平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

遺伝子と因縁因果(1)

2005年02月23日 | Weblog
「笑うかどには」で「すずきさん」と遺伝子のことについて色々と話し合いました。詳しくは、2月17日の投稿と、コメントをご覧下さい。その時、以下のことを考えました。

前世紀の科学上の最大の業績の一つは、言うまでもなく遺伝子の発見です。生命が遺伝子の暗号によって操られているということは、今日の常識です。

遺伝子のことが広く知られるようになるにつれて、一時、「遺伝子決定論」ともいうべき観念が生まれました。人間の体質、才能、健康や病気などは、すべて遺伝子によって決定されている、という考え方です。

遺伝子が人間の体質に、大きな影響を与えていることは事実です。たとえば、男女の性差は遺伝子(染色体)の違いです。日本人の髪が黒い直毛で、瞳が暗色で、皮膚が黒でも白でも赤でもないのは、遺伝子による性質です。日本人の金髪や茶髪は、遺伝子の突然変異か、それ以外の人工的操作によってしか生じません。

しかし、村上先生の『遺伝子オンで生きる』(サンマーク出版)によると、現代の遺伝子研究は、遺伝子決定論は一面的であることを示しつつあります。

遺伝子は親から与えられたもので、遺伝子自体は生涯不変です。しかし、遺伝子の働きは、日々ダイナミックに変化しているのです。様々な遺伝子がオンになったりオフになったりしながら、必要な(あるいは場合によっては不必要な)タンパク質をつくり出しています。

「遺伝子がオン/オフ機能をもっていることは、もはや明白な事実です。そして、このオン/オフ機能は、けっして一生固定されているものではなく、物理的刺激、化学的刺激、精神的刺激によって、変化することがわかってきたのです」と村上先生は書いています(22頁)。

私の両親は2人ともガンで死んでいます。父は47歳の時に胃ガンになり、70歳過ぎに大腸ガンになりました。母はやはり胃ガンで67歳で死んでいます。私がガンの遺伝子を相当大量にもっていることは確実です。

遺伝子決定論の情報に接したとき、私は嫌な気がしましたが、何となく「自分はガンにはならない」という想いが湧いてきました。それは、私が日々世界平和の祈りを祈り、神との一体化に努めているところから自然に湧いてきた想いであると思います。

村上先生の遺伝子のオン/オフ機能を知り、この想いには科学的根拠があることが分かりました。たとえガン遺伝子を持っていても、物理的、化学的、精神的な環境をととのえれば、その遺伝子はオフのままだからです。具体的には、野菜を中心にした食事、適度な運動と睡眠、そして何よりも平安で明るい心の状態――そういう生活を続けていれば、ガン遺伝子は発現しないはずです。

私は特別そうした生活に自分を律しているわけではありませんが、自然にそういう生き方になっています。私は、父が最初に発病した年齢をすでに10歳ほど超えましたが、いまだにガンの気配はまったくなく、健康そのものです。

よく喫煙がガンの原因か否かということが議論されます。統計的には、喫煙者はたしかに肺ガンになる比率が高まります。しかし、喫煙はガンの原因ではない、と主張する人たちもいます。そういう人たちは、自分も含めて、ガンにならないヘビー・スモーカーがいることを例としてあげます。私の知人にも、いくらタバコを吸っても肺ガンにならない人がいます。

こういう人はおそらく肺ガンの遺伝子を持っていないのでしょう。ですから、どんなにタバコを吸ってもガンになりようがないのです。

しかし、多くの人びとはガンの遺伝子を持っていて、それがタバコという化学的刺激によってオンになるものと思われます。ですから、大部分の人類はタバコをひかえた方が賢明なわけですし、ガン遺伝子を持っていない人も、自分の喫煙で他人に迷惑をかけてはいけないわけです。(続く)