流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

アニメ雑記 2018/4/30 を語る

2018-04-30 22:27:22 | ■アニメレビューとか
●多田くんは恋をしない
月刊少女野崎くんみたいなタイトルだなと思ったら、
その延長にあるアニメオリジナル作品ということだったので驚いたな。
てっきり似たような原作があるのかと思ったので。
漫画原作のようなポップさのあるオリジナル作品っていうのが珍しく感じられるな。
宇宙よりも遠い場所がきらら系の延長のように感じるのと似てる。
よりもいと違うのは、
ノーゲームノーライフのスタッフと銘を打ちながら画面が似通ってないのに対し、
こちらは野崎くんのスタッフが作った作品の延長にあるように思えるところかな。



1話。
冒頭で少女を撮影してる辺り、振り向きの画が印象的でグッときますね。
前髪の色トレスがふわふわした柔らか髪を印象付けていますし、
それに付随する髪の揺れも表情と相成って凄く可愛い。



多田君の部屋。
夜空の写真とか、そういうのを飾ってる所が共感ポイントですかね。



緑の瞳ってまたヴァイオレットみたいな。
その中にピンクを混ぜてる所でなんかユーフォみたいな、と思ったりとか。



北極星。
星をファンダー越しに見る多田君と直に見るヒロインという対比なんだろうか。
ヒロインをファンダー越しに見た多田君と直接多田君を見たヒロイン、みたいな。
こういうの好きなので、つい意識して見てしまいます。



OP。レインボー将軍。
TVに窓の光の映り込みが入っていたりとか、
この多重的な光のありようの見せ方が気になりますね。
自分たちがTVを見るときこういうのをどう意識してるか、
みたいなことを考えちゃうかな。



OPで好きなアクション。
飛び蹴りかましてOUTってところですが、
その後の着地とか相手のリアクションとかってのを捨てて、
飛び蹴りっていうアクションの意外性で終わるのが新鮮かなと。
画面に迫る女体っていうのもありますし。



日周運動。
今作ではきちんと反時計回り。
スカイツリーの作る風景とか東京っぽいところを入れてるのが新鮮かなと。



3話。
ヒロインのカップが虹色で、やっぱレインボー将軍好きなんやなーと思うけど、
北極星を見ていたことを思い出すと、これは日周運動的な円というか、
虹もまた円、みたいなことをやられている気がしたな。
虹=星の動き、虹は虹色、では星の色は、みたいな連想ゲームというか。
虹の下に空があるのかなっていうデザインが秀逸だからこそ、みたいな。
とりあえず虹色模様のカップはオシャレで可愛いですね。







関節キッス。
と思わず意識してるのかという感じでヒロインがカップに口をつける緊張感。
主人公が口をつけたカップに口を付けること、
っていうのをちょっと漫画チックに意識させながら、
でも口を付けるときはそんな意識も感じさせず、
という感情を意識させられる幅が大きくて目を引かれます。

猫の動きを追うようにしてカメラがそれまでの想定線を超え、
猫はカップに口を付けるところで自ら店を出る。
大塚明夫の渋い声で問いかける言葉によって、
それがどのようなものであるか規定され、ヒロインの自身の心情は隠蔽される。



4話。
同級生の秘密と恋心を見て恋に思いを馳せるヒロイン。
秘密を打ち明けられないことと、
恋していることを打ち明けられないことを掛けてるのがポイントですね。
グラビアアイドルの写真を見る姿から、
ヒロインの内側には何が隠蔽されているのだろうかと思わされる。
そんな臨場感のある引きの絵のPANが印象的。

多田君は恋をしない、というタイトルですが、
ヒロインが隠蔽していることと、
それを恋愛と表裏一体のように意識させる4話の構成など、
どちらかというとヒロインは恋をしているのだろうか、
と思わせられる方向に今のところ向いていて、そこにヤキモキさせられる感じ。

出会いの写真が大事にされているようなので、
その辺がどう繋がるのかを含め、また星関連を含め、
今後も見ていくのが楽しみです。


リズと青い鳥 を語る

2018-04-21 09:33:00 | ■京都アニメーション
見てきました。
響け!ユーフォニアム原作で京アニで山田尚子監督でと、
普段と同じスタッフなのにどこか毛色の違った作品という雰囲気で、
どういうものを見れるか楽しみな一作でした。
以下ネタバレ感想。


冒頭、リズと青い鳥のシーン。
木々に囲まれた湖、空の描写が窮屈で、
今作は狭い範囲の話なんだというのを初っ端で見せられた気がしたな。
リズの青い鳥を形容する言葉が舞台的という感じで、
リアル感というよりは虚構性を強調されているような雰囲気で、
創作、物語から何かを受け入れることを肯定するような雰囲気でもあったかな。

最初、みぞれの登校シーン。
最後に2人が別の場所へ歩みだすこと、そして終盤の下校シーンと合わせたシーンでしたね。
希美が登校してくるのをずっと待っているみぞれの見せ方が印象的でした。
瞳のアップなどクロースアップの多様や山田監督らしい足のアップ、
PANでみぞれの振り向きから目線の先を強調するなど、
静かなシーンを印象的に見せてくださっていたな、と。
ちょっとシチュエーションは違いますがユーフォニアム1期1話を思い出しますね。

体育座りが今作だと頻発しますが、
いつもみたいに座る動作をするときにスカートを抑えるとか、
京アニの十八番芝居は封印されていて、
スカートの長さの協調と、このくらいスカート丈があれば見えないよ、
みたいな、膝を抱える女子のパンツをいちいち気にしなくていい仕様になっていて、
キャラクターのセンチメンタルな心情に入っていきやすかったかな。

芝居、作画は京アニが初めてこれは劇場版作品なのです、
ということを突きつけてくるような感じがしたな。
スカート抑えの芝居について上げましたけど、
TV版のキャラデザではこれは見せられないだろうな、
という芝居、ポーズが凄く多い。
これをやりたいがためのか、ともう納得させられるというか。
もうどこが良いというか、この仕草が!とかこのポーズ!とか、
いちいち感嘆してしまう感じというか。
新鮮なとこ多くてどこが新鮮だったのか忘れてしまう感じ。
今の京アニの画面にちょっと退屈さを覚えている方にぜひ見ていただきたいですね。
これをヴァイオレットと並行して作っていたっていうのもなかなか驚かされます。

希美とみぞれの登校シーンですが、
2人の歩み、希美のほうが足早に歩いているのに対し、
みぞれはゆっくり歩いているのにFOLLOWで見せている。
みぞれが遅れて希美に走って追いつく、みたいなのがない。
最初は2人を一緒に画面に入れるための嘘なのかなと思ってたんですが、
物語的に言えばみぞれの歩く速度に希美が追いついていない、
希美がみぞれのブレーキみたいになっているという話なので、
ここは互いの歩き方でそれを見せられていたのかなという気がしたかな。

先に歩いていた希美が音楽室の扉を開けるところではみぞれがカギを開けている。
途中まで希美がカギを持っていたのでは、と思っていたし、
でも原作的に考えると音楽室をあけるのはみぞれだよな、
みたいにいろいろ考えちゃうシーンだったな。
ここでどちらがカギを持っていて、
どういうやり取りがあってみぞれが音楽室を開けたのか、
というのは作品を通して語られるミッシングリンクみたいに今思えば感じられる。

最初はほとんどセリフがなく、みぞれと希美しかいないので、
タイトルが出て、お馴染みのキャラが出てきてちょっとホッとさせられる場面も。
我らが黄前久美子きた!みたいな。まあセリフ一言二言しか無いっぽいですが。


リズと青い鳥の曲についてのあれこれや、
後輩たちとのやり取りなど、みぞれの行動を追っていくのが楽しい作品でした。
後輩からも慕われてる感じが新鮮だったなと。
ただ、TV版2期を終えた後だと、コンクールなんて来なければいい、
みたいに言うみぞれにちょっと傷つけられた気がしたな。
これは久美子視点で作品を見すぎているからかもしれない。
久美子の絡みがあまりないのがこの作品に対する不満の1つなので。
まあそれはどうでもいい話ですが。

今回も青春ものにありがちな進路志望調査から話が動いて行って、
あー、やっぱ進路からは抜け出せないのかーみたいなのはちょっと思った。
桑島法子の先生役が希美に対して孤独になったみぞれに接触するの、
中の人的ネタを遠回しにやっているのだろうか、みたいな。

音大を進められるみぞれに、自分も音大に行こうかなという希美、
じゃあ自分もというみぞれと、相変わらずなやり取りに見える中に、
希美側の視点を混ぜてくるところで話が動き出す感じに。

その直後のシーンでみぞれがピアノを弾いているシーンになって、
また不穏な空気になるようなところで鍵盤が出てきている、
と個人的にTVシリーズから気にしてたところがまた出てきて驚いた。
今考えれば中学帰宅部だったみぞれですが、
昔からピアノなど音楽に触れる機会があったことを伺わせる、
音楽的な才能を強調するシーンになっていたのかなと。
希美は恐らくフルートしかできないんだろう、みたいなね。

才能に負ける、と言えば1期でトランペットソロ対決になったときに、
久美子とあすかがやり取りしていた部屋?で、
希美と夏紀と優子でみぞれについて触れてるあたりは、
意図的に気にさせるように場所を決めていたのかな。

オーボエ&フルートペアに対して、後輩のユーフォ&トランペット、
久美子麗奈ペアが自分のパートでもないのに2人でそのパートをやっちゃうの、
先輩たちに対してなかなか挑戦的な感じで、
隙あらば自分たちがソロを成り代わってやるぐらいの雰囲気を感じて、
1期のスピリット無くなってないなとそこが個人的に凄く嬉しかった。
みぞれのオーボエを気にかけてくれたのも麗奈だったし。
和やかな雰囲気でしたが、TV1期を彷彿とさせられる。
その精神はやっぱ山田さんが持っていてくれたのかな。
色々拡大して含みを持って受け取ってしまいそうになりますが、
とりあえず個人的にはグッとくるなと。
流石我らが久美子、セリフなくても存在感あるぜ、みたいな。

みぞれがリードを作ってるあたりなんかは赤い糸の描写かな。
プールとか祭とか、色々イベントはあるんですが学校内だけでほぼ完結されているので、
だからこそ冒頭の登校シーンや下校シーンが光る感じだったかな。
そういえば登校シーンで階段を使った上下のやり取りを見ると、
やっぱ『けいおん!』の監督だった人だなぁと思わされる。

楽器の光の反射で遊んだり、教室でクシャクシャになっておかれたファイルだったり、
無邪気さや日常の中の風景を掬い取るのもけいおんを彷彿とさせられるな、と。

通し練習での最後の第三楽章の演奏がやはり印象的で。
昨年まではいなかったハープが加わっているのはそれまでの描写で分かりますが、
ここの演奏シーンにもかかってくるのだなとか、
みぞれの演奏に圧倒されてしまう希美だとか、
2人の立ち位置がはっきりしてしまうのを含め、印象的だなと。
TUでカメラが音楽室を突き抜けていくのも、
狭い範囲でスケール感はあまりないですが、飛び立つイメージとしてはいいかなと。
非常に静かな、感情の機微を描いた作品だったので、
大きな盛り上がりを期待しているとまた違った印象かもしれません。

BGMもみぞれたちの寄り添う感じで冒頭から印象的だったな。
希美の足音も気にする、
そんな僅かな音を見逃さないとするみぞれを見た後に聞く希美の歩くシーンとか、
みぞれが取りこぼさないないようにしている音、
っていうのをこちらも気にしてしまう感じ。
またそれが作品を取りこぼさないようにする自分のように思われたかな。
これはどうでもいい話。

影の作り方や映り込み、冒頭の長い登校シーンと合わせてハルヒを消失を思い出すとか、
同ポの使い方とか、みぞれと後輩ちゃんの話とか、それぞれのキャラの話とか撮影処理とか、
ほか色々あった気がしますがとりあえずこんな感じで。

山田監督作というだけでなく、
京アニ作品としても非常に新鮮な作品だったのが個人的にGOODでしたね。
なんかもうすでにだいぶ忘れてしまったので、また何度か見に行きたいです。


アニメ雑記 2018/4/13 を語る

2018-04-13 22:07:37 | ■アニメレビューとか
●ダーリン・イン・ザ・フランキス 13話



母親代わり。
ゼロツーに絵本を持ってきた影って結局何者だったんでしょうね。
ここまで観念的な存在は今作だとあまり見かけない気がして気になった。
ナデシコみたいな映像オチという雰囲気でもなかったですし。



シーツ畳み。
ここのテキパキとした芝居も目を引きますが、
最後に折るところでアゴでシーツを押さえるような感じになっていて気になったな。
手前の枠で見えませんがもしかしたら口でくわえているかも?
みたいな予感もあって、
衛生的できっちりしてそうな大人たちの芝居の中では、
ちょっと人間味がある感じがしてちょっと気になったかな。
ここは演出か作画かどなたからのアイディアか気になる。





境界を越える。
ここの一連で鏡を見せているのが気になるかな。
前回ゼロツーが鏡に向かって激昂してるのを見ているので特に。

別に血の色だけではなく肌の色、頭に生えた角など、
男の子と違うところはいくつもあったはずなんですが、
ゼロツーは血の色で人との違いを実感しているんですよね。
巨竜の血しか知らなかった、という線からの理解とか、
自分の血以外知らなかった、とか色々解釈できますが、
自分自身を見たことは無いのだろうか、と思ってしまう。
自分の姿が人と違うからこそ、現在のゼロツーはそれが許せないんでしょうし。

ガラス越しに相手は見るけれども、己を見ることは無い。
己のことを知った、人と違うことを知ったっていうのは、
自分自身の弱みをよく知っているわけで、
過去の相手しか見ていない、現在の自分しか見ていない、
ということの対比としてのガラスと鏡なのかなと思えたり。
そういえば5話でも鏡は使われてましたね。
どうでもいいですが、
5話の最後のPANアップってけいおん1期2期の最後のPAN意識なんですかね。

しかし木の下でとか木の上でとか、
雪の中とかなんかkanon思い出すな。

最初の女がゼロツーであった、というのもまた気になる感じで。
ナオミがいなくなったことが、回想で子供たちがいなくなることと同じ、
と言われてしまってる気がしてやや残念だった。



絵本とかまたやめて欲しいという気も。
魔女はパパたちのことなんでしょうが、
社会を構築する人々を魔女として描くのは新鮮に感じられたな。
人の落ち先の魔、悪意の総体というのを少女に背負わす形で魔女とか、
そういう存在としての側面が強かった印象があるので、
男性側呼称のパパたちを、その総体を魔女として扱うのは新鮮かなと。
まああの博士に背負わす感じで終わるかもしれませんが、
成り行きを見守りたいですね。
悪意を影と、影に載った文章で表現されてるのも悪意の形として新鮮なのと、
どこに文章を載せるのかには明確に意図があることに触れられてる気がしたな。

また高雄さんが色々背負ってる気がしてそこがやや気にかかるかな。
ここからどう転がっていくのか、一気に先を見るのが楽しみになってくる話数でした。


アニメ雑記 2018/4/12 を語る

2018-04-12 19:45:11 | ■アニメレビューとか
●ラストピリオド -終わりなき螺旋の物語- ED



ED。
昼と夜の境界とかこういうのはデフォルメされたものが使われるイメージだったので、
リアルな感じだったのがやや意外だった。
可愛いフォルムの作品だし1話も作画も頑張っていたけど、どうだろう。
今期はまた一斉にJC作品が始まったので不安。
EDで敵側キャラのEDっていうとウィッチクラフトワークスとか思い出しますね。


●HUGっと!プリキュア OP



星の動きが大きい星を中心にして反時計回り。
北極星を中心とした星の動きはこの通りなので、
教育的にも正しい感じがして好印象だった。

深夜アニメでこういうのをやる場合は大抵時計回りですし。
やっぱり意図として時計回りで時間の流れを肯定するのに使ってるイメージなんですかね。

WHITE ALBUMの2期のOPなんかは逆にそれが違和感になっていて、
本編で言及されませんが、とあるキャラクターが北極星の位置を、
北斗七星かカシオペア座から手を伸ばして探るような芝居があって、
そんな他のアニメでは絶対見れないような芝居をやらせるアニメのOPが、
果たしてそんな安直なことをするだろうか、
という思いがあるのをふと思い出したのでメモ。


ヴァイオレット・エヴァーガーデン 13話 を語る

2018-04-08 10:07:06 | <ヴァイオレット・エヴァーガーデン>


エメラルドをキャッチしたヴァイオレット。
確かなものを握る機械の手っていうのも印象的でしたが、
顔を上げたときに、
それまでは他の髪と重なって見づらかったほつれ毛が強調されるような感じが目を引いたかな。

破壊される右腕、取り戻したエメラルド。
以前のヴァイオレットは両腕も少佐も失いましたが、
今回は少佐は左目とヴァイオレットを残したように、
大佐の護衛、不殺遂行、残す左腕、取り戻すエメラルド(少佐)と、
少佐が残したものをヴァイオレットが同じように残してる感じで気になったかな。



客車の緊急ブレーキを使う辺りの付けPANがアクションの見せ方としては目を引いたかな。
派手なアクションではないですが、カメラワークで印象付けようという感じで。



爆弾撤去キック。
ここも足のアップで滞空してる時の足をカメラワークでランダム的に捉えて、
浮遊感とキックの力強さを印象付けてる感じが目を引きますね。
橋に手で捕まるところも含めてアップで印象付けることで、
アクションに切羽詰まった感じが出ているかな、と。



義手で爆弾取っちゃうヴァイオレット。
どこぞの草薙素子を思い出しますね。
最終的に左腕を失うことにより、
両腕が無くなるところを含めてパロディかなと思うほど。

結局両腕を失うのは准将の自殺を防げなかった責みたいなものもあるのかな。
後に手紙を書いているときも左手は使っていないようでしたし。
この辺はやや気になる感じ。

また両腕を失っても守るべきものを守れた、
という少佐の時とは違うことを描いている風でもあったかな。

以前境界の彼方の展示を見たときに、
監督による横顔の修正が数多く展示されていたので、
今回もかなり手を入れてるのかな。





夜明けや新しい義手が綺麗だったな。
両親から息子宛の手紙というのをヴァイオレットが理解してるというのは、
かつて郵便社では妙な手紙を書いていた時との対比なのかな。
いつもの正装っぽいかんじではなく、
以前の衣装で仕事をしているところからもそういうのが伺える感じ。
あと右腕だけで書いているのは、
初めてタイプライターを使った時にカトレアに咎められたような、
相手をビックリさせるようなタイピングを極力控えるという意図もあるのかな、とか。
相手をあまり驚かせないため、みたいな。



こういうのを見ると石立さんっぽいかなとか思う。





過去と今と。
少佐はヴァイオレットに心があると説いたんですね。
ランプの灯りがそのヴァイオレットのか細い心の光を代弁してるようでもあり。
ここを受けてシリーズを見返すとまた印象が変わるカットなんかがありそうですね。





ヴァイオレットと大佐の手。
少佐かもしれない、と駆け出すヴァイオレット。
物となってしまった手で傷ついた木の肌触りを確認するような手と、
拳で触って肌触りを、手で確認していない大佐。
2人の少佐への今の気持ちの対比なのかもしれませんね。



母。
最初白髪化したギルベルトかとも思ってしまった。
大佐のヴァイオレットです、と紹介する声がこれまでにないくらい優しくてビックリする。



一緒です。美しいです。
エメラルドが改めてギルベルトの代わりみたいな感じに。



だって今も、愛してるんだもの。
亡くなってしまってもまだ愛している。
ヴァイオレットが少佐の死を知った先では亡くなる方の手紙を書いてきていましたが、
亡くなったとしてもまだ思いは残り続けている、
だから気に病まないで、と語る母の言葉は染みる感じだった。
ヴァイオレット自身が多くの死の前に直面してきたからこそ、という印象かなと。



大佐の表情でもですが、
力んだところで影が深くなる描写なんかは細かな描写だなと。
目を細めるとか、感情を意図するパーツの芝居はよくありますが、
それに付随する肉の描写を印象的に描いているのに目を引いたかな、と。



スカートに張り付く足のシルエットがエロい感じで、
そういうのも含め印象的な感じだったなと。
その身は自由である、という意味での身体の描写なんですかね。
ほかアニメだと裸を出すような意図というか。





窓を越えるカメラ。
浮遊感のある描写が目を引きますね。
雪の風景も綺麗で印象的。
雪がヴァイオレットとしては不吉なものでもあるので、
いくつもの死の先にあるものとしての描写、
それを生っぽく描くカメラワークだったのかもな、とか。



航空祭。
社長の手紙が未来の子供宛っていう。
前回の描写でヴァイオレットが戻ってくることを意図してるのかと思いきや、
未来の子供のことも思っていた、という描写だったということで。
ヴァイオレットの思いについてもそうですが、
こういう風に見え方が変わっていくことが心を知ること、
ということなんだろうという風に受け取れたかな。
ヴァイオレットの体験だけではなく、一般的な心のありようを含め。



ヴァイオレットが上向くところで髪が印象的に描かれるのがやはり印象的。
画面奥で髪がひるがえるような描写はあまり見かけない感じだなと。



少佐が遠い場所に行ったことを手紙を書くことを通して知る。
あいしてる、を少しはわかるというヴァイオレットの描写が身に沁みますね。
今までもあいしてる、をもうとっくに理解しているという風でしたが、
最後に持ってきたのも納得かな、と。





タイムラプスとそれとは逆にスローで落ちる炎を宿した水滴。
星の巡り、陽の巡りの速さを描きつつ、
花に落ちるその水はゆっくりと、そして今落ちた、
という描き方がグッとくるなと。

花と水っていうのは5話辺りの描写を彷彿とさせられる。
ヴァイオレットがあの夜に抱いていた、少佐を見ていた感情は何だったのか。
それをヴァイオレット自身が理解したようで、
それを印象付けるためのタイムラプスだったのかなと思えたり。



ヴァイオレット・エヴァーガーデンです。
最後に誰かの代筆に赴くヴァイオレットですが、
傘の描写や入り口での描写が7話的な感じだったので、
またあの人かなと知っている人のような描写をしているのが印象的でしたがはてさて。

個人的に見ていてやはり9話がピークで、
その後は長いエピローグという印象がしたかな。
ヴァイオレットと戦争は切っても切り離せないものなので、
そこに直面した際にヴァイオレットはどのような行動をするのか、
というので兵士に戻るような選択をしたのがやや不満かも。
戦争の回避を行ったことで結果的にヴァイオレットは自動手記人形に戻れましたが、
果たして再び戦争になった時にどう動くのか。
その一面がちょっと気になる感じ。
まあ戦争を回避した=戦争にヴァイオレットは行かない、という描き方なんでしょうが。
自由となったヴァイオレットがどう行動するか。
それはまた自由ということ、なんですかね。

脚本:吉田玲子
絵コンテ:石立太一
演出:石立太一 藤田春香
作画監督:角田有希 丸子達就 門脇未来 丸木宣明
小物設定:高橋博行 太田稔

石立回。
最後は監督の締めということで。
楽しませていただきました。

まだ4話から5話の間の話とか(何気に一番重要な話では?)とか、
新作もあるようなので、そちらも楽しみです。


ヴァイオレット・エヴァーガーデン 12話 を語る

2018-04-03 21:37:35 | <ヴァイオレット・エヴァーガーデン>


和平と戦争と。
今回はヴァイオレットの手紙というのがあまり関わらずやや毛色の違う話でしたね。

ディスタリーにインテンスにetc、
この世界の地図や地名が結構出てきますが、
文字が読めないのと音や風景での説明がわかりづらく、
ヴァイオレットとカトレアたちが同じところに移動しようとしていることや、
敵軍の准将とヴァイオレットが意味深にインテンスの名を発することなど、
そういう話の繋ぎに気づくのが難しい感じがしたなと。
敵の回想でインテンスで燃える旗を引用したりとか色々してるみたいですが、
前回の収容所からの脱出兵云々とか、
話が繋がってるようなんだけどその首謀者との因縁はその地名と戦争の繋がりだけで、
ヴァイオレットととの直接的な因縁、
例えば少佐の死に関わったものだとかそういう相手ですらなく、
敵軍の将であったというだけで、シリーズを通して戦争との因縁に触れてきているにしては、
話を興味を向けるのを難しく感じる話数だったかな。



ヴァイオレットはどの時点で前話の場所に降りて、再出発したんだろう。
その辺の時系列やずっと飛行機飛んでるの?燃料大丈夫なの?とか、
そもそもそんな遠くまで付き合っていいのかなこのパイロットとか、
空の旅がどのようなものか触れられないのがやや不満。





インテンスで燃える旗の回想と暖炉と准将。
炎、やけどという点でヴァイオレットの罪、戦争の罪を彷彿とさせられますが、
未だにその渦中にいる存在という描き方なんですかね。



タイムラプス。
今回はややCGっぽさが増した感。
水の雰囲気のせいですかね。



大鉄橋。
橋っていうのが繋がりを意味する絵としても戦いにしても重要なものなので、
力入った絵という風に見えたかな。やっぱ橋って大事よね。
鉄道で繋がれることから和平の話へ、
そして手紙を届けることへと語るシーンも印象的で、
手紙を書くだけでなく届けることっていうのも重要なポイントですかね。
今までは王女の手紙以外は大体ヴァイオレットが直接届けていたり、
届ける相手のことを事前に知っている状況だったりして、
手紙を届けることにどんな意義があるのかを配達業務で描いたりしていたので、
より手紙を届けやすくなることの意義をヴァイオレットが受け取っているのが印象的かな。







外を走るヴァイオレットからカトレアの足元へ、
そして走った方向とは逆位置のヴァイオレットと繋がるシーン。
コンテが複数人なのでこの辺が分かれ目だったのかなとか云々。
カトレアのオフセリフでカトレア側という情報はあるにはありますが、
直前に左に向かっていたのはヴァイオレットだったので、
こちらで画面の流れから意図を予測しながら見ているとやや違和感を持つシーンだったかな。

個人的にヴァイオレットが会社の仕事を任務と言っているのがやや気になったかな。
まだ兵士時代の癖が抜けないのか、大佐の前だからそう言っているのか。
業務ではいけないのかな、とか。
そういう兵士であったころを彷彿とさせられるからこそ、
大佐もヴァイオレットを相変わらずのモノとして捉えるわけで、
ちょっと気になったな。



少佐のエメラルド。
ヴァイオレット自身が大佐に命令を、と口走ってしまうのも危うく。
既に軍人ではないのだから、というので大佐もヴァイオレットを外してるし、
カトレアたちだって関係ないヴァイオレットを遠ざけようとしてる。
しかし誰も死なせたくないヴァイオレットは戦いに身を投じるために命令を貰おうとする。
既にその身は自由なはずなのに、
っていうのが今回の齟齬のポイントなのかな。
手紙を書き続けたヴァイオレットの至った極地が再び戦場に立ち、
また相手をも生かすことであった、と。





大佐のオフセリフから同じ結論に至っているヴァイオレットへ。
こういうオフセリフの使い方、地図の見せ方も今回のポイントですかね。
ヴァイオレットの兵士としての思考を描いているのが今回の見どころでもあるのかな。
ただ言われた通り戦うだけの存在ではなく、きちんと思考しているという。
異常があったときに咄嗟に部屋の電気を消したりとか。



もう誰も殺したくありません。
このカット、やや目を引く処理かなぁ、と。

戦う瞬間にキラリとハイライトが回るのがやや引っかかる。
それはどういう反応なんだろうな的な。
やはり生きろ、なんですかね。



最後になるかもしれない瞬間に見るエメラルド。
そこには何の動きもなくそこにあるだけ。
少佐の瞳へとオーバーラップで見せて、
それが残された左目であることをここまで強く意識させる絵は初めてだったかな。



大佐に助けられる。
不殺なんぞできる力量ではないこと、
弟の死をヴァイオレットのせいだという見立てから、
大佐のヴァイオレットの怒りの本質を見せられているようでもあったかな。
敵からも味方からも恨まれている、
というヴァイオレットの火傷の具合、
そして不殺という覚悟と、
少佐からの命令は生きろだった、という引っ掛かりポイントも含めて気になる感じ。
少佐の命令に従っているという風なのが、
ヴァイオレット自身への呪いのように不殺を抱いてるような印象がするなと。
大佐が不殺を咎めることと、ヴァイオレットの生きろという命令を受けたことの返しは、
イコールとは言い難いところですし。

ヴァイオレットがエメラレルドを失くしたことで、
再び少佐の死に触れられてるのもポイントで。
エメラレルドを失くしたことで、
大事なものを守れていないことを大佐が咎めている風でもあるような、と。
准将に捕られたエメラレルド、どうなったんでしょうね。


脚本:鈴木貴昭
絵コンテ:河浪栄作 山村卓也 藤田春香
演出:澤真平 山村卓也
作画監督:植野千世子 池田和美 門脇未来 池田晶子 丸木宣明

鈴木脚本で世界観をえがく感じ、
っていうのは前回の登板回に引き続きという感じがしますが、
演出陣作画陣を見ると映画もあってスケジュール的に佳境という感じだったんですかね。
次を見るのが楽しみなような怖いような。
最後まで楽しんで見たいところです。