平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

ライブドアとオウム真理教

2006年01月24日 | Weblog
ライブドアに強制捜査が入って以来、ホリエモンを英雄として囃し立てていたマスコミが、手のひらを返したように、その違法な手口を報道し始めました。変わり身の早さには感心します。

私は株のことはわかりませんが、その道のプロは、ホリエモンの手口の胡散臭さをとっくに見破っていました。昨年のフジ・サンケイグループの買収のとき、「ホリエモンの錬金術」という、いまアクセスが多いブログで、山根治さんという方が次のように指摘していました。

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 今回のホリエモンの一連の買収劇を見ていますと、まさに「から騒ぎ」以外の何ものでもありません。さしずめ、「マネー・ゲームのから騒ぎ」(Much ado about empty money)といったところでしょうか。
 それにしても、各テレビ局には有識者と称していろいろな人が出てきては、いかにももっともらしいことを喋っていますね。
 テレビに顔を出してはコメントしている大学教授、証券マン、証券アナリスト等、この人達は株とか企業の実態を本当にご存知なのでしょうか。疑問ですね。
 マスコミのこのから騒ぎについてのとらえ方もピントが外れているようです。
 たとえば、旧体制と新興勢力とのせめぎ合いととらえている向きもありますが、なに、日本の超優良企業グループ(フジ・サンケイグループ)に対して、ホリエモン率いるインチキ虚業集団(ライブドアとその関連企業)が、ハゲタカ・ファンド(リーマンブラザーズ)の手先となって、仁義なきケンカを仕掛け、一般投資家とフジ・サンケイグループを食い物にしようとしているだけのことです。
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http://blog.goo.ne.jp/yamane_osamu/

ホリエモンのような詐欺師を時代の寵児としてもてはやした「有識者」=「大学教授、証券マン、証券アナリスト」は、詐欺師と同じくらい責任重大だと思います。なにせ、今の子供たちに「理想の人物は?」と質問すると、「ホリエモン」という答えが返ってくるそうです。「ホリエモン」というあだ名自体が、「ドラえもん」との類推で作られているネーミングで、いかにも無害で子供たちの味方のような印象を与えます。しかし、「稼ぐが勝ち」「心も金で買える」と公言する人物を憧れるような人間が充満したら、世も末です。そういう子供たちも、今回のホリエモン逮捕で目を覚ましてくれるといいのですが。

こんな詐欺師を「改革」の旗手として持ち上げた小泉首相、竹中平蔵大臣、武部幹事長、そして経団連に受け入れた奥田碩トヨタ社長・経団連会長の目も節穴だったわけですが、「稼ぐが勝ち」という価値観を共有していたので、怪しいともなんとも思わなかったのでしょう。

このライブドア事件の報道を見ながら、どういうわけか1995年のオウム真理教事件を連想しました。

ライブドア事件の主役がみな30代の青年であるのと似ていますが、オウム真理教事件も若者たちの犯罪でした。最初は奇妙な団体だと思われていましたが、その奇妙さがマスコミに受け、マスコミに露出して、「ああ言えば上祐」氏らが詭弁を振り回していました。ところが、何人かの著名な宗教学者が彼らを持ち上げ、英雄扱いさえしました。オウム真理教の洗脳に手を貸していたわけです。

宗教犯罪と経済犯罪と領分は違いますが、よく似た構造です。

昨年の総選挙広島6区では、8万4千人がホリエモンに騙されました。マスコミが洗脳の道具になることがよくわかります。