北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和四年度八月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2022.08.13-2022.08.16)

2022-08-12 20:05:42 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 今週末からお盆休みではありますが自衛隊関連行事はこの期間には行われません。

 自衛隊行事が行われない期間ではあるのですが、自衛隊の現状を観て眺めるには艦艇基地、一般公開は行われていませんが、横須賀や舞鶴基地を筆頭に遊覧船が運行されている基地もあり、この運行などを調べて探訪してみるのも良いかもしれません。ただ、楽観視できない状況は幾つかあり自己責任の下で自己判断を求められる事例も多い点は留意が必要だ。

 台風8号、懸念の筆頭は紀伊半島沖で発生した台風8号の日本本土上陸です。気象庁の予報を見ますと明日13日にも東海及び関東甲信地方に上陸見込みとなっていまして、現在の進路を見ますと浜松市を直撃する経路をとっています。現時点で中心付近の最大風速は18m/s、幸い暴風圏は無く中心気圧は1002hPa、台風の規模としては大きくありません。

 台風8号、速度は15km/hとゆっくりですが今後速度を増し、短時間で通過すると予報がでています。これにより天候悪化は急激となることが懸念されていますが、もう一つ考えなければならないのは、雨量です。既に先日特別警報が発令された東北地方や北陸地方、北海道には今週末までにかなりの雨量が蓄積されており、土砂災害などに警戒が必要です。

 線状降水帯発生が予想されていまして、台風の風速よりも留意すべきは豪雨かもしれません、線状降水帯発生が予想されているのは静岡県、既に東海地方では局地的に発達した雨雲がかかり雨量が増大している地域があります。台風といえば暴風圏の有無で勢力が判断されますが、線状降水帯により交通機関などは影響が出る可能性に留意すべきでしょう。

 COVID-19,お盆の季節ですが記録的な感染が続いている新型コロナウィルス感染症については、最早“どこで感染してもおかしくない懸念”とともに“地域医療には崩壊に近い影響が出ている都道府県”という問題と“発熱外来や入院と宿泊療養施設の飽和状態”に“2mの社会的距離をとれないイベントでは確実な感染事例”という現実、などがならんでいる。

 全国の感染状況は8月11日の時点で206名死亡と24万0205名感染、という数字があり、本日の段階では210名死亡と16万8826名感染という数字が示されています。これは一見ピークアウトと思われる数字とはなていますが、昨日は山の日休日となっていますので、休日の翌日は一時的に感染者数が低下する事象、医療機関の休業などの影響がでるのです。

 感染対策は個人に任されています、緊急事態宣言もまん延防止等重点措置も取られていない為ですし、“三年ぶりに制限の無いお盆”という表現で迎えられています。重症化や肺炎など治療が必要なリスクは僅か1%ですので、毎日20万名が感染しても療養期間を10日とすれば2万名であり毎日2000名で、何とかなると思われるかもしれないがほんとうなのか。

 感染を抑える事が先ず第一なのですが、現在のワクチンは2020年11月に完成しアメリカで接種が開始されたもので、デルタ株に対しては感染予防効果は多少高かったようですが、変異株オミクロン株の変異が続く中、重症化予防という段階に留まり、ワクチン接種の場合でも重症化リスクは残る状況です、いや11月にはオミクロン株対応ワクチンが出てくる。

 行事再開は続いています、舞鶴展示訓練も行われましたし、人数は限定されますが小松基地も明日から九月に行われる航空祭の抽選応募を開始します。ただ、このまま感染対策を終了しますと、現状よりも酷い感染拡大と医療崩壊が常態化しかねません、いや、医療が持ちこたえられれば良いのです、例えば新規病院開設や臨時病床確保、要員確保など、ね。

 ただ、2020年の感染拡大を抑えられたことで、欧州のような医療要員の確保が出来ていません、やっていると思われたかもしれませんが人口一億当たり毎日数千名が死亡した欧州では、学短で看護学生や医学部生を就学期間を短縮させ、また医療国家試験の一部を免除しOJT方式で医療従事者を確保した為の人数の余裕がある、日本はそれをしていません。

 医療動員体制を平時のまま、予備戦力の無いままに再度津波のような感染拡大が続いており、しかもワクチンの効果が低下している。着実に重症者数が増大していて重症者は自発呼吸ができないという処置なしでは数時間で死亡する状況ですから病床が確保出来なければ死を待つ事しかできない現実が待っています。楽観要素は実質なにがあるのでしょうか。

 感染対策というよりも、ウィズコロナという、感染したならば十日間の療養期間があり濃厚接触者の隔離の必要は無いが濃厚接触者が感染するリスクは非常に高いという現実があります、しかも相次ぐ変異株はB.A.5感染者がB.A.2.5に再感染するという、要するに年間何度か感染するリスクが続いているのですね。このままで社会を回す方法、考えねばなりません。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・8月6日:横須賀サマーフェスタ2022・・・https://www.mod.go.jp/msdf/yokosuka/
・8月6日・7日:清水みなとまつり2022・・・https://www.mod.go.jp/msdf/yokosuka/
・8月7日:自衛隊フェスタ50/70in滋賀高島・・・https://www.mod.go.jp/asdf/aibano/
・8月6日・7日:えたじま須崎港一般公開・・・https://www.mod.go.jp/pco/kochi/
・8月6日・7日:佐世保サマーフェスティバル2022・・・https://www.mod.go.jp/msdf/sasebo/

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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太平島は大丈夫か?台湾有事限定侵攻,フィリピンパラワン島西方にシーレーン迂回路-日米安全保障論争の盲点

2022-08-12 07:00:16 | 国際・政治
■臨時情報-台湾情勢
 台湾情勢がBS報道番組を中心に日々激論や関心の対象となっていますが、中華民国台湾の領域は実は広くその離島は防衛の盲点となっている点が見過ごされている様に懸念します。

 太平島、台湾海峡の緊張では台湾島への中国軍侵攻の懸念よりも中国大陸から2kmの距離にある金門県金門島への侵攻の懸念というものを先日提示しました、しかし金門県は14万の人口、非戦闘員が居住しており、非戦闘員を巻き込む戦闘はアメリカの関心を招くとして中国側が留意する可能性は、国際法を遵守するならば抑制効果はあるのかもしれません。

 金門島は中国大陸から近く、人民解放軍には130kmの台湾海峡を超えるには課題はありますが2km先であれば侵攻は可能であるとしました、しかしもう一つ、人民解放軍の両用作戦能力で占領可能といえる中華民国台湾の戦略目標として、太平島という台湾の離島があるのです。ここは中国にとっての戦略拠点にもなり得、台湾にも一つの要衝となっている。

 南沙諸島、太平島は南シナ海において東南アジア諸国との間で中国が係争問題や武力衝突を繰り広げる南沙諸島の北部に位置していまして、そして太平島には滑走路が整備されていて、飛行場機能も有しています。南シナ海に中華民国台湾の拠点がある状況は、国共内戦の停戦という現状が続く限り南沙諸島における中国の南沙諸島全面制圧を回避できます。

 フィリピンのパラワン島西方に位置する太平島は、戦略要衝であり、ここが占領された場合、既に中国がヴェトナムやフィリピンから武力奪取し造成した人工島による南シナ海の実効支配を強化するとともに、特にパラワン島とパラワン水道など東南アジアと日本を結ぶ海上交通の台湾海峡有事における迂回路を塞ぐ事となり、憂慮する事態となるでしょう。

 台湾では海軍陸戦隊等が防衛陣地を構築しています、一方で非戦闘員は居留していません。他方で空軍には太平島に戦闘機部隊を展開させる余裕はなく、人民解放軍が総力を挙げるならば占領は可能です。また、太平島と隣接する環礁を失陥する事と成れば台湾は南シナ海の領域全てを失う事ともなり、戦略的な打撃と共に政治的威信失墜も避けられないもの。

 太平島の有事、勿論これは台湾有事における限定侵攻想定の一想定事態に過ぎない留意事項の一つですが、台湾有事には介入姿勢を示す、とするアメリカや周辺事態に台湾海峡を含める日本にも、台湾本島から遥か南方のパラワン島西方までを台湾有事と見做して介入するかは明示されていません。考え得る事態の段階として留意すべき地域とかんがえます。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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