのレイの自爆シーンはビデオ版で零号機が白いレイへと変化する追加カットがあったので、
あの形を意識しているのかなとも感じたかな。
以前の綾波レイに近いものになった、アスカの言う死装束としてのプラグスーツなど、
色々示唆に富んだシーンになっていたように思います。
レイが死を選んだ場所、生きてきた場所で死のうとするのはTVシリーズを思い浮かべると、
ちょっと感慨深いものがあったかな。
ゲンドウではなくシンジでもなく、綾波レイとして生きた場所で消えることが人間っぽいというか。

あとトウジが見知らぬ天井と化している感じが印象的だったかな。
Qもシンジはわけわからない感じで搬送されますが、
今回もわけがわからない形でシンジの主観が強調されるので、
シンジがみる見知らぬ天井は場面転換として効果的に使われてる感があったなぁとか。
見知らぬ天井とは過去を見つめるという点と、風呂は心の洗濯よ、というセリフも同時に思い出す感じかな。
シンジが過去に囚われるのは見知らぬ天井という話数と同じく、
過去の戦闘に思いを馳せてしまうから、なのかな、みたいな。

後の戦闘に見知らぬ天井はないので、
最後まで挫けなかったのは過去でできた世界だったから、
というのはあるのかもしれない。
克服した世界の中では負けない、負けられない、みたいなね。
いろいろな場所でバトルするのはもう笑っちゃうような展開で、
そこから第3村を蹂躙するのがゲンドウであると思っていくことで、
ゲンドウがシンジから見て明確な悪として描かれるのも気になったかな。
ゲンドウを否定するための第3村、というのはかなり大きな意味合いかなぁと。

そもそもネルフ側にゲンドウと冬月先生しかいないので、
第3村の地に足がついた描写に比べると非常にご都合主義的な組織になっちゃってますよね。
そのエヴァもどきたちとか第13号機とか2人だけで作ったの?戦艦も?みたいな。
現実感がなく、虚構感が強い。
ネルフというかつて所属していた組織を打倒するという形に持っていくために第3村が必要だった、
というのに非常に納得できるのがこの点。
しかし撮影スタジオ感出た演出は『ぱにぽにだっしゅ!』っぽくて、
ぱにぽにXとかエヴァパロも補完するイメージだったのかなとか思ってしまったな。


アスカの裸を見て動じないところを見せるのは旧劇から離れたところにある、
という位置づけのギャグとしても惹きつけられるシーンでしたね。
今作はアスカもレイもマリもミサトも魅力的なヒロインしていて凄かったですね。

マリがアスカの髪を切るシーンはあまり好みな髪切りアニメではないとは思いつつ、
こういうのをやってくれるのが嬉しかったのと、
初号機の中にいたレイの髪が伸びてるのもグッと来る感じでしたね。
そこで何年間も生きていたのか、と思わされる感慨深さみたいな。
長い髪を切るのもいいけど、短い髪が伸びるのもいいな、と思わされました。

中盤、アスカとマリが死装束と称したプラグスーツを着て出撃しますが、
過去作品の『トップをねらえ!』で出撃前に化粧をするシーンがあるので、
ああいうシーンとダブるような印象がしたな。
歌が流れるバトルで少女2人で無数の敵を蹴散らすとかトップっぽいし。
アスカが使徒の力を使いシーンも髪がオレンジに輝いてどこのバスターマシン7号とか、
左目の眼帯の下が実はってどこのディスヌフだよみたいな『トップ2』感もあり、
『ナディア』『旧エヴァ』を経て『トップ』に回帰する流れだったのかなとも思ったりも。
マリがちょっとユングっぽいとかね。
今回はちゃんと会えたし、という点から『トップ』をも補完されたような気がしたな。


槍がどうこうとか専門用語連発ですが、ちゃんとある程度説明してくれるし、
リツコがノータイムでゲンドウに発砲したり、槍作っちゃったり、
ヤマト作戦という名称からなんか真田っぽい扱いになってきたな、という感じに。
私達で槍を作ればいいんだ!もあまりエヴァっぽい展開ではないなという点で最終話っぽい感。


旧劇の最後の海のシーンを下敷きにしたアスカとの別れのシーンは、
成長したアスカの肉体ががプラグスーツを破っていてエロかった。
ここで「最低だ、俺って」「気持ち悪い」からだいぶ離れたところにきた感があってまた感慨深かったですね。
個人的に幼少期のアスカの回想、碇一家と孤独なアスカの絵が最後のマリと並んで好きなシーンでした。
おさるさんのキーホルダーはトラウマを呼び起こされる感じで見ていてドキドキしましたが。


怒涛の勢いでエヴァという作品が終わっていくジェットコースター感が終盤強く、
もう終盤はずっと笑顔で見てしまっていましたね。
心の中であ~!あ~!あーーー!みたいな叫びがこだまするような感じというか。
記事では語り尽くせない複雑な感情の波に覆われて、憑き物が落ちたというか。
作品が完結するということはこれほどまでに幸福なことなのかとも。

エヴァという作品が完結した。
この幸福感をしばらくは味わっていたい。
そんな作品でした。