平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

狂牛病(BSE)と狂鹿病(CWD) (7)

2006年01月20日 | 食の安全
(7)特定危険部位

今日1月20日のニュースです。

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 政府は20日、輸入された米国産牛肉に、BSE(牛海綿状脳症)の病原体が蓄積しやすい特定危険部位の脊柱(せきちゅう)が混入していたため、12月に再開したばかりの輸入を、再び全面禁止する方針を決めた。

 安全が確認されるまでの措置。食品の安全性をめぐる議論の末に、一度は決着した米国産牛肉の輸入禁止問題は、振り出しに戻る。米国側のずさんな対応と同時に、米国に対する配慮から輸入再開を急いだ日本政府への批判も強まると見られる。

 問題の牛肉は、20日に成田空港に到着したもので、空港の動物検疫所で調べたところ、米国の業者から届いた41箱(390キロ・グラム)のうち、3箱(55キロ・グラム)に脊柱が混入しているのが見つかった。脊柱は、脳などとともにBSEを引き起こす病原体が蓄積されやすい部位とされ、除去することが日本の輸入条件となっている。

 小泉首相は20日夜、記者団に対し、「中川農相から米国産牛の日本への輸出は全部ストップすると電話で報告があった。米国にしっかりとした対応を求めるというので『それはいいことだ』と言った」と述べ、輸入の再禁止を了承したことを明らかにした。首相は中川農相に「厚生労働相とよく協議して米国にしかるべき対応を求め、適切な措置を日本として求めるように」と指示した。

 中川農相は同日夕に農水省で記者会見して、脊柱が混入した米国産牛肉が発見されたと発表し、「輸入プロセスの重大な違反となり、極めて遺憾だ。きちっと調査をして、米国政府に厳重に申し入れをしたい」と強い不快感を表明した。

 米国産牛肉は、米国内でのBSE発生を受けて2003年12月に日本が輸入を停止。内閣府・食品安全委員会のプリオン専門調査会(座長=吉川泰弘・東大大学院教授)で、輸入再開のリスクを検証し、脳や脊髄(せきずい)などの特定危険部位の除去や、生後20か月以下の牛に限ることを条件に、2年ぶりの再開を決定。12月16日に解禁から初めての米国産牛肉が成田空港に到着した。

 米国内での特定危険部位の除去作業をめぐっては、昨年8月、米国政府が自ら1000件を超える手続き違反を公表していたこともあり、以前からずさんさが指摘されていた。

 食品安全委は、昨年12月8日に農林水産、厚生労働両省に出した答申の中でも、輸入再開の条件が守られなかった場合は「(再開後に)輸入を停止することも必要」と指摘している。
(読売新聞) - 1月20日21時38分更新
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060120-00000013-yom-bus_all

日本政府の、米国産牛肉輸入再開の決定が誤りだということが、露呈しました。これによって、米国産牛肉の輸入がしばらく延期されることは、たいへんよいことです。

BSEが蔓延している今日、牛肉を食べる場合、プリオンが含まれている可能性がある特定危険部位(SRM)を除去することが大前提です。ところが、アメリカの食肉処理場ではSRMが適切に取り除かれていないということを、今日のニュースは証明しました。

すでに2005年4月に以下のように報道されていたのです。

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 BSE問題に関連して、アメリカ農務省の現役食肉検査官がNNNのインタビューに対し、「食肉処理場の検査体制はずさんである」と具体的に証言をした。現役の検査官がテレビカメラの前で、このような証言をしたのは初めて。
 食肉処理現場のずさんな実態を証言したのは、牛の月齢判別や危険部位の除去などが適正に行われているかを監視する農務省・食品安全検査局の現役の食肉検査官。検査官は「米国内で本来、食肉として処理されてはいけない、月齢30か月以上の牛の危険部位が処理される場面をこの2日間だけでも2度目撃した」と述べた。また、処理場の従業員の多くが、まともな訓練も受けないまま、月齢判別などの現場を任されているため、間違いや見過ごしが日常的に起きていると述べている。さらに、間違いや見過ごしを指摘した場合にも、処理場や農務省の幹部にはとりあってもらえず、現場の検査官の権限がほとんど生かされていないと訴えている。その上で検査官は「処理業者が、農務省に指図をするという構図にはもううんざりだ。結局、業者は検査官をなるべく排除しようとしているんだから」と述べた。
 今回の取材に応じた検査官以外にも、農務省の基準が守られていないと主張する現場の担当者は全米で声を上げ始めている。
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http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/89c21679c9a1a74908daa94270800649

こういうことが以前から指摘されていながら、米国産牛肉の輸入再開を決めた政府関係者、食品安全委員会、また輸入再開を求めた「早期輸入再開を求める会」の責任は重大です。彼らは日本国民の健康を何と考えているのでしょうか。国民の生命よりもブッシュ政権の意向や、外食産業の利益のほうが大事なのでしょう。

1月17日のブログにも書きましたが、最近は嘘、ごまかし、不正が暴露されるがどんどん早くなっています。ライブドア事件もそうですね。業の世界の消滅が加速しつつあります。