平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

狂牛病(BSE)と狂鹿病(CWD) (1)

2006年01月11日 | 食の安全
このブログの2005年2月10日に、「クロイツフェルト・ヤコブ病」を書きました。

もう一度確認しますと、「クロイツフェルト・ヤコブ病は、脳がスポンジ状になって痴呆状態に陥る病気です。この病気にはいくつかの種類があるようですが、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病というのは、プリオンというタンパク質の一種を摂取することによって生じるということです。プリオンは狂牛病(BSE)になった牛の特定部位(脳や脊髄)に多く含まれます。早い話、狂牛病になった牛の肉の特定部位を食べることによって発症します。」

私は、「このような状況で米国産牛肉の輸入を再開しては、危険すぎます。日本政府は、アメリカの圧力に屈することなく、国民の食の安全を第一に考えてほしいものです」と書いたのですが、同年12月12日に、厚生労働省は米国産牛肉の輸入再開を決定いたしました。
http://www.mhlw.go.jp/topics/2005/12/tp1212-1.html

すでに米国産牛肉が日本で販売されています。

この間、この問題に関してインターネット上の情報を色々調べてみましたが、恐ろしい事態が進行していることがわかりました。結論から先に申し上げますと、米国産牛肉は非常に危険です。

(0)国際安全基準とは?
「米国産牛肉全面的早期輸入再開を求める会」という会があります。
http://kaikin.jp/index.php

この会は、「日本政府が国際安全基準にそぐわない〔非合理的な、厳しすぎる〕要求をアメリカにしている」のはおかしい。それを「国際安全基準」(グローバル・スタンダード)に合わせて、安くて美味しい米国産牛肉を早期に輸入再開すべきだ、というキャンペーンを行なった会です。そのメンバーは、吉野家やスエヒロや焼き肉屋などの外食産業、食品販売業者などです。

この会があげる「国際安全基準」とは、

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I.人がBSEに感染しないために、SRM(特定危険部位)を人にたべさせない=牛肉として流通する前にSRMを除去する
II.牛がBSEにならないために、牛の肉骨粉を牛にたべさせない
III.IIの対策の効果測定のための、病牛や死亡牛のBSE検査
※現状では、完全な検査方法はなく、30ヶ月未満の若い牛は病原体となる異常プリオンが脳に蓄積しないため、検査によるBSE検出は難しいとされています。
★最も重要な安全対策は、SRM(特定危険部位)の除去です。
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http://kaikin.jp/genzyo.php

と述べています。

アメリカの現状は、この「国際基準」に合致しているのでしょうか。そのことを以下で検証してみましょう。

(1)肉骨粉、レンダリングとは?
まず、狂牛病の原因となる肉骨粉(meat and bone meal=MBM)とは何か、ということから見ていきます。そのためには、肉骨粉を作る際の「レンダリング」(Rendering)という作業について知る必要があります。

以下は、ペットフードに関するサイトからの引用です。

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レンダリングとは死んだ動物や病気の動物たちの肉を集めて混ぜ合わせ、高温高圧をかけて油脂と肉骨粉をつくることです。

アン・N・マーチンの本「食べさせてはいけない!ペットフードの恐ろしい話」(白楊社)にレンダリングの実態が詳述されています。

「レンダリング工場では食肉処理場からきた原料〔処理場に運ばれる前に死んだ動物たち、頭部や足、毛根骨や足根骨、毛、羽毛、乳腺が、死骸に高レベルの薬物や殺虫剤が入っている原料がレンダリング工場へ運ばれます。癌組織や腫瘍、寄生虫に感染した器官が、汚染された血液が、充血部位や血痕、骨の破片あるいはそこに付着したもの。
つまり食肉の産業廃棄物は全てレンダリング工場行きとなるのです。〕
そのほかに、レストランやスーパーマーケットが出したゴミ、死んだ家畜、路上轢死動物、安楽死させられた犬や猫などのコンパニオン・アニマルが巨大な容器に投げ込まれます。そして機械がこれらの原料を砕き、その後104℃から132℃の間で20分から一時間加熱処理します。すると脂肪や獣脂が上に浮いてくるので、これらを取り出します。
これがペットフードに含まれている動物性脂肪の元になるのです。
最後に残った原料は加圧して水分を搾り出し、肉骨粉になるのです。」
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http://www.apsodog.com/bon08_2.html

※以下には、アン・N・マーチンの本のもっと詳しい紹介があります。
http://www.inualle.com/main/dogfood.html
これを読みますと、犬やネコの死骸もレンダーされて、油脂や肉骨粉にされ、ペットフードとして「再利用」されていることがわかります。

すなわち、

動物の死骸→【レンダー】→動物性脂肪+肉骨粉

ということになります。

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日本で販売されている有名〔ペット〕フードの多くは、海外のこうしたレンダリング工場でつくられた肉骨粉を原材料としてつくられています。各メーカはこの肉骨粉に自社のオリジナルの材料や添加物をくわえてフードとして完成させるのです。
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http://www.apsodog.com/bon08_2.html

海外の動物性脂肪と肉骨粉を使ったペットフードには、保存剤、殺虫剤、薬剤(動物を安楽死させるときに使う毒薬)などの化学物質も含まれています。そういうペットフードがどれほど恐ろしい食べ物かということ、そして、そういうペットフードばかり食べさせていれば、ペットが病気になるということは、上の二つのサイトで十分に説明されていますから、ここでは触れません。

肉骨粉とBSEの関係に戻ります。問題は、肉骨粉がペットフードだけではなく、家畜の飼料としても使われることです。