現在では、神奈川県秦野市と姉妹都市関係にある。
1920年代、当時ヴェルグルでは大恐慌により、景気は史上最悪に低迷していた。
失業率は10パーセントを超え、財政状況も破綻するところまで目に見えていた。
失業者のうち半分以上は失業保険も切れて、生活保護を受けていたために、町の財政では支払い不能に陥っていた。
財政赤字を100とすると税収は、6という絶望的な比率である。税金滞納額の比率は220である。
このような状況下で、同町のミヒャエル・ウンターグッゲンベルガー町長は、1932年から「減価する貨幣」である地域通貨「労働証明書」を発行した。
この労働証明書は、紙幣にスタンプを押す欄がある。
毎月その金額の1パーセントに相当するスタンプを郵便局に支払って、購入しなければ紙幣として100%の価値にならない。
モノを売ってこの労働証明書に換金した場合、いちはやく買物しなければならないのである。
その結果、著しく流通速度がアップして経済が促進された。
町は1000シリングの労働証明書を役場の職員の給与として発行。
そのわずか3日後には、5100シリングもの税金が市役所に支払われた。
税収もまたすぐに、モノやサービスに変換するため、驚くべき速度で流通は早まった。
税金を前払いする町民まで現れた。
オーストリア全体での失業率は増加が続いていたが、この町だけは次々と失業率が減少。
ところが、ウィーンの中央銀行は、これを政府に対抗する危険なものであると判断し、その一年後廃止された。
自然主義経済は実現不可能なものではない。
問題なのは、現行の与党政府は、これを禁じうるということである。
だからやがて自治体でこれを実行しても、国の政権をとらなければならないかもしれない。
また、既存の価値観に縛られている現代の人々には、これを理解する事ができないということにある。
だが、もともとお金というものは、人間が衣食住を満たすために作られたものである。
それが、今、本末転倒な結果として、人類は経済の奴隷と化している。
これが、すべての政策諸課題に大きな問題を作っているのである。
自然主義経済で解決できないのは恋愛の問題だけだ。そんなのは自分でなんとかやってくれ。
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