流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

氷菓 17話 を語る

2012-08-14 20:50:26 | <氷菓>


クドリャフカの順番、幕。
推理回にしては決め手にかける演出だったように思う。
折木の推理も、里志や伊原の苦悩もその青春の中の苦さとして味わえるが、
文化祭という盛り上がりの幕というのをイマイチ味わえなかったのが少し気がかりか。
これもひとつの問題提起なんだろか。
本当に、コレでよかったのだろうか、という。



校了原稿。
里志の持つ燃えた原稿の絵がかっこ良くてグッときたな。
既にこの時に問題は解決されていたので、
ある意味ここが幕だったのかなと思うとかっこ良さ的に言えばそうかもな、と。
言い換えれば、最初からクライマックス。



イリス先輩と千反田えると。
ポスターが意味深だったりイリス先輩を隠すレイアウト、
放送室のアオリなんもそうだけど、
この辺は石立さんっぽさが目立つところだったなー、とか。

それと並行して画面手前での男女の片付け作業に目が行くようになってるのが引っかかった。
犯人、十文字が女生徒への思いも胸に秘めていた、
というのをサラッと流されたけど、男女間のやりとりというのを、
古典部の外の風景から発見していこうとする視点が興味深いというか。

今回の古典部は折木以外が色々と苦汁をなめることになったわけだけど、
その中で芽生えたのは恋心とかよりは嫉妬とか、
自分にできないことを突きつけられる現実と慰め合いだとか少々後ろ向きな繋がりが強調されていて、
青春の苦さがかなり強調される回だった。
だから、それとは別の風景の一端を見せてくれたのが凄く嬉しくなったなと。
青春は古典部だけに、才能なんかを求めている中にだけあるだけでは決してない、
という余白感がやっぱグッと来るかな。
この奥のやり取りより男女の関係を中心に据えている、
っという意外性と、その意味合いを考える楽しさがあった。
まあそれだけの話しですが、この気遣いが嬉しいんだよなぁ、と。



折木の推理。
なぜここで里志?っとそのカメラの振り方がちょっと気になる。
また氷菓で推理を展開する際の奇抜な見せ方っていうのがコレしか無かった、
という点が非常に気にかかる。

また折木と犯人を交互に見せていって、
貴方が犯人、と折木がキメるシーンも引っかかりどころ。
折木と犯人を交互に見せながらそれぞれ写すポイントずらすことで、
折木の押しと犯人の引きが強調されてて摩訶不思議空間になっていたなと。
手前の柱が連続性を強調し続けるので、それがより違和感を煽ってる感じ。
決め方としては氷菓らしくないけど、興味深い見せ方かなと思った。

口で言えなかったから、と吐露したところで口を見せないレイアウトにしたりとか、
そういう見せ方も気になったかなと。
欠損などを意識させる考え方は武本さん的な部分かもなと。



閉会式。
わざわざ看板?というかを画面から切って見せてくる違和感。
会長は本当に事件の暗号に気づかなかったのか、気づいていたのか、
その狭間があることを伝えるニュアンスなのか、
顔の見えない生徒たちの姿のように、
文化祭の事細かな様相を見せることができずに終わる、
作品世界への名残がこうさせてるのか、
まあ色々考えてしまいます。
文化祭という脚本の余白を考えてしまうっていうか。

あと生徒会長の髪もやたら強調されてる感じで気になるっちゃ気になる。
このシリーズのキャラってもっと髪をまとめて表現していると思うので、
ああやって髪の重なりを強調するようなキャラっていうのは、
それだけ華があるキャラだという位置づけになるんだろか。
生徒会長だしなぁ。



先輩のセリフに合わせて寄っていくカメラ。



先週までとは打って変わっての人のいない校舎でのやり取りが気になる。
ここの通路でのやり取りは、「けいおん!」でいうところの部室のベンチ的なものなのかな、と。
個人的にはこうした風景に到れるところにいないので、正直ただただ見送るしかないシーンだったなと。
先輩が頑張っても夕べには骸にに勝てる作品が書けない。
そういう勝負するところの狭さ、
校舎の2つのように二者択一しかない狭さが苦いのかな、とも。



今回のシリーズは道とか光とかがまた強調されてたけど、
石立さんはその辺のニュアンスを残すだけで撮影場所っていうのに拘っていたのかな。
犯人とのやり取りも駐輪場から動かずに見せていたし。
屋根の凹凸、シンメトリーな建物に適当に置かれる自転車。
屋根の凹凸は波というか、一定ではない心、揺れる心情、
そういうのを見せたかったのかなーとちょっと思ったりもしたけど、
限定された場だけでどれだけ勝負できるか、
っていう挑戦だったのかな。
そういうことを思ってしまうぐらい、華のない演出だったように思ったので。
この淡々と次へ進んでいく感じが、青春のリアル感、なのかねぇ。

今回見てて気になったのは脚本家の消失。
前回の映画も今回の漫画も脚本を描いた人間が描かれない。
やっぱメタ的な意味合いで引っかかりを覚えてしまうので、
この辺はシリーズである程度形になる文脈みたいのが見えてくるのかな、
とそういうところに重点を置いてみたい感じ。

脚本:賀東招二
絵コンテ・演出:石立太一
作画監督:内藤直

というわけで石立回。
なんか久々に原画で多田さんを見かけたような?
やっぱ校了原稿の辺りなのかなー、かっこ良かったし。

話の苦さは何となくわかったけど、
自分は正直直視しても味わいきれない話なので、
余白を用意して下さった石立さんに感謝。

期待という言葉も今回少し説教臭く聞こえたけど、
まあ自分はいつも通り、次回にも期待、
と言って終わろうかと思います。



2 コメント

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Unknown (shin)
2012-08-16 18:18:13
 燃える原稿を手で消す里志。なかなかの特技でした(笑)。

 十文字事件は様々な苦悩が楽しめました。

 次回も、喜怒哀楽、どれでもいいので、楽しみです。
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Unknown (流星の人)
2012-08-22 00:00:01
確かに燃える原稿を手だけで消すとは凄いですよね。
十文字事件はちょっと後味が悪かったので、
ほろ甘い話を期待したいところです。
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