北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

自衛隊1920t型哨戒艦は完全個室となるか【2】長期航海可能ならばソマリア沖海賊対処任務なども参加可能へ

2022-08-27 20:15:56 | 先端軍事テクノロジー
■哨戒艦,完全個室の意義
 完全個室というものは単なる贅沢に留まらず必要な施設として思ったよりも大きな意義をもつのかもしれません。

 哨戒艦について。もがみ型護衛艦の量産とともに中々に音沙汰が無く、無かった事になったのではないかと危惧していたところに漸く実現の見通しが立ちました構図です。護衛艦の警戒監視任務が増大していた中でこれ以上の平時における警戒監視任務を強いられた場合には有事の際の能力にも影響が及ぶのではないかという危惧があり、具現化は朗報だ。

 哨戒艦はジャパンマリンユナイテッドが建造を担当し基準排水量1920t、全長95mで速力20ノット以上、そして30mm機関砲と多目的飛行甲板及び艦尾揚収装置等を設計に盛り込み、省力化を重視し30名規模での運用を想定しているという。そして平時における警戒監視が任務ではありますが、わたしはある重要な任務にも護衛艦に代わり対応し得ると思う。

 重要な任務とは。ソマリア沖海賊対処任務、忘れられているかもしれませんが2022年も継続中で現在は佐世保の第2護衛隊群が担当しています、派遣部隊は艦艇部隊では護衛艦1隻体制となっていますので過去の2隻体制ほどではありませんが、交代の護衛艦回送を含めますと常時1隻をアフリカ沖へ派遣することは簡単なことではありません、ここに。

 ソマリア沖海賊対処任務、哨戒艦は派遣される護衛艦よりも小型ではありますが、基本として海賊に対しては機関砲を搭載する哨戒艦でも対応は十分です、いや、リンク16のような各国海軍艦艇とのデータリンクシステムを搭載するならば海上保安庁巡視船でも対応できるのですが、あきつしま型などリンク16搭載巡視船は若干数であり現実的に不可能です。

 インドネシア近海の海賊対処任務、5月から巡視船みずほ、がインドネシア周辺か遺族対処へ派遣されていますが、ソマリア沖のように各国海軍が有志連合による国際部隊を派遣する事例を除けば対応できる事を示していますが、有志連合における運用に海上保安庁は法執行機関であり準軍隊でさえ無い為に指揮階梯や統合運用に対応できず、自衛隊の任務だ。

 基準排水量1920tという哨戒艦は満載排水量であれば2100tから2200tというところでしょう、武装は機関砲のみですが相手は海賊であり、アニメや映画の様に強力な武装ではありません、基本的に貨物船が接舷さえされなければ、放水程度で自衛できるものであり海賊行為疑いの不審船に対応するには、特に武装の面ならば機関砲でも充分といえましょう。

 30mm機関砲だけでは死角があるというならば、12.7mm機銃を増設するか、RWS遠隔操作銃搭を後部に搭載し死角を省くという選択肢はあります。なにより護衛艦の様に艦砲にCIWSは勿論、対艦や対潜各種誘導弾は必要ありません。SH-60J/K哨戒ヘリコプターは搭載しないようですけれども、全ての航空機が使えない訳では、といえるのかもしれない。

 多目的飛行甲板が設計に盛り込まれている為にスキャンイーグル無人機を運用可能です、滞空時間が長く元々鮪漁船の魚群探知用ですのでこの規模の船体でも充分といえる。海上自衛隊が導入を予定しているMQ-8無人ヘリコプターも搭載できるでしょうし、発着だけならばSH-60哨戒ヘリコプターも可能で特別警備隊の母艦としても対応できるといえる。

 艦尾揚収装置が構造物に含まれる為、特殊警備艇SB-25などの搭載も可能です。海上自衛隊には人員不足があり、SB-25を搭載しても運用人員が、こう思われるかもしれませんが江田島の特別警備隊など、護衛艦運用とはそれ程関係の無い部隊が温存されていますので、ここから例えば一個班9名を分遣隊としてソマリア沖に派遣する事は難しくはありません。

 海賊対処任務であれば海上保安庁からも8名程度の人員派遣を受けています、これは海上自衛隊には司法警察権が付与されていない為に海賊逮捕などの業務を海上保安官が担う為でもあるのですが、哨戒艦の船体規模からは護衛艦並に海上保安官の同乗を受けるだけの余裕も考えられ、少なくとも海賊を検挙した後の対応については人員が確保できています。

 哨戒艦の乗員は30名規模、交代で回航する哨戒艦を含めても2隻で60名です。これが護衛艦ですと、むらさめ型護衛艦は165名、2隻で330名となります。この2隻が日本周辺での警戒監視に当り訓練から外れる事を考えれば、少なくない負担となります、しかしそれ以上に休養が撮り難いソマリア沖に派遣されるとなれば、その負担はさらに大きくなる。

 哨戒艦が仮に乗員全員を個室とできるような余裕ある設計ならば、護衛艦の大部屋で幾日もアフリカ沖で勤務するよりも負担を抑える事が出来ます、そしてこれほど省力化が進んでいるならば、3クルー交代制を執る場合にクルー単位で、例えば自衛隊ジブチ航空拠点などへ海上自衛隊輸送機を活用し交代人員を送るという選択肢も、可能となるのでしょうね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【京都発幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌:千葉習志野,駅前で江戸前鮨の握りは清酒と青春を引き立てる

2022-08-27 14:15:27 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 鮨という食べ物は清酒に最適化されているように思えるのでして。

 習志野駅、千葉県の習志野といえば第1空挺団の街です。そして千葉というのは千葉氏が当地を本拠として以来連綿と育まれた文化が在りまして、豊かな食文化もそのひとつなのかもしれません。駅前を散策していますと、それもそうはなれていない所に、興味をひく。

 時分どきをすこし動かして暖簾を潜りますと、混雑していない店内で大将の余裕在る料理を楽しめます、後ろにずらしますとまあそれはそれで美味しいものをいただけるのですが前にしますと、特に夕餉の走り始め時、大将の気合いを最初に料理で頂ける寸法ですねえ。

 江戸前鮨、そのなのごとくここは千葉なのですから東京湾、いまのじだいは東京湾も昭和の時代のような濁りもなく澄んだ海に魚影が往年の活気を取り戻している、疲れた体には素早く活力を取り戻すに、そんな魚を威勢良く捌いて、元気よく握った鮨が良いのですよ。

 雲丹の御通し、というのも。濃厚な雲丹はほんの一撮みでも印象に残る味わいです。御通しというものへの様々な意見が在るのは知っていますが、しかしこれは名刺代わりだ、こう理解しています、食事といいますか料理へのそのお店の姿勢を示した、というものね。

 寿司っていうのは、原色の色彩図鑑のようで見た目がすごいものなのだよなあ、これは毎回思うところなのですが、お皿の上にお任せで載せてもらいますと、これは大将の色彩感覚や美的感覚を先ず知ることができるという。すると赤身の鮪は一つの基準色なのかな。

 うん、これはよかった。舌鼓といいうものか、独り料理にうなづくのは不思議なものですけれども、なにぶん旅先の、そう土地勘の無いままにえいやと入ったお店が美味しいお店ですと、ようやく間違いの無いような旅程をくめるようになったものだと安心するのです。

 一つ二つ頂きますと気分もほぐれてきます、そしてお酒も、好きですが大酒ではない、湿らせるようにするすると頂く、こうしたカウンターで頂く鮨、大将の技量を味でみわけたのちにふと広い店内で独り酒というのは、自由で何かなんでしょう気分が安らぐようです。

 気分良い、というとともにしかし、店内で写真を見ていますと、これは見知らぬ土地に出かけました際に、こんな写真を採っているものですよと紹介しているような、そんな塩梅になるのですね。ここで地元の方、紳士と付添いの方とも話題が弾みまして、おお、と。

 白身の淡泊な、しかし酢飯の鮨ゆえの握りがうまくくちのなかでとけあい、なかなかに美味しいもの。旅のさなかの夕餉は写真という成果を思い出というものに昇華させるうえでの刻む記憶の分水嶺、やはり目的があってのその道中最中にはいいものをいただきたい。

 のり巻き。考えてみますと巻物という発想は巻物こそ日本に製紙業が定着してからありそうなものですが、軍艦と云う発想は幕府軍艦奉行などは江戸時代のそれも幕末のものですから、いつごろからあるのだろうなあ、なんてことを少し考えたりもするのですけれど。

 鮮やかなひとつをこう口に運んで吟味して、それは活力となって吸収されてゆく。考えるとわたしはお米はやわすぎず固めのところがすきなのだけれども、その基準はお寿司の握れる堅さ度合いというものが基準となっているのかもしれない、そして酢が疲れを解す。

 御酒は、少し考えましたが熱燗をいきなりかさねるのも不作法ですし、冷酒という気取り偏りはさけ、冷や酒といいますか常温でそれも手酌で注ぐ。考えればこれもコメ、コメでコメを楽しむものだから稲作の出来に左右されるお天気のような国なのだなあと改めて。

 寒い季節には旬をはずれて味の落ちるもの、こうしたものは冷蔵技術が発達した今でのあるものなのですけれども、おまかせというものは大将の経験に任せるという意味合いで、これも旬を外れるときにはどう絞めるか、薄切りが良いのか、脂のやわらげ方が腕をとう。

 話題が弾むというのは愉しいもので、長居したいと気分が乗るのは、稀有な事です。せっかくのことですし、これは去りがたいということでそれならばと話題代わる度に注文重ね、並べて肴に、お酒の肴というだけでなく話題の肴というのは、これも得難い経験という。

 習志野駅前の魚つぐ、扇状の扁額と云う様な看板を見上げつつ店の外に出ますと時刻ははやくも薄暮というところでした。ふと酔いが回ったように思うのですが、それも電車に乗っているうちに醒めるでしょう、気分良く見上げる空には、なにか心地よい風が吹いていました。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ザポリージャ原発危機-外部電源喪失と原発職員脱出開始,欧州最大の原発に何が起こっているか

2022-08-27 07:01:50 | 国際・政治
■臨時情報-ウクライナ情勢
 ロシアはまさか原発事故でウクライナ穀倉地帯を核汚染させ小麦輸出というウクライナの継戦能力を奪うなんてことは考えていないでしょうから、現状が理解できません。

 ウクライナのザポリージャ原発で仮にひとつでも原子炉が破壊された場合は、ドニエプル川に沿って水が汚染され、放射性降下物はウクライナの大半に加え東欧地域とロシア南部を汚染する、ここには世界の穀物需要として15%以上の小麦を生産する穀倉地帯があり、仮にこの一帯が放射性降下物に汚染されるならば世界規模の食糧危機と物価高騰を招く。

 ザポリージャ原発で何が起ろうとしているのか。ロシア軍占領下でロシア軍とウクライナ軍が原発施設を砲撃しており、原発周辺では送電網の破壊と火災も相次ぎ、そしてCNN報道をみればロシア軍占領から施設外に出ることを禁じられた職員の脱出が継続的に続いている、確かなのは欧州最大の原発にある六基の原子炉が長期駅な危険をはらんでいること。

 外部電源喪失、送電網の火災は、元々ザポリージャ原発には三系統の送電線が伸びているがロシア軍により二系統が切断破壊され、残る一系統を無理にロシア軍が2014年から占領を継続しているクリミア半島へ送電網を変更しようとしており、この際に送電網から発火している状況、これを受けザポリージャ原発では送電不能で六基ある原子炉全てを停止させている状況だ。

 ロシア軍の意図が不明な部分があります。ロシアには11カ所の原子力発電所があり、ウクライナの原発を占拠し運用するならばロシア側が原発要員を確保すれば良かった、仮に侵攻作戦の際に準備出来なかったとしても半年間何をやっていたのか、という事になります。またクリミアへの送電もウクライナに原発が奪還されれば送電不能となる認識はあるのか。

 電源喪失の懸念がある。ザポリージャ原発の概況は上記の通りですが、原子炉全てが停止しているものの核燃料の崩壊熱は継続的な冷却が必要であり、この為に原子炉が停止している以上は冷却に非常用ディーゼル発電機が必要です、なにしろ送電網全てが遮断されており他の発電所からの電気が供給できません。全電源喪失となれば核燃料が解け落ちる。

 メルトダウン、核燃料が解け落ちれば炉心が破壊され広範囲に放射性降下物が降り注ぎます、そして最も深刻なのはロシア軍占領部隊がこの危険性を認識しているのかが不明な点と、メルトダウンが発生した場合に核事故対処を行う部隊が展開しておらず、核事故が起きても原子炉冷却への停戦が見込めず、広範囲が核汚染に曝される事が必至の点でしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

令和四年度八月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2022.08.27-2022.08.28)

2022-08-26 20:15:59 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 熱さが暑さといえる程度に収まってきましたが皆様八月をいかがお過ごしでしょうか、さて今週末の自衛隊行事ですがブルーインパルスの夏がいよいよ戻ってきました。

 松島基地航空祭2022が日曜日に行われ、東松島夏祭りが土曜日に行われます。この松島基地航空祭ですが、新型コロナウィルスCOVID-19感染拡大を受け、今年度は事前抽選応募制となっています。入場は無料ですが当日抽選券などはありません、そして事前抽選応募は今月初旬までに行われており、既に応募期間は終了しています。当選者のみ入場できる。

 ブルーインパルスの基地として知られる宮城県の松島基地は、ブルーインパルスの基地ならではの飛行展示ということで複数回に渡り展示飛行が行われます。ただ、当選者のみの入場であり、混雑は回避されると思われる一方、基地周辺は外柵沿いでの撮影によりかなりの混雑が見込まれる為、移動の際は渋滞を留意し移動時間に余裕を組んだ計画が必要だ。

 第4航空団の展開している松島基地はブルーインパルスのほかに第21飛行隊にF-2B戦闘機が配備、このF-2B戦闘機は航空教育集団の戦闘機教育課程に対応させる複座型の戦闘機となっています。松島基地のF-2Bは東日本大震災の津波被害に見舞われた事で知られますが、製造終了したF-2Bの補填が利かず2018年までに大半を修理させた事で知られている。

 抽選応募となっています松島基地ですが、基地広報としまして基地内では例年のような出店など飲食店の出店は無く、しかし飲料水のみ販売されるとのこと。お出かけの際には、東北地方とはいえ夏は暑いものですから痛み難い食事や携行食の準備が必須でしょう。航空祭に併せて基地から5km先に浜市臨時駐車場、1.5km先の市役所駐車場が開放されます。

 航空祭臨時駐車場は、市役所に大曲地区体育館や矢本保健相談センターなど10カ所程度が確保されているということで、何れも数十台から数百台、そして浜市駐車場は4000台が駐車可能とのこと。この他に松島基地最寄駅に仙石線のJR矢本駅がありますので、運行本数から混雑は予想されますが、公共交通機関での移動というものも選択肢の一つでしょう。

 COVID-19感染対策を考えますと、安易に公共交通機関とは言えないのが難点です。ただ、松島基地航空祭はコロナ前の2019年と2018年の航空祭を見ますと五万名前後の来場者という、あの入間基地航空祭は勿論、浜松基地航空祭や岐阜基地航空祭と比較してもそれ程混雑しない為、超満員電車や大渋滞など考え過ぎ、と思われるかもしれませんが、注意を。

 東松島夏祭り。航空祭は兎も角夏まつりなんて、こう考えられた方は東松島市が基地の街でありブルーインパルスの街だ、会場は青一色で占められているとのこと、黄色い服で行けばウクライナカラーを手軽に示せるのですが、なんとブルーインパルスとブルーインパルスジュニアの展示飛行と展示が観られるのですね。ブルーインパルスジュニアは珍しい。

 ブルーインパルスの展示飛行は1330時から、ブルーインパルスジュニアの展示は1500時から行われるとの事で、基地の街故のブルーインパルス定番といえるでしょう。実際のところ、土曜日と日曜日にブルーインパルスを見上げる事が出来るということですが、夏祭りの方は地元小学校の太鼓展示や一部飲食屋台が感染拡大を受け中止されているとのこと。

 東松島夏祭り、会場は東松島市商工会前を中心に県道247号線までが設定されています、夜には花火大会が予定されていまして、ここにはブルーインパルス塗装のT-2練習機がモニュメントとして展示されていますので、T-2練習機を背景とした花火大会の写真なども優美で夏らしい情景でしょう。いよいよ八月も終わりですが、航空祭の再開は続いていますね。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・8月28日:松島基地航空祭2022・・・https://www.mod.go.jp/asdf/matsushima/index.html

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌:コカコーラは瓶コーラか缶コーラかペットボトルか氷のグラスか

2022-08-26 07:00:22 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 コーラを注文して瓶コーラがでてくるとちょっと安心します。

 コカコーラの一番おいしい飲み方というものはどういうものなのだろうという素朴な疑問です。個人的には瓶コーラか缶コーラかペットボトルかスペイングラスかという選択肢の中では瓶コーラが一番だとは思うのですけれども、今後は選択肢が狭まるように危惧する。

 清涼飲料水なのですから冷たさというものが価値観を左右すると考える上で、色々なの見方がある中でも瓶というものは一旦冷やしてしまえばそのまま冷たさを維持できるのですよね。勿論、王冠栓は一度栓抜きで開けてしまえば呑み切るしかないという難点はあるが。

 瓶コーラが一番だとは思うのですけれども、今後は環境対策という面からいまの複数の選択肢が狭まってゆくのではないか、一つ危惧するのは先ずいまの反プラスチック機運、前の小泉環境大臣の頃からペットボトルがイコールで廃棄プラスチックの様に扱われ始める。

 ジョニーウォーカーのスコッチがいまの瓶から紙パックに代わる、もう一つはコロナ直前に示された衝撃の発表でした。瓶は重量が有るので輸送という面で環境負荷が大きいのだとか。しかし大衆焼酎じゃああるまいし年単位で紙パックでも風味は維持できるのか、と。

 数さえそろっていれば問題視されないというか、保存の事も飲む際の利便性も考えず、中身は科学的に同一だろう、という身も蓋もないといいますか、数値化できない違いは敢えて無視する合理主義が、美味しいもの、という一つの文化と可能性を狭めるようにおもう。

 世界はいま、民主主義の権威主義の戦いの時代、という。個人的には自由主義と国家主義の戦いでもあるように思えるのですが、しかし、その次には環境負荷云々で全体を決める、個人の自由や尊厳という概念が分れる価値観の時代がきそうだと、同調圧力を前に懸念します。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

74式戦車の近代化改修について,第三世代戦車と共存し二〇二〇年代生きるドイツ戦車"レオパルド1"に学ぶ

2022-08-25 20:13:42 | 日記
■榛名防衛備忘録
 第7師団特集から始まりました視点の74式戦車は改修によりもっと第一線の能力を維持できたのではないか、この論点を今回はもう少し進めてみましょう。

 74式戦車を90式戦車の製造中に90式戦車の予算を削って近代化改修するよりも、90式戦車の量産を急ぐ施策を考えた方が良かったのではないか。この視点について論述しましたが、ここでレオパルド1戦車の事例という、実は論理として大事な部分が片手落ちである事を気付かされました。少し長くなりましたが、今後の戦車運用への視座を示したい。

 74式戦車の近代化改修は90式戦車が開発される前に行われるべきであった、レオパルド2戦車は1970年代末に開発されていましたから、所謂熱線暗視装置など74式戦車の問題点である夜間戦闘能力は1980年代に顕在化しており、特に90式戦車は第三世代戦車としては後発、その後発の後ろにはルクレルクやアリエテやメルカヴァMk4くらいでしょう。

 90式戦車は元々1988年に制式化を目指していましたので、74式戦車の開発は寧ろこの90式戦車の開発と並行し、遅延が明確となった時点で量産改修を行うべきだった、または制式化から十年を経た1984年の時点で改修を行うべきであったとも思う。他方、レオパルド1A5のリカオン樹脂装甲のような追加装甲については適宜行われるべきだとは思いますが。

 しかし、これは戦車として使う場合、これに限るのですね。873両という多数が生産された74式戦車も、運用基盤は確実に整備されているのですから、主力戦車としての厳しい機動には随伴が難しくなるのかもしれませんが、支援車輛や機甲科以外の装備に充当するという選択肢ならば、もちろん90式戦車の陰に隠れてしまう事にはなりますが、考えられる。

 75式装甲ドーザ、例えば施設大隊は装備する装甲ドーザの後継車両や92式地雷原処理車など、施設科車輛にはかなり応用できたのではないかと、後知恵ではあるのですが、振り返ります。こう考えると運用できる幅は実はひろい。大隊本部の指揮通信車にも応用できますし、なにしろ戦車ですし、老朽化が進んでいたとしても使い方次第で負担は抑えられる。

 レオパルド1を日本で視る事になるとは思わなかった、こう表現しますとさてオーストラリア軍かカナダ軍の戦車隊が東富士当たりで演習しただろうか、と思われるかもしれませんが、そちらではなくイギリス軍の車両です。いやいやイギリス軍はチーフテンとセンチュリオンでレオパルド1は使っていない、反論があるかもしれませんが、少しだけ違う。

 ヒッポ沿岸工兵車両、車体はレオパルド1ですが揚陸艦の専用車両で沿岸部において擱座した車両の支援や、離岸できなくなった揚陸艇を押し出す等の任務に当る車両で、揚陸艦アルビオンの晴海埠頭一般公開が行われた際に公開された車輛の一つ。レオパルド1は戦車としては先が見えていますが、こうした支援車輛として長期間、残ってゆく事でしょう。

 74式戦車の車体を応用するならば96式自走迫撃砲などにも転用出来たのではないか、こう書きますと、成程、砲塔を外して車体に120mm重迫撃砲を設置し、その上に砲塔を載せ、車長ハッチから砲身を車長の代わりに突き出して砲手用ハッチから装填手が身を乗り出して装填し射撃するという、遠景からは戦車なのか違うのか擬装する運用も可能でしょう。

 96式自走迫撃砲の代替、ただ上記の使い方はあんまりなので、例えばM-36駆逐戦車の様に74式戦車の砲塔上部を切り取って重迫撃砲の射撃を可能とさせる、無線機設置や弾薬庫の配置に考慮した試案、若しくは砲塔を取り去って車体に迫撃砲を直に東備する方式、AMOS自動迫撃砲システム用砲塔を載せる高級な案など、考えられるかもしれません。

 AMOS自動迫撃砲システムはスウェーデンのボフォースが開発した後填式迫撃砲で、双連式に装備した120mm迫撃砲を自動装填により射撃するというもの、射程は11kmですが緊急時には水平射撃が可能であり、火力支援車輛としても重宝します。CV-90装甲戦闘車などに車載するシステムであり、74式戦車の砲塔よりも軽量に設計され、反動もすくない。

 自走迫撃砲、74式戦車は老朽化により懸架装置や駆動系に寿命が来ている事は事実ですが、しかし砲塔を取り外すか軽量化するならば、車体そのものがかなり軽量化させる事が可能となります。これは駆動系や懸架装置への負担軽減を意味し、装備としての寿命を延ばすことになりますし、また90式戦車など第一線の戦車への随伴能力を高める事にもなる。

 JMRC-C60局地無線搬送端局、師団通信システムの通信基地局で通常高機動車に搭載されました、第7師団では73式装甲車を用い機動しており、第2師団では96式装輪装甲車を駆使していました。これは30km圏内の無線通信基地局を構成する装備であり、JMRC-R60通信中継装置とともに運用すると指揮所から60km圏内の音声とデータ通信が可能となる。

 73式装甲車に搭載されていますが、JMRC-C60局地無線搬送端局そのものの大きさは1600kgであり全長2.7mと幅2.2mですから、これこそ73式装甲車でなくとも74式戦車の砲塔を取除いた車体部分にも積載は可能となるのですね。第7師団が73式装甲車に搭載している背景には戦車を中心とした機甲師団は高い機動力を発揮する為、求められたもの。

 JMRC-C60局地無線搬送端局、今では新野外通信システムの搬送端局が最新型ですが、この搬送端局が展開していなければ通信が成立ちません、そして戦車は不整地でも遠慮なしに踏破しますので高機動車では随伴できないという状況に対応するべく、73式装甲車を用いている。しかし、退役する74式戦車の車体を利用しても必要な機動力は確保できます。

 通信部隊に74式戦車の車体という提案なのですが、JMRC-C60局地無線搬送端局は操作要員が3名ですので74式戦車でも対応出来ます、また戦車の方がエンジンは強力で器材に必要な発電能力も確保され、またこの器材は装甲車の後部扉は必要ない。例えば90式戦車の量産を急いでいれば、73式装甲車を普通科部隊から通信部隊に移管せず済んだということです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ウクライナ建国記念日,開戦半年と真剣に考えるべき国連総会決議"PKO部隊派遣"による撤退監視の出口戦略

2022-08-25 07:00:12 | 国際・政治
■臨時情報-ウクライナ情勢
 ウクライナ建国記念日、懸念された建国記念日に合わせたロシア軍大規模空爆やウクライナ軍一大攻勢はありませんでした。

 8月24日、ウクライナは建国記念日を迎えました。そしてその建国記念日がロシア軍ウクライナ侵攻から半年、ウクライナの抗戦半年を記念するのは不思議なものですが、年単位で長期化する様相を呈するウクライナ戦争については、例えば早期停戦、一ヶ月等ロシア軍一定期間内の撤退を条件とするPKO部隊派遣などを考えるべきなのかもしれません。

 F-35戦闘機など、強大な戦力を展開させているロシア軍、特に地対空ミサイルなどの脅威を考えるならばその脅威に対応できる戦力を展開させ、停戦をロシア軍の攻撃準備期間に悪用されないよう、2月24日以前の国境地域までロシア軍撤退を監視し、また仮に停戦合意違反があれば、UNOSOM2国連第二次ソマリア派遣任務以来の覚悟で臨む覚悟が要る。

 クリミア半島の奪還を目指す現在のウクライナ政府には厳しい私案ですが、PKO部隊のウクライナ東部進駐と停戦監視を条件に、少なくとも東部二州のロシア割譲を国連が主体となりロシアに拒絶を突き付ける、クリミア返還については先ず高等弁務官派遣にていったん棚上げを行い、ロシアウクライナ両国のクリミア問題妥結までをPKO駐留の期限とする。

 PKO部隊はロシアが拒否権を有する安保理決議に依拠するのではなく、1948年から2002年の慣例に倣い、国連総会が派遣する。これはスエズ危機という1956年核戦争危機において、イギリスフランスとソ連という常任理事国同士が安全保障理事会において対立し、国連軍による鎮定が不可能となった為に国連総会が動いたPKOへの原点回帰への案という。

 日本は一種、ロシアに対して経済制裁に参加するもウクライナに対し武器供与を行わないという、一歩引いた姿勢を堅持しています。すると停戦に伴うPKO部隊派遣への調整などで主導的な役割を発揮できるのかもしれません。他方で資源価格や穀物価格を筆頭に物資高騰の要因となるウクライナ戦争の長期化は、日本にとって資する事は何もありません。

 出口戦略を真剣に考えなければならない。ウクライナ戦争は核戦争を半舷に覚悟を決める厳しい状況での長期化よりは、覚悟を決めて世界がPKO部隊を派遣そしてその最悪の状況に陥る覚悟を決めるか、または手を汚さない限りに口だけ出し続け世界危機が核戦争へ傾いているのを煩く静観するかとなります。将来に後悔のない選択肢を、考えたいものです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【京都幕間旅情】寶塔寺,いまある情景を記録する意味-寺社仏閣拝観参拝と共に相方となるカメラたち

2022-08-24 20:20:58 | 写真
■一眼レフを片手に巡る
 CANONとは観音カメラが由来というのでCANONのカメラは寺社仏閣と相性がいいのだ、という訳でも無うのですけれども。

 宝塔寺の拝観へ歩み進めつつ、先日久々にEF300mmF2.8ISレンズという重いレンズにEF100-400mmISⅡとかEF28-300mmISレンズとか予備のカメラに一眼レフに一脚、という重装備で右往左往する撮影環境に身を挺し、やっぱり体力を使うなあと実感しました。

 京都散歩、寺社仏閣の拝観と参拝は歴史との出会いではあるのですが、例えば醍醐寺、例えば平野神社、例えば災害などに見舞われる実情とその被災前後の写真を見比べますと、いま採っているものも歴史なのだと実感するところで、カメラと共に巡る意義を感じる。

 平成の大修理や令和の大修理、その前後の様子を記録しておきますのも備忘録的な意味がありますし、例えばここ宝塔寺から南へ下りました宇治の平等院なんかも平成の大修理で一新した、されてしまったために、写真に残す事には意義と心入れを強く思うのですよね。

 EOS-7Dシリーズは遂にmarkⅡの生産が終了し、北大路機関では予備機こそ確保しているのですが将来的に一眼レフはミラーレス機にとってかわられるのだろう、という寂寥感を感じつつ、たいせつに使っているというところです。ミラーレス機種はバッテリーが。

 寺院拝観ではEF300mmF2.8ISレンズなんていう巨大なレンズは使わないのですが、兎に角お散歩の際に至った美しい寺院を巡るという視座で撮影しますと、歩く距離は凄い事になります。するとバッテリーさえ続くならば、機材は軽くなるといいのかもしれません。

 EOS-R7,ミラーレス機種なのですがなかなか良いらしい、一番の弱点でした撮影枚数、つまりミラーレス機種全般に当てはまった燃費の悪さが解消されているといい、実質1500枚ほどは、もちろん使う環境やレンズの大きさにもよるが、連続して撮影できるという。

 お散歩機種として有る程度使えるのか、それとも観艦式や総火演のような厳しい第一線へ投入できるのか、このあたりは発売されて、として運用実績が積まれて行かなければ何ともいえません。ただ、各社の初期のミラーレスの悪評は改良によりほぼ払拭されつつある。

 京都でお散歩カメラとして。二線級のカメラですとこういう扱いになりますが、変な話使用性能に満たずと、総火演で烙印となりましたEOS-M3はお散歩カメラとして本領を発揮しています。ただ、EOS-Rはレンズ規格別なので、お散歩に一揃いレンズを買うのもなあ。

 北大路機関のカメラへの要求は過酷です、なにしろカメラバック一つで何日も被写体と向き合うこともある、充電する余裕は少ないしカメラバックには着替えに資料にPOMERA電子端末なども、そして複数のカメラ、主力機に予備と支援機種、レンズも数多い。

 撮影は被写体を待って半日ということも多いし、丸一日本命の被写体を待つこともある、それだけにカメラは望遠鏡の代わりに被写体を探し、撮影しないまでも使う時間は十数時間なんてことも多い。もちろん異常に暑い日もあれば寒過ぎる日も、雨天も雪もあります。

 EOS-7D,PowerShotG7X,KissX7,少しだけ期待するのは7を冠したCANONの製品ははずれが今のところ有りませんので、使える性能に達しているのではないかと。期待しつつ、しかし一眼レフのEOS-90Dについて、やはりまだまだ気になる今日この頃だったりします。

 宝塔寺の拝観、その手にはカメラが常にあります。考えてみれば使っているカメラも十年前とはかなり変わりました、十年後は何となく想像はつくのですけれども、二十年後となると、どんな器材で撮影しているのか、ちょっと想像がつかず、楽しみではあるのですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【京都幕間旅情】寶塔寺,日像さんはここから京都を見守る-戦火の歴史も今の現状も,いま思い馳せるウクライナ

2022-08-24 20:01:01 | 写真
■ウクライナ戦争開戦半年
 平和とは難しいものですが寺院巡りを出来て写真を世界に公開する日常を過ごせる今は確かに平和だ。

 宝塔寺。拝観に探訪しまして御本尊に手を合せ拝みつつその本堂の少し涼しさを感じる木造の御堂から、宝塔寺多宝塔を眺めます。宝塔寺多宝塔は応仁の乱からも天文法華の乱からも、幸いにして戦災を免れた文化財でもあるのだ。そして御山は幾度も危機はあった。

 日蓮宗の寺院で在ります宝塔寺、拝観は山門が開いている限り迎え入れてくれるという気風に好感を持てまして、しかし暑い日のなかでも輻射熱が熱い程でしたので、少し御本堂の軒下に腰を落ち着かせてもらいますと木々からの風が迎えてくれるようなここちよさ。

 日像さんはここから旅立ったのだと小高い御寺から少し考える。妙顕寺で入寂しました日像さんはここから旅立ったというのですが、妙顕寺は本法寺はじめ洛中のもうひとつの寺町は中心部にあります御寺ですから、考えてみれば遠い場所、しかし北大路からはちかい。

 七口という、この当たりは京都に至る七つの街道口、その一つの鳥羽街道に面した立地に廟所を置く事で末永く京都を見守りたい、日像さんはそんな思いを巡らせていたのでしょうか。他方、街道口は緊要地形、緊要地形は戦場となります、そして此処は高台にある。

 伏見区深草宝塔寺山町、この宝塔寺が鎮座していますこの一帯は、幕末の鳥羽伏見の戦い、その戦場からそれ程はなれていない立地に、あるのですね。そして京都は太平洋戦争にて大規模な空襲は受けませんでしたが、原爆による核攻撃の候補地でもあった事実がある。

 応仁の乱と天文法華の乱、この二つの戦乱では宝塔寺は攻撃目標となっていまして、多宝塔が生き残りましたのは僥倖というものがありました、こういうのも宝塔寺の伽藍は多寶塔を除き焼失したという歴史があり、故に唯一残った多宝塔には意味があるのですけれど。

 多宝塔。考えていますとこの写真を北大路機関に公開しました8月24日は、あのロシア軍によるウクライナ侵攻が始まった半年目の節目でもあるという一日であり、戦災というもの、現代日本で実感を持てなくなっている概念について、考えてしまう一日でもあります。

 戦争、この概念は“戦後”という概念が定着した昭和二十年八月十五日、ここから何も考えないようにしてきた理念でもあるように思えまして、要するにこれを話し始めると価値観の違いから面倒な事になる、そんな視点で放置してきたように思えてならないのですね。

 ウクライナでは文化財が破壊され続けている、報道を見れば分かる範囲内でも復興を考えれば当事者でなくとも文化財に関心があるならば頭痛が迫ってくるような規模で続いています、平和は大切なのだけれども平和を維持する方法論を考えていないようにも思える。

 ロシア化。難しいのは戦争をしない事が平和への道という戦後日本の理解は、当初はこちらから他国へ攻め込まないという理解であった筈が、攻撃されても応戦しないという理解の様に拡大解釈されているよう、すると制度も文化も守る事を放棄するのか、となります。

 戦争反対と唱えるだけで逮捕されるのが今の隣国、ロシアの現状でして、すると民主主義や憲法上の権利と法の下の平等なんていう概念さえも奪われかねない状況でも、防衛というものを忌避する事は、果たして平和なのか、現状の視座では何とも言えないものがある。

 平和だからこそ今の日常がある、しかし空気が有るから生きている一方で空気が何故できているかを理解する必要が無いように無関心でいれば今ある平和を享受することは可能ですが、国際報道をただ見るだけでも、その維持の現実的手段を見る必要も、感じてしまうのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロシア軍ウクライナ侵攻半年-国際公序への明白な挑戦に長期化様相の東部南部戦線と日本恫喝する巨大軍事力

2022-08-24 07:01:52 | 国際・政治
■臨時情報-ウクライナ情勢
 ロシア軍ウクライナ侵攻から今日で半年となりました。演習名目の兵力集中により何らかの行動は必至と考えましたが実際に戦端が斬られると驚きでもあった。

 ウクライナへ侵攻したロシア軍はその軍事行動を正当化する方便として“ウクライナの全体主義ネオナチ勢力を一掃する”“ウクライナに配備されるロシア本土を脅かす侵略兵器の排除”“ウクライナ政府が策謀するロシア系住民ジェノサイド民族浄化の阻止”という滑稽ともいえる主張を展開しており、このこじ付けでは日本も侵略されると危惧を感じました。

 経済制裁とロシア批判、日本は平和憲法を堅持する範疇での最大限の侵略行為への反発として可能な範囲内での対応を行いましたが、これに対してロシア軍は日本周辺での演習強化という形で応じており、その軍事的示威は今月末から日本東方海上や北方沖地域を含みボストーク多国間演習という次の行動が控えています。これは危機感を痛感させられます。

 北海道だろうとバルト三国だろうと場合によってはポーランドやドイツ東部でさえも、ロシアはその地域を占領する事が政治的な要求であるとともに軍事的に可能であるならば、侵攻してくる懸念がある、国際法遵守は二の次であり、侵略行為は勿論、国際人道法や文民保護原則でさえも、ロシア政府が認めなければ存在しない主張する、こう突き付けた。

 ネオナチ勢力ですが、ロシア軍は信じているようでキエフ北方のブチャなどでは虐殺された市民の衣服が剥ぎ取られる事例があり、これはナチス党員を示す鉤十字の入れ墨有無を確認した為と理解されています。ただ、ウクライナのゼレンスキー大統領はユダヤ系であり、ユダヤ系が国家元首を務めるナチズムなどは根本から矛盾し、あり得ないと判ります。

 ジェノサイドについても、ロシア軍はやったかもしれませんが侵攻前のウクライナ東部地域ではEU欧州連合の査察団が人道問題の監視を行っており、ジェノサイドについては兆候さえ報告されていません。大量破壊兵器についても侵攻したロシア軍はNBC偵察車等を随伴せず、つまりロシア政府が主張してもロシア軍が信じていなかった事は明白でしょう。

 ウクライナ軍は奮戦しています、正直なところ一週間で壊滅すると考えられたウクライナ軍あ現実には遥かに精強で、またほぼ三週間おきに戦術を一新し首都防衛成功や東部反撃、昨今では南部遊撃戦を展開しています。一方でロシア軍撤退に繋がる決定的な戦果に繋がっていない事も、また現実ではあります。長期化する、これは避けようがありません。

 しかし、あれだけの経済制裁を突き付けられても、国際公序を示されたとしても、軍事行動を続けると共に非戦闘員に対する無差別攻撃を行い、批判する諸国に対しては水爆で恫喝するという国というものが地球上に未だ存在しているという現実は、目を瞑るべきではありません。繰り返しますがこの戦争は長期化し得る、関心を以て推移を見守りましょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする