■哨戒艦,完全個室の意義
完全個室というものは単なる贅沢に留まらず必要な施設として思ったよりも大きな意義をもつのかもしれません。
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哨戒艦について。もがみ型護衛艦の量産とともに中々に音沙汰が無く、無かった事になったのではないかと危惧していたところに漸く実現の見通しが立ちました構図です。護衛艦の警戒監視任務が増大していた中でこれ以上の平時における警戒監視任務を強いられた場合には有事の際の能力にも影響が及ぶのではないかという危惧があり、具現化は朗報だ。
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哨戒艦はジャパンマリンユナイテッドが建造を担当し基準排水量1920t、全長95mで速力20ノット以上、そして30mm機関砲と多目的飛行甲板及び艦尾揚収装置等を設計に盛り込み、省力化を重視し30名規模での運用を想定しているという。そして平時における警戒監視が任務ではありますが、わたしはある重要な任務にも護衛艦に代わり対応し得ると思う。
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重要な任務とは。ソマリア沖海賊対処任務、忘れられているかもしれませんが2022年も継続中で現在は佐世保の第2護衛隊群が担当しています、派遣部隊は艦艇部隊では護衛艦1隻体制となっていますので過去の2隻体制ほどではありませんが、交代の護衛艦回送を含めますと常時1隻をアフリカ沖へ派遣することは簡単なことではありません、ここに。
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ソマリア沖海賊対処任務、哨戒艦は派遣される護衛艦よりも小型ではありますが、基本として海賊に対しては機関砲を搭載する哨戒艦でも対応は十分です、いや、リンク16のような各国海軍艦艇とのデータリンクシステムを搭載するならば海上保安庁巡視船でも対応できるのですが、あきつしま型などリンク16搭載巡視船は若干数であり現実的に不可能です。
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インドネシア近海の海賊対処任務、5月から巡視船みずほ、がインドネシア周辺か遺族対処へ派遣されていますが、ソマリア沖のように各国海軍が有志連合による国際部隊を派遣する事例を除けば対応できる事を示していますが、有志連合における運用に海上保安庁は法執行機関であり準軍隊でさえ無い為に指揮階梯や統合運用に対応できず、自衛隊の任務だ。
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基準排水量1920tという哨戒艦は満載排水量であれば2100tから2200tというところでしょう、武装は機関砲のみですが相手は海賊であり、アニメや映画の様に強力な武装ではありません、基本的に貨物船が接舷さえされなければ、放水程度で自衛できるものであり海賊行為疑いの不審船に対応するには、特に武装の面ならば機関砲でも充分といえましょう。
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30mm機関砲だけでは死角があるというならば、12.7mm機銃を増設するか、RWS遠隔操作銃搭を後部に搭載し死角を省くという選択肢はあります。なにより護衛艦の様に艦砲にCIWSは勿論、対艦や対潜各種誘導弾は必要ありません。SH-60J/K哨戒ヘリコプターは搭載しないようですけれども、全ての航空機が使えない訳では、といえるのかもしれない。
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多目的飛行甲板が設計に盛り込まれている為にスキャンイーグル無人機を運用可能です、滞空時間が長く元々鮪漁船の魚群探知用ですのでこの規模の船体でも充分といえる。海上自衛隊が導入を予定しているMQ-8無人ヘリコプターも搭載できるでしょうし、発着だけならばSH-60哨戒ヘリコプターも可能で特別警備隊の母艦としても対応できるといえる。
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艦尾揚収装置が構造物に含まれる為、特殊警備艇SB-25などの搭載も可能です。海上自衛隊には人員不足があり、SB-25を搭載しても運用人員が、こう思われるかもしれませんが江田島の特別警備隊など、護衛艦運用とはそれ程関係の無い部隊が温存されていますので、ここから例えば一個班9名を分遣隊としてソマリア沖に派遣する事は難しくはありません。
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海賊対処任務であれば海上保安庁からも8名程度の人員派遣を受けています、これは海上自衛隊には司法警察権が付与されていない為に海賊逮捕などの業務を海上保安官が担う為でもあるのですが、哨戒艦の船体規模からは護衛艦並に海上保安官の同乗を受けるだけの余裕も考えられ、少なくとも海賊を検挙した後の対応については人員が確保できています。
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哨戒艦の乗員は30名規模、交代で回航する哨戒艦を含めても2隻で60名です。これが護衛艦ですと、むらさめ型護衛艦は165名、2隻で330名となります。この2隻が日本周辺での警戒監視に当り訓練から外れる事を考えれば、少なくない負担となります、しかしそれ以上に休養が撮り難いソマリア沖に派遣されるとなれば、その負担はさらに大きくなる。
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哨戒艦が仮に乗員全員を個室とできるような余裕ある設計ならば、護衛艦の大部屋で幾日もアフリカ沖で勤務するよりも負担を抑える事が出来ます、そしてこれほど省力化が進んでいるならば、3クルー交代制を執る場合にクルー単位で、例えば自衛隊ジブチ航空拠点などへ海上自衛隊輸送機を活用し交代人員を送るという選択肢も、可能となるのでしょうね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
完全個室というものは単なる贅沢に留まらず必要な施設として思ったよりも大きな意義をもつのかもしれません。
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哨戒艦について。もがみ型護衛艦の量産とともに中々に音沙汰が無く、無かった事になったのではないかと危惧していたところに漸く実現の見通しが立ちました構図です。護衛艦の警戒監視任務が増大していた中でこれ以上の平時における警戒監視任務を強いられた場合には有事の際の能力にも影響が及ぶのではないかという危惧があり、具現化は朗報だ。
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哨戒艦はジャパンマリンユナイテッドが建造を担当し基準排水量1920t、全長95mで速力20ノット以上、そして30mm機関砲と多目的飛行甲板及び艦尾揚収装置等を設計に盛り込み、省力化を重視し30名規模での運用を想定しているという。そして平時における警戒監視が任務ではありますが、わたしはある重要な任務にも護衛艦に代わり対応し得ると思う。
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重要な任務とは。ソマリア沖海賊対処任務、忘れられているかもしれませんが2022年も継続中で現在は佐世保の第2護衛隊群が担当しています、派遣部隊は艦艇部隊では護衛艦1隻体制となっていますので過去の2隻体制ほどではありませんが、交代の護衛艦回送を含めますと常時1隻をアフリカ沖へ派遣することは簡単なことではありません、ここに。
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ソマリア沖海賊対処任務、哨戒艦は派遣される護衛艦よりも小型ではありますが、基本として海賊に対しては機関砲を搭載する哨戒艦でも対応は十分です、いや、リンク16のような各国海軍艦艇とのデータリンクシステムを搭載するならば海上保安庁巡視船でも対応できるのですが、あきつしま型などリンク16搭載巡視船は若干数であり現実的に不可能です。
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インドネシア近海の海賊対処任務、5月から巡視船みずほ、がインドネシア周辺か遺族対処へ派遣されていますが、ソマリア沖のように各国海軍が有志連合による国際部隊を派遣する事例を除けば対応できる事を示していますが、有志連合における運用に海上保安庁は法執行機関であり準軍隊でさえ無い為に指揮階梯や統合運用に対応できず、自衛隊の任務だ。
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基準排水量1920tという哨戒艦は満載排水量であれば2100tから2200tというところでしょう、武装は機関砲のみですが相手は海賊であり、アニメや映画の様に強力な武装ではありません、基本的に貨物船が接舷さえされなければ、放水程度で自衛できるものであり海賊行為疑いの不審船に対応するには、特に武装の面ならば機関砲でも充分といえましょう。
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30mm機関砲だけでは死角があるというならば、12.7mm機銃を増設するか、RWS遠隔操作銃搭を後部に搭載し死角を省くという選択肢はあります。なにより護衛艦の様に艦砲にCIWSは勿論、対艦や対潜各種誘導弾は必要ありません。SH-60J/K哨戒ヘリコプターは搭載しないようですけれども、全ての航空機が使えない訳では、といえるのかもしれない。
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多目的飛行甲板が設計に盛り込まれている為にスキャンイーグル無人機を運用可能です、滞空時間が長く元々鮪漁船の魚群探知用ですのでこの規模の船体でも充分といえる。海上自衛隊が導入を予定しているMQ-8無人ヘリコプターも搭載できるでしょうし、発着だけならばSH-60哨戒ヘリコプターも可能で特別警備隊の母艦としても対応できるといえる。
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艦尾揚収装置が構造物に含まれる為、特殊警備艇SB-25などの搭載も可能です。海上自衛隊には人員不足があり、SB-25を搭載しても運用人員が、こう思われるかもしれませんが江田島の特別警備隊など、護衛艦運用とはそれ程関係の無い部隊が温存されていますので、ここから例えば一個班9名を分遣隊としてソマリア沖に派遣する事は難しくはありません。
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海賊対処任務であれば海上保安庁からも8名程度の人員派遣を受けています、これは海上自衛隊には司法警察権が付与されていない為に海賊逮捕などの業務を海上保安官が担う為でもあるのですが、哨戒艦の船体規模からは護衛艦並に海上保安官の同乗を受けるだけの余裕も考えられ、少なくとも海賊を検挙した後の対応については人員が確保できています。
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哨戒艦の乗員は30名規模、交代で回航する哨戒艦を含めても2隻で60名です。これが護衛艦ですと、むらさめ型護衛艦は165名、2隻で330名となります。この2隻が日本周辺での警戒監視に当り訓練から外れる事を考えれば、少なくない負担となります、しかしそれ以上に休養が撮り難いソマリア沖に派遣されるとなれば、その負担はさらに大きくなる。
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哨戒艦が仮に乗員全員を個室とできるような余裕ある設計ならば、護衛艦の大部屋で幾日もアフリカ沖で勤務するよりも負担を抑える事が出来ます、そしてこれほど省力化が進んでいるならば、3クルー交代制を執る場合にクルー単位で、例えば自衛隊ジブチ航空拠点などへ海上自衛隊輸送機を活用し交代人員を送るという選択肢も、可能となるのでしょうね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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