北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【京都幕間旅情】今宮神社,元禄時代再建拝殿に明治時代再建本殿-情感と静寂と散策と緑そよ風時折夕立

2022-08-10 20:22:25 | 写真
■船岡山を望見しつつ
 真夏の京都は暑いというよりも熱いという風情ですが時折の夕立が艶やかに陽光を反射させる故になにかこう待ち遠しくもなる。

 今宮神社、さてCOVID-19の話題ばかりになってしまいましたが、本日8月10日の感染者は遂に25万名に達したとのことでして、楽観する要素よりも達観や諦観している人たちが、投げやりに楽観論を示しているように思えるのですよね、数字では楽観できない。

 安全保障を考えるWeblogですので、科学的に考えなければなりません、祈るだけであった時代ではなく、幸い今はもう少し理知的に考える手段と情報を得る手段がありますので、これを無視しては、なにかカルト宗教じみた発想になる、知るのを恐れてはいけないです。

 神社参拝で、なにか気分重くなるところですが、参拝は愉しいのだ。ここは参拝が実に奥行き深い感慨溢れる場所にあるのです。大徳寺に隣接していますが、門前町が焙り餅で有名でして、そして大徳寺に隣接しているのですが、この界隈、ご飯がおいしい所もある。

 北大路機関の北大路とは北大路通りに由来するものなのですけれど、京都市北区紫野今宮町、社殿の立地は北大路通りが北大路堀川からのぼり千本北大路手前の小高い緑の小山が見えてきました当りが、今宮町のあたりとなります。そしてこの緑の小山は船岡山という。

 大己貴命、事代主命、奇稲田姫命、御三柱を祀ります。この繋がりでしょうか、社殿の造りも独特となっているところです。御三柱を祀る社殿なのですが、この始まりは紫野御霊会といいまして、何度も京都をはじめ律令国家時代に日本を襲った疾病をはらうもの。

 御霊信仰という、古代と中世までは疫病が流行する原因を御霊という、この世に未練を残して亡くなった方々が引き起こしているとの信仰がありまして、これを抑える為に祭事を執り行う、その祭事を朝廷の命により執り行っていたのが御霊会、というものでした。

 長保3年こと西暦1001年に創建となった社伝があるのですが、京都は平安遷都の前にも広い営みがありました盆地ではあるのですが、当地には素戔嗚を祀る社殿が在ったとされまして、今宮神社創建の後にはその境内に摂社疫神社としましてその信仰を今に伝えている。

 船岡山のあたりに今宮神社が、と北大路通りからの当社の位置を示したものですけれども、元々御霊会の祭事は船岡山で執り行われていたといい、しかし、船岡山は明治以降には建勲神社、その前には船岡山城があった遺構も見つかっていますので、遷座しているのです。

 応仁の乱ではやはりといいますか仕方ないといいますか焼き払われていますけれど、こうした歴史がありますので、現存する建物は江戸時代や明治時代に再建されたもの、そして信仰は御霊信仰と繋がる事で崇敬を広く集め、社殿はこのように壮大なものとなっている。

 拝殿は元禄7年こと西暦1694年、お玉こと桂昌院によって再建されたものでして、このかたは玉の輿といいますか、徳川第3代将軍徳川家光の側室となりました西陣の八百屋の娘さん、この方は京都の神社を拝観していますと時折その偉功を見る事ある文化財の守りて。

 ここは坂道を上れば佛教大学の方にも至りますし、活気と静けさが並んでいる。茶店も焙り餅の趣き深い所から、友人はこの近くのビーフシチューのお店がお気に入りで、十年以上前に閉店してしまったが、一つ心整え次の散策に転じるのもお勧めの静けさがあります。

 散策には静けさが大切だとおもう、もちろん王道といえる寺院は数多多くの方々が見上げた歴史の証人ですので、併せて見上げ気分に浸りたいところもあるのですが、静けさの中に時の移ろいを愉しむものも一つの散策の醍醐味と思う。今宮神社はそうした聖地なのだ。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都幕間旅情】今宮神社,八月初旬第七波終息開始専門家予測外れたCOVID-19時代の危機感焦らす青い空

2022-08-10 20:00:20 | 写真
■熱い夏の京都の焦燥感
 コロナウィルスというのは冬の季節性感染症であったはずなのですが原じゅは報道の通りです。

 今宮神社を参拝するとともに、コロナ鎮撫を祈りましたが、ただの風邪論で対策を軽んじる動きは、先日京都駅前でも無届集会でプラカードを掲げている方々をみましたし、こちらにも書き込まれる方が根拠のない思い込みを示していて、呆れと危機感を感じました。

 自衛隊や米軍がいなくとも沖縄は平和、こうしたWeblog北大路機関の運営を開始した当時の一部主張と、コロナは対策やワクチンが無くとも安全、主張が完全に重なっているのです、数字が曖昧であり、危機を示す情報を意図的に無視している。現実を見ないのです。

 BBC報道とロイター報道を視ているだけなのですが、COVID-19については安心要素はないのですよね、安心だ安心ですという方の主張の論拠等を着ていますと、ファクトチェックに不安のある、つまり調査に費用を掛けていない為に思い込み数字等を含むものが多い。

 イギリスは死者0の日もある、これはロイター統計を元に“COVID-19の脅威度は低い”とする方が用いる数字なのですが、単純に“イギリスNHSは死者数を不定期発表している”という現実を無視しているのですね、実際に数字を見ると安泰といえるのか、と考える。

 4月6日に2947名死亡し4月10日は死者0名で4月14日は350名死亡に、4月17日は死者0名で4月21日は646名死亡、こう続きます、増加傾向に危機感を覚え集計を丹念に行った結果、4月25日は646名死亡し4月29日は548名死亡が発表されている現状だ。

 一日当たりで日本の人口に照らせば、200名前後、しかもこれは感染拡大の波とは無関係の状況でこの数字なのですね、何故4月の数字を示すのかと問われれば理由は二つ、いきなりオミクロン株の流行で2947名という数字に驚いた事、そしてもう一つの理由が深刻だ。

 イギリス保健省は7月17日以降集計結果を推測値に切替えていて、正確な情報が発表されていないのです。これは、要するに集計態勢の崩壊、これで良かったというのは、悪い喩えですが1945年8月6日の広島音信不通を被害なしと誤解した東京の方々に似ている。

 発表が無ければ安全なのかといえば、北大路機関は防衛安全保障関連の論点で閲覧される方が多いですから、フィリピンではスクランブル発進を行っていない、台湾はスクランブル発進を得意な事象を除き行っていない、この視点を示せば、意味が明快となるでしょう。

 緊急発進を喩えに示せば、フィリピン空軍は戦闘機が無く全国を警戒監視する防空レーダー網が無い為に緊急発進行えず、台湾空軍は度を越した中国機の接近に空軍が疲弊し事故多発となった為に緊急発進を行えない状況になっている、この事情を知れば見方は変わる。

 リアクト1、イギリスでは推計値だけではCOVID-19を追跡するに不充分であるとして、リアクト1プロジェクトという調査を行っています。これは毎月、イングランド住民15万名を無作為に選び個人用検査キットを送付し調査するという方式で推計値を調査している。

 イギリスでは現在国民の25名の1名に当る規模の約270万名がCOVID-19に感染している、BBC報道ではこうした現実が示されている訳で、日本の人口に当てはめれば600万名規模に達し、療養期間の目安が10日間とすれば毎日感染者は60万規模になる数字です。

 中等症や重症化するリスクは1%ですので安全、と思われるのでしょうが、600万の1%なんていうものは6万名ですので、そんなに日本全国のコロナ病床はあるのか、無いだろう、こう考えざるを得ないのです。日本では感染対策を一定規模継続しても毎日20万前後だ。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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台湾周辺の中国人民解放軍演習は期限越え継続-演習常態化による台湾封鎖の懸念,時は台湾に味方する-故の危機

2022-08-10 07:02:00 | 国際・政治
■臨時情報-台湾海峡情勢
 台湾海峡をめぐる情勢は台湾周辺の危機へと拡大しつつ更に長期化の様相を帯びてきました。日本としてももう少し関心を持つ必要があります。

 中国人民解放軍はペロシ下院議長訪台による7日に終了予定であった台湾周辺海域での演習を8日とそして昨日9日も継続的に実施し、台湾周辺での中国軍演習が常態化する懸念、そして台湾周辺での演習常態化により実質的な台湾海上封鎖へ情勢を段階的に緊迫化させ、何らかの時機とともに台湾侵攻へ着手するのではないか、という懸念を高めています。

 中華民国台湾陸軍は中国軍の軍事演習が続く中、演習を開始しました。これは対抗演習という、相手国が周辺地域において軍事演習を実施した場合に、その演習が軍事演習を装った侵攻準備であった場合に対応できるよう演習の形を執り即応体制を強化する紛争抑止の様式があります。民国国防部は予定された演習と強調していますが、実態は対抗演習です。

 対抗演習は北海道などで自衛隊も実施します、十年ほど前に第5旅団祭を拝見した際、帯広駐屯地第1対戦車ヘリコプター隊は参加しませんでしたが、翌日日曜日に北海道大演習場近くの南恵庭駐屯地祭を探訪した際、駐屯地から少し離れた場所をAH-1Sが常時複数機飛行、演習中だと教えられました。そして同時期、北方領土ではロシア軍が演習中でした。

 台湾での演習は、しかし若干不安を示すものとなりました。中華民国国防部は沿岸部での砲兵隊演習を公開し、M-1榴弾砲が砲列を敷き一斉射撃にて目標海面上に凄まじい水柱が林立する様子を誇示しましたが、少し知識が有ればM-1榴弾砲は第二次世界大戦中の火砲であり、どれだけ古いかといえば第一作目1954年”ゴジラ”で海岸にて迎え撃った火砲です。

 台湾の火砲は旧式化が著しい、M-110自走榴弾砲75門とM-109A5自走榴弾砲200門は比較的新しいのですが、中華人民共和国政府の圧力により新型火砲を各国は輸出できず、M-1カノン砲400門とM-1榴弾砲300門、M-1重榴弾砲90門など、火砲の主力は第二次大戦型となっています、M-1榴弾砲射程は自衛隊のFH-70半分以下、120mm重迫撃砲程度だ。

 戦車は未だにM-41軽戦車、自衛隊でも1981年まで現役でしたが台湾では改良され維持されており、戦車は全て第二世代のM-60A3戦車とM-60戦車にM-48砲塔を載せたCM-11戦車が910両という状況、日本でいえば74式戦車だけのような状況です。この背景には台湾には105mm戦車砲を国産製造する技術も無く、機関砲製造も20mmまで、装甲車等は国産できますが防衛産業に限界があります。

 ただ、台湾有事が迫っているのではないかと危惧するのは、アメリカのトランプ政権が新型のM-109A6自走榴弾砲40門の売却とA2型のA6仕様への改修が開始、また戦車も念願のM-1A2戦車108両の売却が決定し今年から引き渡しが開始されます。またHIMARSとATACMS戦術ミサイルやハープーン沿岸防衛システムの売却も決定し引き渡し待ちという。

 時は台湾に利する、という状況です、つまり時が経てば経つほど、台湾の防衛力は強化され、中国が台湾へ侵攻する時機を早めに判断するのではないか、という懸念があります。丁度日本でも護衛艦かが入渠中、まだ日本へはF-35Bの導入も開始されていません。戦争など起きないだろう、こうした考えを持つ際には現状を正しく理解しなければなりません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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