感動としあわせの家づくり物語

岡山県倉敷市の工務店「林建設」の大工職人「林俊文」が仕事で感じた「感動としあわせの家づくり物語」を綴っていきます。

得たことで無くす何かを知らないままに生きるのは・・・

2014-02-28 23:53:01 | 林俊文の想い
実に色々な事があった2月と言う一ヶ月間を終えようとしています。

正に連日連夜、一日平均16時間以上を労働時間を要し今月の休日は二回。

時間に換算すると672時間中、416時間。

其処まで仕事に時間を割いた一ヶ月間で私が得たものとは一体何か・・・

儲かりますか?と聞かれれば人の倍働く訳ですから当然儲かりますし、これで儲けれないのなら仕事としてやる意味はなし。

只、自分がやりたい「家づくり」の理想からは大きく逸れた一ヶ月。

賃金を貰って仕事をする訳ですから勿論、特別に今月の仕事の質が悪い訳でもなく、いつもと変わらない高いパフォーマンスを見せてくれた職人さんたちの心と技術は相当なもの。

では何が自分の理想と違うのかと言えば、お客さんの近くに自分が居られなかった事。

自分がお客さんの近くにいなくては成らないと思うのは自分の勝手で本来の企業のあり方なら経営者が現場に顔を出すことなくも滞りなく工事が終わり、施主さんが満足してくれる事が理想。

只、現場でなくては解らない事が山積みなのも現状。

机の上から理想を述べるだけのつまらない職人には成りたくない。どんなにやる事が変われど、大工職人としての魂は決してなくしたくないのは自分のワガママなのからもしれません。

会社として今月、得た売上は大きな一ヶ月ではありましたが・・・

私が今月、得たものは大きな後悔だけ・・・しかし、今月から学ぶことは大きく今後の自分の人生につなげなくては今の後悔が報われることはありません。

先ずは明日からの三月もう一度、自分の原点に立ち返り再度一歩、一歩と着実に歩み続けなくては・・・

走ってばかりでは見えない景色があるのは勿論、足の裏に伝わる道の凹凸なども正確には解りません。

デジタル化されたスピード勝負の世の中だから、そういった自身の五感で感じる感覚を無くしてしまっては機械と変わらぬ無機質な人間になってしまう様な気が・・・

写真は本日、一期工事が完工する間際にトイレのドア枠の靴摺部分にステンレスの板を貼ってくれている最中の建築板金職人の三宅さんを撮影。

鋼板やステンレスなど無機質な素材を使う板金職人、そういった素材を使いながらも何処か温かみを感じさせてくれる仕上がりになるのは彼の技術と人柄なのでしょう。

心を無くした「もの」の価値と行く末には決して幸福は待っていないのだと知っているからこその技術なのでしょう。

そんな事を彼から学べた今日という日もそろそろ終わりに・・・

一本の木から始まる感動としあわせの家づくり物語 林建設 林俊文

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